花図鑑

芍薬「バンカヒル」色・香りなどの特徴やおすすめの水揚げ方法

2022.11.21

芍薬品種図鑑「バンカヒル」

Bloom Note編集部

Bloom Note(ブルームノート)編集部です。お花のお手入れ・アレンジメント方法から、お花屋さんの仕事に必要な知識まで、お花が好きな全ての人に役立つ情報を配信しています!

バンカヒル」は、はっきりとしたダークピンクの芍薬(シャクヤク)です。
ヨーロッパ生まれの洋芍薬の品種で、華やかで大きな花を咲かせることや、芳しい香りが魅力です。

今回は芍薬「バンカヒル」の特徴や水揚げ方法、花言葉をご紹介します。

芍薬「バンカヒル」の主な特徴

  • 鮮やかなダークピンクの花びら
  • 八重咲きが豪華な巨大輪
  • バラのような甘さ・菊のさわやかさを併せ持った芳香

芍薬「バンカヒル」の特徴

バンカヒルの特徴早見

芍薬「バンカヒル」は、以下のような特徴を持つお花です。

分類 洋芍薬
濃いピンク
出回り時期 4月~6月
サイズ 巨大輪
香り 強香(バラの甘さ、菊の爽やかさをあわせ持った香り)
咲き方 八重咲き
開花調整 難しい
主な生産地 長野県、外国輸入

色や形など、具体的な特徴を見ていきましょう。

鮮やかなダークピンクの花びら

バンカヒルは鮮やかなダークピンクの花びらが印象的な芍薬です。
非常に華やかで気品があり、見る人を魅了させてくれます。
1輪でも存在感がありますし、アレンジに加えるとボリューム感たっぷりに仕上がりますよ。

ラテンドール」など白い芍薬や、グリーンとの相性も抜群です。

八重咲きが豪華な巨大輪

バンカヒルは花びらが幾重にも重なった八重咲きの品種で、大輪の花を咲かせます。
満開時は手のひらサイズ以上にもなり、非常にゴージャスです。

バンカヒルのような「洋芍薬」の品種は、日本生まれの「和芍薬」にくらべ花びらの枚数が多く、豪華な咲き方をする傾向にあります。
咲き方や大きさも品種ごとで特徴があるので、形の好みで芍薬を選ぶのも素敵ですよ。詳しい情報は「芍薬にはどんな特徴がある?人気品種や咲き方・花言葉も紹介」で紹介しています。

バラのような甘さ・菊のさわやかさを併せ持った芳香

バンカヒルは香り高く、「ロージーグリーン」と言われるバラのような甘さと菊の清涼感のある香りが楽しめます。
バンカヒル単体でも華やかな芳香ですが、ハーブ系のすっきりとした香りのお花やグリーンと合わせるとより豊かな香りとなり、空間を包み込んでくれます。

一方、食卓の装飾などやや不向きなシーンもありますので、シチュエーションによって選択するのが良いでしょう。

芍薬「バンカヒル」の開花調整・水揚げ方法

バンカヒルの開花調整・水揚げ方法

バンカヒルなど芍薬全般の特性として「開花調整が難しい」ということがあります。
適切な水揚げを行わないと、一気に満開になってしまったり、逆になかなか咲かないということも。

ここではバンカヒルを早く咲かせたい時の水揚げ方法、ゆっくり咲かせたい時の水揚げ方法をくわしく紹介します。

早く咲かせたい時

バンカヒルを早く咲かせたい時は、以下の手順で水揚げを行いましょう。

早く咲かせたい時の水揚げ手順

  • 余分な葉は多めに取り除く
  • つぼみについた蜜をふき取り、優しくもみほぐす
  • 茎を短め・斜めに切り戻す
  • 深水につける

余分な葉は多めに取り除く

下葉を中心に、余分な葉を多めに取り除きましょう
芍薬は葉が大きく蒸散作用が強いため、多めに取り除くことでお花にしっかり水が揚がるようにします。

つぼみについた蜜をふき取り、優しくもみほぐす

つぼみには蜜がついている場合は、濡れたティッシュでそっとふき取りましょう。
蜜が固まってしまうと、開花を妨げる原因になります。

蜜をふき取った後はつぼみを指の腹で包むように優しくもみほぐすと、より花が開きやすくなります。

茎を短め・斜めに切り戻す

茎を短めにカットし、先端を斜めに切り戻しましょう。
斜めに切ることで断面積が大きくなり、より水を吸い上げてくれます。

深水につける

茎を切り戻した後は、すぐに深水につけましょう。
深水にすると水圧が高まり、水を吸い上げる力が強くなります。

芍薬の花がなかなか咲かない場合の原因とお手入れ方法については、以下の記事でもくわしくご紹介しています。

芍薬の花が咲かない!?綺麗に咲かせるための方法を紹介芍薬が咲かない原因と対処方法を解説

咲きづらい芍薬を咲かせるには、上記で紹介した水揚げのほか、日々のお手入れや管理方法も重要になってきます。芍薬が咲かない場合の主な原因と対処法を解説します。

ゆっくり咲かせたい時

バンカヒルをゆっくり咲かせたい時は、以下の手順で水揚げを行いましょう。

ゆっくり咲かせたい時の水揚げ手順

  • 5℃~10℃の低温で、水につけずおいておく
  • ゆっくり通常の温度に戻す
  • 葉を軽く取り除く
  • 茎をまっすぐ切り戻す
  • 浅水につける

5℃~10℃の低温で、水につけずおいておく

水につけない状態で、5℃~10℃程度の低温で管理します。
芍薬は水揚がりがよいお花なので、すぐに水揚げを行うと開花を早めてしまいます。

ゆっくり通常の温度に戻す

低温で管理した後は、ゆっくり通常の温度に戻していきましょう
5℃・8℃・通常の温度というように、2段階で温度を上げていくのがおすすめです。

葉を軽く取り除く

水につかる部分の、余分な葉だけを取り除きましょう
葉をたくさん取り除くと、その分お花の方に水が揚がりやすくなり、開花が進んでしまいます。

茎をまっすぐ切り戻す

茎の先端をまっすぐ切り戻します。
まっすぐ切ることで断面積をあえて小さくし、水を吸い上げる量を調整してあげます。

浅水につける

茎を切り戻した後は、浅水につけておきましょう。
深水にするとより早く水が揚がり開花が早まるので、浅水でゆっくり水揚げをします。

ただし水を吸いやすい特性があるため、気づいたら水が空になっていることも。
こまめに水量を確認し、水替えをしてあげましょう。

芍薬「バンカヒル」の花言葉

バンカヒルのようなピンク色の芍薬の花言葉は「恥じらい」「はにかみ」。
ピンク色の花びらが、恥じらって紅潮した頬のように見えることに由来していると言われています。

華やかながらも、どこか優しげな佇まいをしたバンカヒルにぴったりの花言葉ですね。
素敵な女性へのプレゼントには最適なお花と言えるでしょう。

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