花の仕事

花屋のネットショップ開業【基礎講座】メリット・デメリット、モールへの出店方法等を解説

【花屋のネットショップ開業マニュアル】メリット・デメリット、開業手順やモールへの出店手数料を徹底解説

Bloom Note編集部

Bloom Note(ブルームノート)編集部です。お花のお手入れ・アレンジメント方法から、お花屋さんの仕事に必要な知識まで、お花が好きな全ての人に役立つ情報を配信しています!

気軽にオープンできるのが魅力のネットショップ。花が好きな方の中には「ネットショップでブーケやアレンジメントを販売したい」と考えている方もいるかと思います。

そこで今回は、花屋をネットショップとして開業するための基礎知識を解説していきます。
ネットショップのメリット・デメリットから、ネット販売に向いた商品、モール出店と自分で出店する場合の違い等について詳しく紹介します。

ネットショップと言っても方法はさまざまです。自分に合った開業方法を見つけ、自分だけのショップをオープンさせましょう!

こんな方におすすめ

  • 花屋をネットショップで開業するメリット・デメリットが知りたい
  • ネットショップを開業する方法が知りたい
  • ネットショップをオープンするまでの手順・期間が知りたい

ネットショップのメリット・デメリット

花屋をネットショップで開業する最大のメリットは、店舗を持つ必要がないので、物件にかかる初期費用やランニングコストを大幅にカットできる点です。

また、在庫・ロス管理が肝となる花屋においては、「在庫を抱える必要がない」という点も有利です。
注文があった分だけ仕入れて送る、という手順で運用できるので、ロスが出にくく在庫管理もしやすいです。

その分、デメリットとして即日配送など、迅速な対応がしづらいという点が挙げられます。
即日発送の店舗が増えていることからもわかるように、ネットショップの利用者の多くは「なるべく早く発送してほしい」という要望を持っています。
仕入れてから発送、というフローとなると市場の日まで仕入れができませんので、需要の高い即日発送などには対応しづらいです。

また、お客さん側から見た時に花の鮮度や実物が分かりにくいという点もデメリットの一つです。
花は生き物ですので、実際に入荷されるまで鮮度や状態が分かりません。

特にお花を日常的に飾っている人ほど鮮度を重要視すると考えられますので、ネットショップの客層としては、自分で花を飾る人よりはギフトとして送りたい人や雑貨が欲しい人がメインになってくることが想定されます。

ネットショップでの販売に向いている商品

花屋のネットショップでは、配送コストや需要を考えると花の単品売りはあまり適していませんので、ギフト需要を踏まえたブーケやアレンジメントを主力商品に据えるのがおすすめです。
その他には、基本的に鮮度が落ちない加工済みの商品や雑貨の取り扱いに向いています。

ブーケ・アレンジメントなどのギフト商品

花屋のネットショップで多く取り扱われているのがブーケなどのギフト商品です。
普段は花を買わず、ギフトとしてネットで気軽に買いたい層にもリーチしやすいでしょう。

また、ブーケの種類をいくつかサンプルで用意しておくことで仕入れる花の種類をある程度固定できるので、在庫管理が容易になります。
売り上げの予測が立つようになれば、ある程度仕入れ量を調整して事前に準備しておくことも可能です。

1つ注意しておきたい点として、「サンプル通りの花が仕入れられるかわからない」という点が挙げられます。
同じ花が仕入れられなかった場合、同系色の別品種を仕入れてブーケにするという流れになりますので、商品ページに注意書きが必要です。
「花の色はおまかせ」「同系統の別の色になる場合がある」という風に、仕入れられなかった場合の対応を踏まえたうえであらかじめ記載をしておきましょう。

ドライフラワー、プリザーブドフラワー、ハーバリウムなど

加工した商品であるドライフラワーやプリザーブドフラワー、ハーバリウムなどは枯れることがなく、鮮度が関係ありません。
都度仕入れる必要がないためすぐに発送ができ、ロスも出ることがありませんので、メイン商品と同様に揃えておきたい商品です。

道具・雑貨

花のお手入れ用のハサミなどの道具や、アレンジメント用の雑貨もネットショップでの販売におすすめです。
「生花はネットショップで買わない」という層の購入も期待できます

開業準備の前にコンセプトを決めよう

ネットショップの開業は、店舗型よりも準備が少なく短期間で進めることができます。

しかしすぐに始めようとして前準備を怠ると、運用がうまくいかなくなってしまいます。
まずはしっかりと店のコンセプトや経営方針などの土台を考えるところからスタートしましょう。

少なくとも以下の項目については、開業準備を始める前によく検討しておきましょう。

  • 店のコンセプト
  • 主力商品
  • 仕入れ方法
  • 広告・宣伝の方法
  • 決済方法・宅配業者

基本的に開業までに必要な手続き・流れは店舗開業の場合と同じです。
開業届を出しておくと事業として運営しやすくなりますので、最初に必要な手続きも開業前にチェックしておくことをおすすめします。

これらの開業準備の中でも、仕入れ方法の検討は特に重要です。
ネットショップの商品ラインナップにも影響しますので、どこから仕入れるか、どのような花を仕入れられるかをあらかじめ確認しておきましょう。

【花屋の仕入れ方法まとめ】開業時に最適な仕入れ先・市場での取引を詳しく紹介

コンセプトからショップの運営形態を決定

ネットショップの開業には、大きく分けて以下の2パターンの方法があります。

  1. 楽天・Amazonなどのショッピングモールに出店する
  2. 自分でサイトを立ち上げて運用する

まず初めにどちらの方法でオープンするかを決める必要がありますが、もし会社を立ち上げて大規模な展開を予定しているわけではなく、個人開業を検討しているならモールへの出店がおすすめです。

自分でサイトを作る方が一見費用は抑えられそうに見えますが、無数のサイトの中から見つけてもらうためには広告運用を積極的に行わなければなりません。
サイトオープン後、そのまま放置していて人の目に留まるということはまずないので、アフィリエイト広告・リスティング広告・SEO対策など、様々な広告施策を講じてようやく見て貰える可能性が生まれます。
広告運用がうまくいかないと結果的にモールの出店料よりも費用がかさんでしまう可能性も考えられますので、サイト内検索での流入が見込みやすいモール出店の方が敷居は低いです。

予算・労力の面で大規模に広告を展開していける余裕があれば、自由度の高いサイト作りができる自社サイト運営の強みが活かせるでしょう。

1.楽天などのモールを利用して開業する

ネットショップの運用経験がない初心者におすすめの方法です。
ネットショップを運用する上での土台が揃っていますので、ホームページやネットショップの知識がなくても開業・運用しやすい点が最大のメリットです。

さらに、楽天やAmazonなどの大型ショッピングサイトでは、サイト内での検索からお客さんを獲得しやすくなります。
もちろんサイト内にも多数の店が出店していますので、目にとめてもらうには工夫が必要になりますが、個人でサイトを運用するより集客のしやすさは格段にアップします。
モール内でのセールなどのイベントによって流入アップが狙えるのも嬉しいポイントです。

デメリットは、月額費用がやや高く、売上金額の一部をシステム利用料として支払う必要があるという点です。
また、こういったモールでの出店では、知識がなくても運用できるように、モール内の運営システムである程度できることが決められています。
簡単に運営ができる分、デザインやシステムにおける自由度は高くないことは覚えておきましょう。

メリット

  • 人の目に止まりやすい
  • 知識がなくてもネットショップが運用できる

デメリット

  • 自由度が低い
  • 月額費用・システム利用手数料などがかかる

モールで出店する手順

モールに出店するには、モールへの出店申し込みと審査が必要になります。
例として、楽天市場への出店の流れを見てみましょう。

楽天市場の出店までの流れ

  • 出店申し込み~確認期間【2週間~1か月程度】
  • ショップページの準備【2週間~1か月程度】
  • 開業前の審査(店舗ルール検定試験の受講と合格、ページの作成等が必要)
  • オープン

楽天はモールの中でも比較的審査が厳しいため準備期間が長く、トータルで3か月ほどかかります。ネットショップの開業までにかかる期間の最長期間として見積もっておくと良いでしょう。

Amazonなどはショップ単位ではなく商品単位での「出品」形式で販売するため、ページを作りこむ必要がなく、審査も簡単で気軽に始められます。
身分証明書、クレジットカードの利用明細などの取引明細をアップロードすれば、最短約3営業日ほどで審査が完了します。

ブランディングを重視したい場合は楽天のような出店形式、商品単位で販売したい場合はAmazonのような出品形式という風に、販売スタイルによって利用するモールを検討しましょう。

主なモールの出店料

各モールの最も安いプランの出店料を一覧にまとめてみました。

初期費用 月額費用 売上に対する手数料
楽天市場 60,000円 19,500円 月間売上高の3.5~7.0%
Amazon なし 4,900円 8~15%
Yahooショッピング 無料 無料 無料

初期費用・月額費用・売上に対する手数料が全て無料という点で、Yahooショッピングが最も安く開業できることが分かります。
ただしその他にポイント原資(1.5%~15%)キャンペーン原資(1%~)を負担する必要がありますので、完全無料ではないという点は注意しましょう。

2.自分のサイトを作って開業する

楽天などのモールではなく、自分でサイトを設置してネットショップを作る方法です。
サイトの利用契約からシステムの導入、広告展開など全て自分で行う必要がありますが、その分自由にできるためこだわったお店作りができます

ある程度の知識が問われますので、過去にネットショップの運用経験・サイトの立ち上げ経験のある人や、大規模な事業として展開を考えていて専門のスタッフを雇用する予定のある人に向いています。

自分でサイトを作る場合、ショッピングカートのシステムを利用するのがおすすめです。
オリジナルのデザインやシステムを一から発注するとかなりの費用が必要になりますが、カートシステムを利用すれば月額数千円程度で商品購入~配送・顧客管理などネットショップに必要な業務を一通り行えるようになります。

ショッピングカート内に簡単なサイトのデザインテンプレートも用意されており、商品登録や決済の手続きを行えばすぐにオープンすることができます。
クレジットカードの利用開始には約1か月ほどかかりますので、サイトの準備期間+1か月程度の余裕を見ておきましょう。

メリット

  • 自由度が高い
  • 初期費用が安い

デメリット

  • 自分でサイトを設置するためのある程度の知識が必要
  • 人目に止まりづらく、広告を工夫する必要がある

自分のサイトで出店する手順

自分でネットショップを作るには、まずどのようにしてサイトを立ち上げるかを検討する必要があります。

ショッピングカートを利用する場合、最低限だとショッピングカート・決済・宅配業者の契約のみで準備が完了します業準備を進めることができます。
もしサイトデザインやシステムから全てオリジナルのショップを作る場合、それぞれの発注と開発期間が必要になります。
よほど大規模なショップを考えていない限りは、まずショッピングカートシステムを利用する形で問題ないでしょう。

自分のサイトで出店する手順

  • ショッピングカート利用の検討・申込
  • サイトデザイン発注の有無の検討
  • ドメインなどの契約
  • 商品情報の設定
  • 決済業者・宅配業者などの契約
  • オープン

ショッピングカートを利用するケースでも、場合によってはデザインやカスタムを外注することも可能です。
またドメイン(URLになる.com等の部分)も、有料ですが自分で取得すればオリジナリティが出せます。

どこまで自分の好きにカスタマイズしていくかによって対応する項目が増えていきますので、「ここはこだわりたい」「ここは既存のもので良い」などの線引きを事前に決めておきましょう。

まとめ

ネットショップを開業する方法について、大きく分けて「モールに出店」「自分のサイトをオープン」の2種類があることを紹介しました。

ただし、2種類と言ってもモールにも様々な種類がありますし、自分でオープンする場合もどのカートシステムを使うか、など検討するポイントはたくさんあります。
まずはお店のコンセプトやターゲットを考え、どちらの方法が適しているかを考えてから、どのモールやカートを使うかを考えていきましょう。

-花の仕事