花屋をいざオープンしようという時に、必要なものが揃っていなくて焦ってしまうことのないように、開業時点で揃えておきたいアイテムをまとめて紹介します。
細かい事務用品から大型の設備までリストアップしましたので、開業が近づいてきたら一つ一つチェックを入れながら確認してみてください。
なお、オープンに必要な開業資金と調達方法についてはこちらで解説しています。
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こんな方におすすめ
- 花屋の開業時点で何を用意しておけばよいか知りたい人
- 開業時点で「あった方が良いもの」も知っておきたい人
手続き関係の必要なもの
まずは開業時までに必要な手続き・やっておきたい手続きをまとめて紹介します。
開業届の提出
お店を開業してから1か月以内の間に、所轄の税務署に開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を提出する必要があります。
開業届を提出すると、最大65万円の税金控除が受けられる「青色申告」や、会社名義での口座開設ができるようになります。
金銭的なメリットも大きいので、必ず提出しましょう。
花屋の出店に必要な開業届・書類まとめ!あわせて提出したい節税対策にお得な手続きも紹介
クレジットカードの利用手続き
決済方法として最初からクレジットカードの導入を検討しているなら、クレジットカードの申し込み手続きが必要です。
利用料はかかりますが、年々キャッシュレス決済が浸透してきている近年、クレジットカードはできれば導入しておきたいところです。
もし商店街やショッピングモールなどに出店する場合、施設全体でカードに加盟しており手数料が安くなるというシステムもあります。
通常、クレジットカード決済の申し込み~利用開始までは1か月程度かかることが多いため、最初から利用するなら余裕をもって準備を進めておきましょう。
宅配便の契約
花屋はギフトでの利用も多いため、遠方へのギフト需要を踏まえた宅配便の契約は必須です。
もちろん配送業者と契約しなくても、通常配送で発送することは可能です。
しかし契約しておくことで送料を割引いてくれたり、代引きが利用できるようになったりと受けられるメリットがたくさんあります。
利用したい配送業者の最寄りの営業所に問い合わせれば、担当者が詳細を案内してくれますので、まずは問い合わせてみましょう。
なお、生花を配送する際には、花が傷つかないようにフラワーボックスなど専用の段ボールでしっかり固定し、クール便で配送するのがおすすめです。
CHECK!
花屋開業に特別な資格は不要!
花屋の開業に必要なものとしてよく疑問に上がるのが「資格」ですが、花屋を始めるだけなら特別な資格・免許は必要ありません。
ただし、花屋にカフェを併設したり、アンティークなどの雑貨店を併設する場合には、別途「食品衛生責任者」「古物商許可」などの資格を取得する必要が出てきますので注意しましょう。
最初に備品として必要なもの
開業時には一通り揃えておきたいものをまとめて紹介します。最低限ここまで揃っていれば実務はこなせるので、開業前にも今一度確認することをおすすめします。
什器・花器などのディスプレイ用品
まず商品である花を陳列するための棚やバケツ、花器を揃えましょう。
特に見やすいディスプレイとして、手前から奥に向かって徐々に高くなっていく階段状のフラワースタンドが人気です。
3段セットのものや、バケツがセットになったものなどたくさんの種類があります。
お店の雰囲気に合ったものを選ぶのがベストですが、最初からおしゃれなものを揃えるのは資金的に厳しい場合、シンプルなバケツでも十分です。
作業台
花屋では日常業務としてギフトラッピングやフラワーアレンジといった作業が発生するため、作業を行うための広めのスペースが必要になります。
安全に作業が行えるように、大きくて丈夫な作業台を設置しておきましょう。
レジ・金庫・お釣り用のお金
お店のお金を管理するのに、レジ・金庫・おつり用の硬貨は最初に用意しておきたいところです。
レジには様々な種類がありますが、小型でコンパクトなものなら、タブレットタイプのレジが便利です。
在庫管理も同時にしたい方はPOSレジを検討しましょう。在庫管理は手動で行う人は特に必要ありませんので、最低限のレジ機能が付いていれば問題ありません。
金庫は最初は小型なもので問題ありません。トランクタイプのものなど、場所を取らずに手軽に扱えるものが良いでしょう。
また、開店後に向けておつり用の硬貨も忘れずに用意しておきましょう。
金額は規模にもよりますが、小規模な店から始める場合は3~5万円程度で十分でしょう。
花のお手入れ用品(ハサミ・ナイフなど)
花のお手入れには、切れ味の良い花バサミやナイフが必要不可欠です。
またアレンジメントなどの作成に使用するフローラルフォーム(生花用の吸水スポンジ)も揃えておきましょう。
さらに、花屋のラインナップとして欠かせないバラのトゲ取り器もあれば安全性と作業効率が上がります。
掃除用品
ゴミ箱、ゴミ袋、モップ、モップ絞り、ほうき、ちりとり、雑巾といった掃除用具も必須です。
花屋は花のお手入れやアレンジメントといった作業によって特にゴミが散らかりやすいお店なので、掃除は欠かせません。
お客さんへの印象にも影響しますので、こまめな掃除で店内を清潔に保つように心がけましょう。
ラッピング資材
ギフト需要の高い花屋には包装紙・リボンなどのラッピング用品は欠かせない存在です。
綺麗に保管しておく必要があるので、リボン棚や包装紙を収納しておく棚があれば便利です。
事務用品・POP制作用品
細かな事務用品は忘れがちですが、いざとなった時にないと困りますので事前によくチェックしておきましょう。
印鑑・朱肉、ホッチキス、ボールペン、セロハンテープ、電卓、ファイル、領収書、収入印紙などは最低限必要です。
また、花屋の販促に欠かせないPOP作成用品として、POPスタンド、POP挿し、マーカーなども用意しておきましょう。
花屋で必要な道具・備品については、以下の記事でもくわしく解説しています。
お花屋さんに必要な道具15選!お手入れ用からラッピング用まで紹介
必須ではないが、場合によってはあると良いもの
花屋の開業時に絶対に必要ではないものの、あった方がより良いものは「車」「フラワーキーパー(花用の冷蔵庫)」の2点です。
いずれも高額な設備になりますので、最初から購入するかどうかは予算とも相談の上で決定しましょう。
花を運ぶための車
必ずしも絶対に買う必要はありませんが、ほぼ必要と言っていいのが車です。
車と言うと配達をイメージされるかもしれませんが、配達を行わない場合でも、花の仕入れで大量に花を持ち帰ってくるのに車が必要になります。
車が不要なのは、配達業務を行わず、なおかつ仕入れをまとめて大量に行わない場合・仕入れを完全にインターネットで行う場合に限ります。
それ以外の方は、基本的にワンボックスカーなど花を傷めずに収納できる車を購入しておくことが望ましいです。
フラワーキーパー(冷蔵庫)
フラワーキーパーとは花用の冷蔵庫で、花の鮮度を保つために役立つ設備です。
花にとっての適温は10~15℃程度と言われており、基本的に冷所を好みます。
通常花屋はエアコンで店内の温度を低く保ちますが、人の入りを考えると15~17℃が限度。花にとっての理想的な温度は寒すぎて保つのは難しいのが現状です。
そこで役に立つのがフラワーキーパーです。花にとってのより理想的な環境を保つことができ、鮮度を維持することが可能になります。
ただしかなり大型の設備で高額なことが難点です。最初はエアコンや在庫管理を徹底することで対応し、フラワーキーパーは置かないという花屋も少なくありません。
また購入が難しい場合はリースもありますので、資金の状況に合わせて検討されることをおすすめします。
フラワーキーパー(冷蔵庫)導入のメリット・デメリット徹底解説
まとめ
花屋の開業時に必要なものについてまとめて紹介しました。
どうしても大きな準備に気を取られがちですが、実際に無事開業できた後に困らないように、実務に必要なものもしっかりチェックしておきましょう。
最初から全部良いものを揃える必要はありませんので、まずは手ごろに揃えられる最低限のものから揃えて、軌道に乗ってきたらより良い備品を検討するという流れがおすすめです。