この記事はこんな方におすすめ
- 胡蝶蘭を寒さから守る方法を知りたい
- 胡蝶蘭を越冬させたい
胡蝶蘭は寒さに弱く、秋から冬にかけて枯れやすい特徴があります。
冬場も胡蝶蘭を元気に保つための寒さ対策には以下のようなものがあげられます。
- 気温が下がりやすい場所に置かない
- 室内の気温を18℃以上に保つ
- ビニール袋や段ボールで保温する
- 水やりは常温に戻した水で行う
他にも、胡蝶蘭を冬場に育てる場合は湿度や水やりの頻度などにも気をつける必要があります。
この記事では、胡蝶蘭の寒さ対策の方法やその他の注意点について解説します。
胡蝶蘭の寒さ対策4選
胡蝶蘭を寒さから守るための対策には、以下があります。
- 気温が下がりやすい場所に置かない
- 室内の気温を18℃以上に保つ
- ビニール袋や段ボールで保温する
- 水やりは常温に戻した水で行う
寒い場所に置かないことに加えて、冷気から遠ざけたり冷水を与えないなどの対応が必要です。
また、暖かい場所に置けない場合は胡蝶蘭の鉢を保温して寒さ対策を行いましょう。
気温が下がりやすい場所に置かない
胡蝶蘭は寒さに弱いため、気温が下がりやすい屋外には置かないようにしましょう。
気温が10度を下回ると負荷がかかり、胡蝶蘭が枯れやすくなります。
また、室内であっても胡蝶蘭を置いている場合が玄関や窓際の場合は注意が必要です。
窓や玄関の近くは日が暮れると冷気に晒されるため、胡蝶蘭が影響を受けてしまう可能性があります。
昼間は窓際、日暮れ後は暖かい場所に移動するといった工夫を行うとよいでしょう。
室内の気温を18℃以上に保つ
寒い時期は胡蝶蘭を室内、または温室などに設置し室温を18℃以上に保つことを心がけましょう。
胡蝶蘭を育成するのに最適な温度は18℃~25℃とされています。
寒い時期は、可能な限り最適温度に近い環境に置いておきましょう。
ビニール袋や段ボールで保温する
室温を保つことが難しく、10℃を下回ってしまう場合は、胡蝶蘭の鉢を保温するようにしましょう。
胡蝶蘭の保温には、以下のアイテムが役に立ちます。
- ビニール袋
- 段ボール
- 発泡スチロール
- 毛布などの布類
- 湯たんぽ
胡蝶蘭の保温方法
胡蝶蘭の保温は鉢の上にビニールを被せたり、段ボールや発泡スチロールを乗せて行います。
段ボールの上からさらに毛布を巻く、布に包んだ湯たんぽをビニール袋や発泡スチロールの中に入れるなどの対策を行うと、より保温性が高まります。
胡蝶蘭を保温する際の注意点としては、密閉して通気性をなくさないように心がけましょう。
植物は呼吸をするため、ある程度空気の通り道を作っておく必要があります。
ビニール袋なら保湿もできる!
胡蝶蘭の保温にビニール袋を用いると、同時に保湿も行えるため乾燥対策を行うことができます。
寒さや乾燥が酷い日は、葉水をした後でビニール袋で覆ことも有効です。
水やりは常温に戻した水で行う
冬場の胡蝶蘭への水やりは、常温、または30℃くらいのぬるま湯で行うようにしましょう。
冷たすぎる水やお湯を胡蝶蘭に与えると根が弱ってしまいます。
また、冬場は水やりを行うタイミングにも注意するようにしましょう。
水やりはなるべく暖かい日の午前中を目安にするとよいでしょう。
寒い時期に胡蝶蘭を育てる際の注意点
寒さ対策以外にも、冬場に胡蝶蘭を育てる場合は以下に注意しましょう。
- 湿度を保って乾燥を防ぐ
- 水やりの頻度を少なくする
- 凍傷に注意する
湿度を保って乾燥を防ぐ
胡蝶蘭は乾燥が苦手なため、設置した場所の湿度にも注意が必要です。
室内の場合は暖房器具を使用していると乾燥してしまうため、以下のような対策を行いましょう。
- 加湿器を使用する
- 葉水を行う
- 胡蝶蘭の近くに濡れタオルを干す、容器を置く
目安としては、胡蝶蘭の鉢周りの湿度を50%程度に保つのが良いとされています。
寒い時の葉水のやり方
冬場に胡蝶蘭に葉水を行う際は、朝の10時までを目途に1日2~3回程度行いましょう。
胡蝶蘭は夜間から朝10時頃まで気孔が開くため、葉から水分を吸収しやすくなります。
霧吹きなどで胡蝶蘭の葉の表と裏を湿らせるようにしましょう。
水やりの頻度を少なくする
秋から冬にかけての胡蝶蘭への水やりは気温や鉢の乾燥状態を見つつ回数を控えましょう。
一般的に、胡蝶蘭の水やりの頻度は以下程度とされています。
- 秋(気温が15度以下):7~10日に1度程度
- 冬(気温が10度以下):2~3週間、または1カ月に1度程度
胡蝶蘭は、気温が下がると休眠状態に入ります。
休眠中は水や栄養を必要としないため、やり過ぎると栄養過多で弱ってしまう場合があるため注意しましょう。
水やりが多いと根腐れのリスクも
寒い時期の水やりが多いと胡蝶蘭が根腐れを起こしやすくなる点も注意が必要です。
寒い時期は胡蝶蘭の根からの吸水量が減るため、水やりの頻度が高いと常に根が湿った状態になりやすくなります。
室温が高くても通気性が悪いと鉢の中が乾燥しづらいため、根腐れのリスクが高まります。
冬場は鉢の中の植え込み材がしっかり乾燥したかを確認してから水やりを行うようにしましょう。
胡蝶蘭の根腐れについては以下の記事で詳しく解説しています。
凍傷に注意する
胡蝶蘭は、気温が5~10℃以下になると寒さで傷んで凍傷を起こしやすくなります。
凍傷は症状が出る場所によって進行具合が軽度~重度まで分かれており、以下のようになります。
軽度 |
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---|---|
中度 |
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重度な症状としては、根、茎や株自体が凍傷になっているケースです。
目に見えないところで凍傷が進行してしまうため、復活も難しく、ある日突然枯れてしまう場合もあります。
健康な胡蝶蘭との違い
凍傷になった胡蝶蘭と健康な胡蝶蘭との違いは、葉の健康状態を確認してみるといいでしょう。
健康な胡蝶蘭の葉には、以下のような特徴があります。
- 肉厚で葉にツヤやハリがある
- 葉が全体的に濃い緑色をしている
- 全体的に葉が上を向いている
上記のような状態が確認できない場合は、何かしら胡蝶蘭が不調を抱えている可能性があります。
寒い場所に株を置いていた場合や、室内でも寒さ対策をしていない胡蝶蘭であれば凍傷を疑ってみましょう。
凍傷を起こした胡蝶蘭の回復方法
胡蝶蘭の凍傷が軽度~中度であれば、以下の対応を行うことで胡蝶蘭が回復する可能性があります。
- 気温20℃前後の場所に鉢を移動する
- 気温維持が難しい場合は寒さ対策を行う
- 昼間は明るくて暖かい場所に置く
- 復活しなかった部分は切って捨てる
まずは気温が18~25℃程度の暖かい場所に胡蝶蘭を移動します。
室内であればリビング、キッチンなどに鉢を移すと良いでしょう。
暖かさが足りない、夜間で気温が維持できない場合はビニール袋や段ボールなどを被せて寒さ対策を行います。
昼間は明るい場所に置いて、2~3日ほど様子を見てみましょう。
日が経つと胡蝶蘭の葉に元気が戻るか黄色くなっていくかのどちらかになる場合が大半です。
復活しなかった葉はそのまま枯れていくため、切り取って捨ててしまいましょう。
- 胡蝶蘭の凍傷は見えない状態で進行している場合もある
-
胡蝶蘭を寒い場所に置いても、凍傷の症状が必ず表れるとは限りません。
胡蝶蘭は葉に蓄えた栄養を使って環境に耐えようとするため、目に見えない部分で凍傷が進行している場合があります。葉の変色、斑点などの症状が見られない場合でも、葉にツヤがないなどの不調が見られた際は回復方法を試してみましょう。
まとめ
胡蝶蘭の寒さ対策に有効な方法には以下があります。
- 気温が下がりやすい場所に置かない
- 室内の気温を18℃以上に保つ
- ビニール袋や段ボールで保温する
- 水やりは常温に戻した水で行う
胡蝶蘭は寒さと乾燥に弱いお花のため、室温の管理や乾燥しないための保湿が重要になります。
また、気温が15度を下回った頃から胡蝶蘭は休眠が始まります。
気温によって水やりの頻度や、水温の調節を行うようにしましょう。
もしも環境を整えても胡蝶蘭に元気がない場合は、寒さ以外の原因が考えられます。
「胡蝶蘭の元気がない!原因別対処法と復活させるコツ【プロ監修】」で症状別に原因と対処法を解説していますので確認してみましょう。