繊細なフリルをまとったような芍薬(シャクヤク)のお花。
華やかさで人気の高いお花ですが、実は開花までに時間がかかることも多いです。
せっかく買ったのになかなか咲いてくれないと、「このまま枯れてしまうのかな?」と不安に思ってしまいますよね。
今回は、芍薬が咲かない原因と対処方法を紹介します。
併せて、比較的咲きやすい芍薬の見分け方についても解説します。
芍薬がなかなか咲かずに悩んでいる方や、お花屋さんで芍薬を購入する予定がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
こんな方におすすめ
- 芍薬の花がなかなか咲かなくて悩んでいる
- 元気に咲いてくれる芍薬の見分け方を知りたい
芍薬が咲かない時の原因と対処方法
切り花の芍薬(シャクヤク)が蕾のまま咲かない場合の原因としては、以下の4つが考えられます。
- 蕾に蜜がついている
- 水の吸いが良くない
- 水や花瓶が汚れている
- 部屋が暑すぎる
それぞれの対処法を見ていきましょう。
蕾に蜜がついている
お花屋さんに並んでいる芍薬をじっくり見てみると、蕾の周りにねっとりとした蜜のような粘液がついているのに気づいたことがあるかもしれません。
芍薬は、害虫を防ぐためにたくさんの蜜を出すと言われています。
ところが、この蜜が花びらのフタとなって、開花の妨げとなってしまうことがあるのです。
そのため、買ってきた芍薬の蕾に蜜が付いていた場合は、拭き取ってあげることが大切です。
ティッシュや綿棒を濡らして、花びらを傷つけないようにそっと優しく拭いてあげてください。
ポイントは、ガクの部分から拭き取ること。
蜜はガクの部分から出てくると言われているためです。
お花を買った直後に加えて、飾ってから蜜が出てきた場合にも、適宜取り除いてあげましょう。
水の吸いが良くない
お花屋さんで芍薬を購入してから花瓶に活けるまでに時間が経っていたり、暑い日だったりすると、茎が乾燥して水の吸いが悪くなっている場合があります。
この場合は、花瓶に活ける前に水揚げの処理をしてあげることが有効です。
具体的には、以下の方法で水揚げ処理を行ってみましょう。
- 新聞紙などで芍薬のお花全体を巻く
- 新聞紙の下の部分をテープや輪ゴムで留める
- 水の入った大きめのバケツに茎を入れ、水中で茎をカットする
- 茎の半分〜2/3程度が浸かる水に2~3時間浸けておく
この手順で水揚げしてあげることで、新鮮な状態の茎が空気に触れることなく、水をたっぷり吸ってくれるようになります。
ポイントは、道管を潰さないように切れ味の良いハサミを使うこと。
また、斜めにカットすることで、水を吸い上げる面を広くすることができます。
また、葉がたくさんついている場合は、活ける前に余分なものを取り除きましょう。
そうすることで、よりお花に栄養が行き渡るようになります。
具体的な枚数は、見栄えの良さも踏まえると2〜3枚程度残しておく程度がベストです。
水や花瓶が汚れている
水や花瓶が汚れていると、雑菌が繁殖してお花に栄養が行き渡りにくくなります。
お花を活ける前に食器用洗剤を使って花瓶を綺麗に洗いましょう。
また、綺麗な花瓶に活けていても、どうしても時間が経つと水が汚れてきてしまいます。
花が咲くためには新鮮な水が必須であるため、可能な限り毎日の水替えも行いましょう。
また、お花屋さんで芍薬を購入した際に延命剤や栄養剤をもらえた場合には、お水に少しずつ混ぜてあげてください。
さらに水の吸収を良くするためには、水替えの時に茎を少しずつカットしてあげるとより効果的です。
部屋が暑すぎる
芍薬の切り花は、暑さに強くありません。
そのため、気温の高いお部屋に飾ってしまうと、なかなか咲かない原因になってしまいます。
また、直射日光の当たる場所にも注意が必要です。
「お日様の元で育てた方が良いのかな?」と思ってしまうかもしれませんが、実は直射日光が当たると水が下がってしまい、花に栄養が行き渡りにくくなるのです。
さらに、湿気で蒸れると花びらが変色してしまうリスクもあります。
涼しく、直射日光の当たらない、風通しの良い場所に飾りましょう。
咲きやすい芍薬の見分け方
芍薬を咲かせるためには、上で紹介したようなお手入れも大切ですが、元気に咲いてくれそうな芍薬を選んで購入することもポイントです。
ここからは、咲きやすい芍薬の見分け方について紹介します。
蜜やカビがついていない
上で紹介した通り、蕾に蜜がたくさんついていると、開花の妨げになってしまいます。
また、中にはガクや蕾に白いカビが生えているものもあります。
蜜もカビも自宅で拭き取ることはできますが、できるだけこのような汚れがついていないものを選んだ方が、綺麗に咲きやすいでしょう。
蕾が少しふくらんでいる
蜜やカビに加えて、蕾の成長状態もチェックポイントです。
ぎゅっと固く閉じた蕾ではなく、ややふくらみかけている程度のものを選びましょう。
具体的には、一番外側の花びらが数枚浮いているくらいの状態のものがベストです。
開きかけのお花であれば、きちんと綺麗な水に活けてあげればほぼ確実に開花するため、安心できます。
葉にハリとツヤがある
蕾のほかに、葉もチェックポイントのひとつです。
ハリとツヤのある、ピンとした葉がたくさんついているものを選びましょう。
葉に元気がないものは栄養が少ない状態で、お花を咲かせるパワーが足りない可能性があります。
この記事を参考に、元気な芍薬を選びお手入れして、綺麗に咲かせてみてください。