花屋のパート・アルバイトの仕事というと、接客やラッピング、フラワーアレンジなどがイメージされますが、実際の仕事内容は多岐にわたります。
水換え、害虫駆除といったお花の日々のお手入れから、場合によっては書類作成などの事務作業を担当することもあります。
今回は、花屋のパート・アルバイト、正社員・オーナーそれぞれの仕事内容を詳しく紹介していきます。
こんな方におすすめ
- 花屋で働いてみたい
- 花屋がどんな仕事をしているのか知りたい
- 花屋の仕事はきついという噂を聞いて気になっている
花屋のパート・アルバイトの仕事内容
花屋のパート・アルバイトの仕事は、接客やレジ打ちなどに加え、お花のお手入れや掃除などの日々のメンテナンス業務がメインです。
簡単なブーケの製作などもあり、経験を積んで知識とスキルを磨けば、自分のセンスでアレンジメントの製作ができる機会も出てくるでしょう。
その他にも書類作成などの事務作業を行う場合もあります。
店舗の規模感にもよりますが、お花屋さんは基本的に中小規模な店舗が多くスタッフの数も多くはないため、幅広い業務をこなせる人が適しています。
以下は、パート・アルバイトの一日の仕事内容の一例です。
【例】花屋のパート・アルバイト 一日の仕事内容
【10:00】開店(掃除)
【11:00】接客、花の手入れ
【13:00】接客、商品陳列
【15:00】接客、POP作成
【17:00】接客、店頭陳列用のブーケ製作
【19:00】閉店(掃除、事務処理など)
花の手入れ(水揚げ・水換えなど)・掃除
花の手入れは、花屋の中でも最も基本的な仕事です。
仕入れてきた花は、まず「水揚げ」と呼ばれる水を吸わせる作業を行います。
花の仕入れは早朝に行われるので、水揚げも基本的に午前中に対応することが多くなるでしょう。
花の鮮度を保つためには、腐らないように毎日水を換え、花器を洗い、花の茎を切るといったお手入れを欠かさず行う必要があります。
お手入れ方法は花の種類や状態によって異なりますので、常に同じ手順にはなりません。状況に応じて対応できる知識とスキルを身につけましょう。
花のお手入れで散らかった茎や葉などの掃除、害虫駆除もこまめに行います。
華やかなイメージのある花屋ですが、花の鮮度を保つということは「菌を増やさない」ということなので、実際はこのように花器のぬめりを落としたりといった「水回りの掃除」のような仕事が多くなります。
いざ働き始めてからイメージと違った…とならないように、しっかり覚えておきましょう。
接客・事務
花屋での接客には、お花そのものに関する知識はもちろん、贈答マナーに関する正しい知識も必要になってきます。
これらの知識は働きながら身に着けていくことができるので、未経験者歓迎の求人もたくさん出ています。
ある程度知識が身につき、お客さんの要望に合ったお花を提案できるようになればベテランと言えるでしょう。
贈り物としてお花を買いに来るお客さんは、お花に詳しくない人も少なくありません。コミュニケーションを取りつつ「お客さんの要望を聞き出す」ことが大切です。
また、店によっては、書類作成などの事務仕事を任せられることもあります。WordやExcelなどの基本操作スキルがあれば役に立ちます。
ネットショップを展開しているお店だと、注文の管理や発送業務などにも対応することがあります。
商品陳列・ポップ作成
イベントの実施や季節など合わせて商品のディスプレイを変更するお仕事です。
基本的に正社員・オーナーが考案したディスプレイ案を元に陳列していくのがほとんどです。
ディスプレイに使う商品のポップ作成をすることもあります。ポップのでき次第で売れ行きが変わることもあり、センスを活かせるチャンスです。
ブーケ・アレンジメント製作
経験の浅いうちは、店頭に並べる簡単なブーケなどの製作がメインとなります。予めラッピング用のリボンや小物を作っておくこともあります。
知識・スキルが身についてきたら、お客さんの要望に沿ったオリジナルの花束製作も任せて貰えることもあるかもしれません。
配達
配達に対応している店舗の場合、車での配達業務が入ることもあります。
普通自動車の運転免許を持っていると役に立つでしょう。
花屋の正社員・オーナーの仕事内容
正社員・オーナーの仕事は、先述のパート・アルバイトの業務に加え、商品である花の仕入れや店の経営に関する重要な業務がメインになります。
パート・アルバイトと比較すると、早朝や夜など開店時間外の勤務も珍しくなく、さらに多忙なスケジュールとなることが多いでしょう。
以下は、正社員・オーナーの一日の仕事内容の一例です。
【例】花屋の正社員・オーナー 一日の仕事内容
【6:00】仕入れ
【8:00】花の管理(水揚げ・ロス処理など)
【9:00】開店準備
【10:00】開店
【11:00】接客、花の手入れ
【14:00】フラワースクール
【16:00】接客、商品ディスプレイ作成
【17:00】接客、アレンジメント製作
【19:00】閉店(掃除、事務処理、商品企画など)
花の仕入れ(週3回)
パート・アルバイトと正社員で大きく異なるのが花の仕入れ業務です。
仕入れは商品のラインナップを決める重要な業務なので、オーナー自ら、もしくはオーナーに近い立場のベテラン社員が担当することが多いです。
花屋の仕入れは、大体の場合週3回(月水金)程度、早朝に花市場に赴いて行います。
仕入れの方法は市場での競りや仲卸業者からの購入、またはインターネットでの購入など様々。
市場と店舗を行き来する時間をカットするために、インターネットを利用する店舗も増えつつあります。
具体的な花の仕入れ方法については以下の記事で解説していますので、あわせてご確認ください。
商品・イベント企画
花は季節に合わせた販売戦略が特に重要になる商品です。
花屋にとって一番のメインイベントである母の日をはじめ、季節のイベントに合わせた商品・キャンペーンの企画を行います。
季節限定の企画だけでなく、お店独自のキャンペーンや企画があるとさらに盛り上がり、売り上げアップにも繋がりやすくなるでしょう。
出張業務(活け込み)
店舗内の業務とは別に、出張での花・グリーンの活け込み業務に対応している店舗は多数あります。
活け込みとは、企業やクリニックなどの施設、公園、イベント会場などに赴いて、花・グリーンの装飾・メンテナンスを行う業務で、その場に合った花のアレンジを提案する力が求められます。
活け込み業務はお店から表立っては見えませんが、定期的に契約を結べると安定した収入が確保できるので、花屋の中でも特に重要な収益源となっています。
フラワースクール・レッスンの開催
オーナーやスキルのある社員が講師となって、アレンジメントなどの教室を開催している店舗もあります。
お店の一角を利用するほか、イベントスペースを借りて開催するケースもあります。
スクールの開催はお店としては必須ではありませんが、販促効果が期待できるほか、お店のブランディングや知名度向上にも繋がります。機会があれば企画してみると良いでしょう。
花屋の仕事がきついと言われる理由
花屋で働こうと仕事内容を調べている時に、「花屋の仕事はきつい」という噂を目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
実際、花屋の仕事はパッと見た時のお店のイメージと比較すると、体力的にも時間的にも厳しい面があることは確かです。
ここで、花屋の業務内容がきついと言われている主な原因について見ていきましょう。
立ち仕事で重労働が多い
「花」から受けるイメージとは裏腹に、花屋は重たいものを運ぶことが多い仕事です。
花屋では、たくさんの花を水が入ったバケツにまとめて入れています。お手入れなどの際にこの重たいバケツを持って行き来することが多く、想像以上の重労働となります。
また、基本的にずっと立ち仕事のため、立ち仕事→バケツや鉢といった重いものを運ぶ、の繰り返しで腰を痛める人も少なくありません。
店内温度が低い上に水仕事が多く、冷えやすい
基本的に花を管理する環境は温度が低めの方が良いため、店内の温度も低めに設定されています。
さらに、お花の世話には必ず水の管理がセットで付いてきます。水揚げ、水換え、掃除といった水仕事が多くなるため、手も荒れやすく冷えやすくなります。
特に冬場は冷えに弱い人には厳しい環境になりますので、花屋で働くなら冷え対策は必須になるでしょう。
業務が多く、覚えなければならないことが多い
花のお手入れ一つをとっても、花の種類や状態によってさまざまな方法があります。
さらに接客の上ではお花の知識やマナーといった幅広い知識が必要になるなど、覚えなければならないことはとても多いです。
パート・アルバイトの場合、最初から知識がないといけないということはありませんが、積極的に学んでいく努力は大切になってきます。
まとめ
花屋の業務は多岐にわたるということ、現実は厳しい面があるということを紹介してきました。
見た目のイメージから「お花屋さんってゆったりしていて楽そう」と考えて働こうとしている人には、花屋の仕事は向いていないでしょう。
しかし、花が好きな人にとっては、覚えることがたくさんあり、知識がどんどん増えていくのは楽しみの一つにもなります。
日々の花の手入れや害虫駆除といった業務も、普段から花のお世話をしている人であれば、そこまで苦にはならないでしょう。
花が好きで、花への活かしたいと思っている人にとっては、きっと魅力的な仕事になると思います。もし働きたい花屋があるなら、一度扉を叩いてみてはいかがでしょうか。