花のお手入れ

切り花を長持ちさせたい!絶対に知っておくべき5つのお手入れ方法

2022.06.13

切り花を長持ちさせる方法 基本的なポイント5選と裏技を紹介

Bloom Note編集部

Bloom Note(ブルームノート)編集部です。お花のお手入れ・アレンジメント方法から、お花屋さんの仕事に必要な知識まで、お花が好きな全ての人に役立つ情報を配信しています!

お花屋さんで気軽に買えて、花瓶に生けるだけで部屋に彩りを与えてくれる切り花。
せっかく買った切り花は、できるだけ長く綺麗な状態を楽しみたいですよね。

そこで本記事では、切り花を長持ちさせるためのコツをご紹介します。
基本的なお手入れ方法から裏技まで詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

こんな方におすすめ

  • 切り花を長持ちさせるためのお手入れ方法が知りたい
  • どんなお花が長持ちするのか知りたい

切り花を長持ちさせるための基本的なポイント5選

切り花を長持ちさせるためには、以下5つのポイントがとても重要です。

  • 咲ききっていないお花を選ぶ
  • 水揚げで水分補給を促す
  • こまめな水替えと適切な水量を意識する
  • 適切な温度管理を心がける
  • 花にあった花瓶に飾る

それぞれ詳しく解説していきます。

咲ききっていないお花を選ぶ

お手入れ方法の前に、まず花屋で切り花を購入する際の選び方を押さえておきましょう。
できるだけ長く飾って楽しみたいなら、まだ花が咲ききっていない、つぼみの状態のものを選ぶのがおすすめ。

綺麗に開花しているお花は魅力的に見えますが、購入後はあまり長持ちしないことが多いです。
つぼみの状態のお花を選んだ方が長く自宅で楽しめますし、徐々に色づいてくる様子から満開時までの成長過程も楽しめるため、愛着も湧きやすいですよ。

くわえて、お花の状態だけでなく、茎や葉っぱの状態もしっかりチェックしましょう。
茎がしっかりと太く、葉っぱは綺麗な緑でピンとはった状態のお花だと長持ちしやすいです。

水揚げで水分補給を促す

切り花を長持ちさせるためには、水分を効率よく補給させる必要があります。
切り花に水分補給を促す一般的な方法といえば「水揚げ」。

一言で水揚げと言っても、さまざまな方法が存在し、花の種類や状態によって最適な方法は異なります。
自宅でも行いやすい3種類の水揚げ方法を紹介するので、実践してみてください。

水切り

さまざまな水揚げ方法の中でも、もっともポピュラーかつ簡単にできるのが「水切り」です。
水切りとは、水中で茎をカットするお手入れ方法のこと。
茎をカットすることで導管の詰まりや汚れをリセットし、新鮮な水を吸収できるようになります。

具体的な水切りの手順は以下の通りです。

  1. バケツや洗面器などに水を溜める
  2. 傷んでいる葉や、花瓶の水に浸かる葉を取り除く
  3. 茎の先端を水中に浸し、数ミリ〜1センチくらい斜めにカットする
  4. 花瓶の水に生ける

水切りの際は、茎を斜めにカットし断面積を広くすることで、よりお花に栄養が行き届きやすくなります。
茎を潰してしまわないように、切れ味のハサミやナイフを使うことも心がけましょう。

深水

水切りを行っても十分な水分補給ができていない場合、「深水」を試してみるのがおすすめです。
深水とはその名のとおり、花首の下まで浸かる深めの水に浸けておく方法です。

深水の具体的な手順は以下のとおりです。

  1. 深さが確保できる花瓶やバケツなどにたっぷり水を入れる
  2. 花と葉に新聞紙を巻き、セロハンテープなどで止める
  3. 用意した深めの容器に花を入れ、2〜3時間程度吸水させる

深水は、水圧をかけることによって効率の良い吸水を促すため、バケツや花瓶など水深を確保できる入れ物を選ぶのがポイントです。

さらに、葉っぱからの蒸散を防ぐために新聞紙を巻くことで、より吸水効率が上がります。
ただし、デリケートなお花の部分は優しくふんわり巻いてあげましょう。

湯揚げ

お湯を使って水揚げを行う方法が「湯揚げ」です。
切り口の消毒と空気の排出を効率よく行えるのがメリットですが、お花の種類によって向き・不向きがあります。

菊、バラ、カスミソウ、ストックのような、茎が枝っぽく、ある程度硬いお花に向いているお手入れ方法でしょう。
逆に「チューリップや水仙などの球根植物」や「茎が太く水分量の多いガーベラなど」には不向きとなります。

具体的な湯揚げの手順は以下のとおりです。

  1. 80度以上のお湯と冷水を別々の入れ物に用意する
  2. 水に浸かる葉を取り除く
  3. 花と葉っぱに新聞紙を巻き、セロハンテープなどで止める
  4. 茎の先端をカットする
  5. 茎の先端から2〜3センチほど熱湯につける
  6. 冷水につけ、2時間ほど吸水させる

ちなみに、お湯につける時間は約20〜40秒が目安です。
あくまで茎の中の空気を抜くのが目的なので、気泡が出ているのを確認し、長時間浸けすぎないように注意しましょう。

こまめな水替えと適切な水量を意識する

切り花を長持ちさせるには、こまめに水替えを行い、水の鮮度を保つ必要があります。
特に、雑菌が繁殖しやすい夏は水も腐りやすいため、できるだけ毎日水替えを行いましょう。

気温の低い冬場は水の鮮度を保ちやすいですが、3日に1回程度は水を替えてあげましょう。

また、花瓶に入れる水の量も重要です。
基本的には、茎の切り口がしっかり浸かる水の量(3〜5センチ)で十分ですが、お花の種類によって適切な水量は変化します。

下記の表を参考にして、お花の種類ごとに最適な水量を用意してあげましょう。

特徴 具体例
少なめの水が適しているお花
  • 茎が柔らかいお花
  • 球根植物
  • 茎に細かい産毛があるお花
  • チューリップ
  • ガーベラ
  • コスモス
  • スイートピー
  • カーネーション
多めの水が適しているお花
  • 枝物
  • 茎が太く硬いお花
  • 葉が多いお花
  • アジサイ
  • バラ
  • ボタン

適切な温度管理を心がける

切り花を長持ちさせるためには、温度管理も重要です。
切り花にとって最適な環境を作るために、以下のようなポイントを意識しましょう。

  • 室温は15〜25℃程度がベスト
  • 明るく直射日光が当たらない場所
  • 風通しが良い場所

切り花は高温に弱いため、直射日光が当たらない涼しい場所に飾ると長持ちしやすいです。
また、湿度の高い環境は雑菌やカビが繁殖しやすいため、避けるようにしてください。

ただし、乾燥しすぎる環境も切り花にとって適切ではないため、直接冷房の風が当たるような場所に置くのはNG。
寒すぎてもお花が開かないケースがあるため、季節によって適切な温度を保てる場所に飾りましょう。

適切な花瓶に飾る

最適な花瓶にお花を飾るのも長持ちの秘訣です。
お花に対して花瓶の高さが合っていないと、茎が曲がってしまい水の吸い上げに悪影響を与えることも。

原則として、飾る花に対して半分くらいの高さの花瓶を使用するのが最適です。

一般的な切り花は30〜50cmの丈で販売されているので、15cm~25センチ程度の花瓶を持っておくと便利でしょう。

お花を綺麗に飾れる花瓶の選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。

最適な花瓶の選び方を素材や形状別にご紹介

切り花を長持ちさせる裏技

切り花を長持ちさせる方法として、基本的なお手入れ以外の裏技も存在します。
ご家庭にあるものを活用する手軽な方法も紹介するので、ぜひ活用してみてください。

延命剤を使用する

切り花を長持ちさせる方法として有効なのが「延命剤の使用」です。

延命剤には、切り花を長持ちさせるために必要な以下のような成分が含まれています。

  • お花の栄養となる糖分
  • お花の色やpHを一定に保つ酸性成分
  • 殺菌成分

延命剤は、花瓶内の水に数滴垂らすのが基本的な使い方です。
環境や水の量によって適切な量は変わるため、製品ごとの用法用量をしっかり守って活用しましょう。

お花屋さんによっては、購入する際にサービスとして延命剤の小袋をつけてくれる場合もあります。
使い方が分からない場合は、購入時にレクチャーしてもらいましょう。

10円玉や漂白剤で雑菌の繁殖を防止

延命剤がない場合、ご家庭にある次の日用品で代用することも可能です。

ハイター(漂白剤) 水300mlに対して1滴程度
お酢 水200mlに対して小さじ1杯程度
中性洗剤 水200mlに対して2~3滴程度
10円玉 3~5枚程度

ハイターやお酢、洗剤は強力なので、入れすぎは逆効果です。
用量を守り、水やお花の状態を見ながら適切な量を調整しましょう。

また、10円玉から発生する銅イオンもカビや雑菌の繁殖を抑えてくれます。
ただし、長時間水に浸していると水質に悪影響を及ぼすため、短時間で取り出すようにしましょう。

砂糖や塩、サイダーで栄養補給

また、ご家庭にある以下のような食品を利用することで、お花の栄養補給が可能です。

砂糖・塩 水の量に対して1000分の1程度(ごく少量)
サイダー 水5:サイダー1程度
レモンジュース 水300mlに対して小さじ2~3杯

こちらも入れすぎると逆効果になってしまいますので、最初はごく少量から入れて調節しましょう。
また、上記の方法で栄養補給していても水は汚れてしまうため、こまめな水替えは必須です。

長持ちしやすいおすすめ切り花の種類3選

少しでもお花を長く鑑賞したいのであれば、長持ちしやすいお花を選ぶのも大切です。

そこで、一般的に長持ちしやすいと言われている3種類のお花を紹介するので、参考にしてみてください。

カーネーション

母の日のプレゼントとしても定番な「カーネーション」は長持ちしやすいお花の代表格です。

ゆっくりと咲き、咲いてからも日持ちするため、はじめてお花を生ける人でも長く楽しみやすいお花と言えます。
また1年中出回っている手に入りやすさや、色の種類が豊富な点も魅力的なポイントです。

お手入れのポイントとしては、茎が腐りやすいため水の量を少なめに保つこと。
茎の切り口から5センチほどの水量を保つことで、さらに長持ちしやすくなります。

スプレーバラ

さまざまなシーンでプレゼントに用いられる「スプレーバラ」も長持ちしやすいお花です。

スプレーとは「枝分かれ」という意味で、1本の茎に1輪の花がつくスタンダードなバラに対し、スプレーバラは1本の茎が枝分かれし、数輪の花がついているという特徴があります。

スプレーバラを選ぶ際のポイントとしては、花びらの厚いお花がおすすめ。
花びらが厚いバラは散りにくいため、美しい姿を長く楽しめます。

菊(キク)

長持ちする定番のお花として有名なのが「菊(キク)」です。

菊は茎がしっかりしていて固いため、痛みにくく、長持ちしやすいのが特徴。
とくに、スプレー菊は非常に長持ちしやすいため、初心者にもおすすめの切り花です。

仏壇に飾るイメージもあるお花ですが、種類やカラーが豊富で可愛らしい見た目のもの多くあります。

お手入れのポイントとしては、水切りの際、ハサミではなく手で折ることです。
少しひねるように茎を折ることで、繊維が剥き出しになり吸水効果が上がります。

まとめ

切り花を長持ちさせるには、こまめなお手入れが必要になります。本記事で紹介した方法をぜひ実践してみてください。

また、必要に応じて延命剤などを活用することで、より長持ちさせることができます。
少しでも長く鑑賞できるように、お花の種類や特徴に合わせて最適なお手入れを行いましょう。

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