「ラテンドール」は、フランスで生まれた美しい純白の芍薬(シャクヤク)です。
「ラテンドレス(La Tenderesse)」とも呼ばれ、フランス語で「優しさ」を意味します。
ボリュームのある豪華な大輪の中にもふんわりと優しい印象が漂うため、その名にぴったりですね。
芍薬「ラテンドール」の主な特徴
- 美しい純白の花びらで、時々中心部に赤が入る
- ボリュームのある巨大輪で華やか
- 爽やかな甘い香り
芍薬「ラテンドール」の特徴
ラテンドールは純白で優雅な姿が印象的な芍薬です。
ブライダルのお花としても人気がある一方、一般的に芍薬は開花調整が難しいため、決まった日取りで美しく開花させるためには技術と経験が必要です。
分類 | 洋芍薬 |
色 | 白 |
出回り時期 | 4~6月頃(国産)、11・12・3月(輸入) |
サイズ | 巨大輪 |
香り | やや強い(さわやかな甘い香り) |
咲き方 | バラ咲き・八重咲き |
開花調整 | 難しい |
主な生産地 | 高知県、長野県、山形県、和歌山、外国輸入 |
美しい純白の花びらで、時々中心部に赤が入る
ラテンドールの花びらは、吸い込まれそうな美しい純白。
ラテンドールに限らず、白系の芍薬は中心部の花びらに赤いスジが出たり、全体にややピンク色を帯びることがあります。
これは開花するまでわからないため変化を楽しめるとも言えますが、こだわりのあるお客様へは、純白の保証はできかねることをお伝えした方が良いかもしれません。
ボリュームのある巨大輪で華やか
ラテンドールはバラ咲き・八重咲きと言われ、花びらの枚数が多くボリュームたっぷりで、実に豪華。
この咲き方はラテンドールのような洋芍薬品種に多い傾向にあります。
繊細な花びらがふわりと咲き開く姿は、とても優雅です。
さわやかな甘い香り
ラテンドールの香りは甘さのあるさわやかな香りで、ややしっかりめに香ります。
芍薬の香りは香水にも使用されるほど良い香りとして有名ですが、お花の強い香りが苦手な方には、香りの少ない品種のお花をおすすめしましょう。
芍薬「ラテンドール」の開花調整・水揚げ方法
ラテンドール(ラテンドレス)に限らず、芍薬全般の共通点は「開花調整が非常に難しい」ということ。
管理方法を間違えるとすぐに咲いて寿命を短くしてしまったり、逆に開花せず蕾のまま終わってしまうケースもあります。
基本的にはお客様の手元に渡るまで咲かせずに管理します。
お花屋さんで取り扱うには、以下の手順で段階的に管理・お手入れを行うと良いでしょう。
- 5℃~10℃程度の低温で水につけずに保管
- 店頭に置く前には徐々に温度を上げていく
- 下の葉を少し取り除く
- まっすぐ空切りする
- 水につけておく
5℃~10℃程度の低温で水につけずに保管
開花調整をする場合は、水につけずに低温管理を行います。
通常の水揚げ作業(葉を取り除く・水切りなど)を行うと開花が速まるため、葉を取り除かずそのままの状態にしておきます。
温度設定は5℃がおすすめ。
ただしラン類などと一緒に保管する場合は、10℃まで上げて問題ありません。
店頭に置く前には2段階で通常の温度に戻す
店頭に置く前には、2段階で徐々に温度を上げていきます。
ポイントは一気に温度を上げないこと。
5℃で管理していた場合は、一度8℃まで上げ、その後通常の温度まで上げます。
下の葉を少しだけ取り除く
水に浸かる部分の葉を軽く取り除きます。
多く取り除くと開花を早めてしまう原因となるため、開花調整をするためには葉はある程度残しておきましょう。
茎をまっすぐカット(空切り)する
芍薬の場合は、茎を斜めに切るのではなくまっすぐカットします。
元々芍薬は水揚がりが良いお花のため、他のお花と同様に斜めにカットすると水揚がりを促進させ、開花が早まるリスクがあります。
カットする際は水切りではなく、空切り(空中でカット)でOKです。
水につけておく
茎をカットしたラテンドールは、水の入ったバケツに移しておきましょう。
深水にすると水を良く吸い上げるので、やはり開花を早めてしまう原因に繋がります。
かと言って浅水にすると、水をすぐ吸い上げて空になってしまうリスクもあるため、多すぎず少なすぎない程度の水量が最適です。
芍薬「ラテンドール」の花言葉
ラテンドールのような白い芍薬の花言葉は「幸せな結婚」。
純白の色はもちろんのこと、花びらが幾重にも重なった美しい花型は、ウエディングドレスのフリルのようなイメージもありますね。
まさにウエディングフラワーとして、ぴったりの花言葉です。