この記事はこんな方におすすめ
- 育てている胡蝶蘭に元気がなくて心配
- 胡蝶蘭に元気がない原因や対処法を知りたい
- 胡蝶蘭の葉っぱの色がおかしい
大切に育てている胡蝶蘭の花や葉に元気がないと心配になってしまいますよね。
胡蝶蘭に元気がない時の原因として考えられるものには以下があります。
- 水やりの頻度が合っていない
- 置いてある環境が胡蝶蘭に合わない
- カビや細菌などの病気にかかっている
- 根に異常があり、水分を十分に吸収できない
今回は、胡蝶蘭に元気がない時の症状別に原因と対処法を確認していきましょう。
胡蝶蘭のお花に元気がない時
胡蝶蘭のお花に元気がない場合は、以下のようにしおれているお花の場所に注目してみましょう。
- 根元から花がしおれる
- 花がすぐしおれる・点々と不規則にしおれる
根元から花がしおれる
胡蝶蘭のお花が根元に近い部分から順番にしおれている場合は、問題がないことがほとんどです。
お花の開花期間が終了してしおれていると考えられます。
胡蝶蘭は花茎の根に近い部分から順番に花を咲かせていきます。
お花がしおれて枯れていく順番も根元から花芽の先に向かっていきます。
根元から花がしおれた時の対処法
根元の方に咲いている胡蝶蘭の花が咲き終わったら、花首の位置でお花を摘み取りましょう。
胡蝶蘭に限らず、枯れたお花はカビや病気の原因になる可能性があります。
見た目を整えたり、次のお花を咲かせるためにもしぼんだお花は早めに取り除きましょう。
花がすぐしおれる・点々と不規則にしおれる
しおれる花の場所が点々と不規則だったり、手に入れてすぐにしおれてしまう場合は管理方法や置いてある環境が影響していると考えられます。
胡蝶蘭の置き場所の温度・湿度の管理が甘かったり、水やり頻度などが最適ではない場合は胡蝶蘭が弱って花がしおれてしまいます。
環境によって花がしおれる時の対処法
しおれてしまったお花は再生することはできないため、摘み取ってしまいましょう。
花が不規則にしおれている場合は、胡蝶蘭が好む以下の環境に近づけて様子を見ましょう。
- 温度:18~25℃
- 湿度:50%程度
また、水やりの頻度にも注意が必要です。
胡蝶蘭は水をあげすぎてもよくないため、根元がしっかり乾いたことを確認しましょう。
ほとんどのお花がしおれてしまった場合は、花茎を根元近くでカットすると胡蝶蘭を育てやすくなります。
花茎が長く残っていると、花茎を維持するために胡蝶蘭はエネルギーを費やしてしまいます。
翌年も花を咲かせたい場合は、花茎が短い方が新しい花芽を作るための元気を蓄えやすくなります。
胡蝶蘭の葉っぱに元気がない時
胡蝶蘭の不調は葉っぱに出やすい特徴があります。
日常的に葉の状態を確認しておくと、問題があった際に早く処置をできるため再生しやすくなります。
ここでは胡蝶蘭の葉っぱに元気がない時の以下の状態について確認してみましょう。
- 葉っぱがふにゃふにゃ・しわしわ
- 水やりをしても葉っぱがよれよれ・しわしわ
葉っぱがふにゃふにゃ・しわしわ
胡蝶蘭の葉がふにゃふにゃと曲がってしまう、しわしわでハリがない時の大半は水不足が原因です。
似たような症状が出る原因として根腐れがありますが、植え込み材や根がカラカラに乾いている時は水不足と判断していいでしょう。
水不足の対処法
水不足の場合は、胡蝶蘭に水を与えて葉に元気が戻るかを観察します。
胡蝶蘭に水やりをする際は、株の根元にコップ1杯(200ml)程度のお水を与えましょう。
その後の水やりは、季節や気温などを加味しつつ植え込み材が完全に乾いてから行います。
水やりは一度に与えるお水の量ではなく、頻度で調整するのがポイントです。
秋・冬などの乾燥しやすい季節の場合は霧吹きなどを使って葉水するのも効果的です。
水やりをしても葉っぱがよれよれ・しわしわ
胡蝶蘭に水やりをしているのに葉にツヤがない、しわが出てきた際は根腐れを起こしている可能性があります。
根腐れの場合は、葉っぱ以外に以下のような症状がみられます。
- 根や植え込み材からカビの臭いがする
- 根が変色してになっている
- 花がすぐに枯れる、蕾が開かない
根腐れは水や肥料のあげすぎ、通気性の悪さが原因となる場合がほとんどです。
根腐れはゆっくりと症状が進むため、根が腐ったり枯れていない場合は水やりの頻度を減らし、根を乾かすと改善する可能性があります。
根腐れの対処法
胡蝶蘭が根腐れしてしまった場合は、腐った根を取り除いて植え替えを行いましょう。
鉢から胡蝶蘭を取り出したら、腐った根や枯れた根を切り落とします。
健康な緑の根を傷つけないよう、ピンセットなどを用いて根を選定します。
根を切る際は、しっかりと消毒した道具を使うようにしましょう。
雑菌などを残して根が枯れてしまわないように、使用前は消毒液や火で炙るなどして殺菌を行いましょう。
根を切った後は、新しい埋め込み材と一緒に新しい鉢に移します。
植え替え後は水やりを控えて、最低でも2週間後に水やりをしましょう。
根腐れによる植え替えの場合は根を乾かす必要があります。
また、植え替え直後は胡蝶蘭にとっても環境が変わり負担を感じやすいため、環境に慣れるまで様子を見ましょう。
胡蝶蘭の根腐れの見分け方や対処法については以下の記事でも詳しく解説しています。
胡蝶蘭の葉が変色した時の原因と対処法
胡蝶蘭が元気をなくしたり、病気になると葉っぱの色が変化することがあります。
変色する色や症状によって原因が異なり、よくある変色の原因と症状は以下となります。
- 【寿命】下の葉が黄変する
- 【葉焼け】葉が焦げて変色(黄、白、茶、黒)
- 【炭疽病】葉に黒い斑点が出た
- 【軟腐病・褐斑細菌病】葉に斑点が出た
- 【フザリウム立ち枯れ病】急に葉が黄色くなった
- 【凍傷】葉が黄変・黒や茶の斑点が出る
ここでは、胡蝶蘭の葉が変色する原因別に対処法を1つずつ解説していきます。
【寿命】下の葉が黄変する
胡蝶蘭の下の方の葉が少しずつ黄変していっている場合は、葉の寿命が考えられます。
葉が寿命で変色した際の症状は以下となります。
症状 |
|
---|---|
原因 | 葉の寿命 |
寿命で葉が黄色くなった時の対処法
胡蝶蘭の葉が寿命で黄色くなった際は、枯れてしわしわになるまで待ってから取り除きます。
葉が乾燥したのを確認してから、ハサミなどで根元から切り取りましょう。
【葉焼け】葉が焦げて変色(黄、白、茶、黒)
葉が焦げたように変色していた場合は、直射日光を浴びたことによる葉焼けが考えられます。
葉焼けは症状によって変色する色味が異なり、症状や変色の仕方は以下となります。
症状 |
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---|---|
原因 | 直射日光を長時間浴びたことによる痛み |
変色の 仕方 |
黄色か茶色になる場合が多く、進行すると白、黒になる場合も |
葉焼けで葉が変色した時の対処法
葉焼けが起こった場合は、胡蝶蘭を直射日光の当たらない場所に移しましょう。
日焼けで焦げてしまった部分は放っておくと広がってしまうため、切り取って症状が広がることを防ぎましょう。
葉の全体が変色し、葉焼けの症状がすでに広がっている場合は葉が枯れ落ちるのを待ちます。
葉焼けさせないための胡蝶蘭の最適な置き場所は「胡蝶蘭に直射日光が良くない理由は?最適な置き場所と日照環境」でも解説しています。
【炭疽病】葉に黒い斑点が出た
胡蝶蘭の葉に黒や褐色の斑点が現れた場合は、炭疽病の可能性があります。
炭疽病の症状や原因は以下があります。
症状 |
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---|---|
原因 | 葉焼けなどで弱った葉にカビの胞子が付着する |
炭疽病で葉が変色した時の対処法
炭疽病が発生した場合は、斑点の周囲を消毒したハサミで切り取って様子を見ましょう。
斑点を切り取る際は、5㎜程度の余裕を持って大きめに切り取るようにします。
斑点を取り除いたら患部に薬剤(ダイセン、ダコニールなど)を塗布しましょう。
胡蝶蘭に黒い斑点が出た時の対処法は「胡蝶蘭に黒い斑点が出る病気の原因と消毒方法を解説」の記事も参考にしてみてください。
【軟腐病・褐斑細菌病】葉に斑点が出た
胡蝶蘭の葉に水で塗れたような斑点が現れたら軟腐病、または褐斑細菌病が原因だと考えられます。
軟腐病の場合はすぐに葉が腐り、強い臭いを発するようになるため斑点の広がり方や臭いの有無で見極めましょう。
軟腐病と褐斑細菌病の症状と原因は以下となります。
症状 |
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---|---|
原因 | 葉焼けや傷口などから細菌に感染することで発病する。 高温多湿な環境で発生することが多い。 |
変色の 仕方 |
|
軟腐病、褐斑細菌病で葉が変色した時の対処法
対処法としては、軟腐病も褐斑細菌病も患部を切り取って消毒液を塗布します。
殺菌消毒したハサミなどを使い、患部を大きめに切り取りましょう。
軟腐病と思われる場合は、切り取る際に患部を触って中の水が出てこないように注意しましょう。
軟腐病の細菌が含まれているため、他の葉に付着すると伝染してしまいます。
患部を切り取った後は、バクテリアに効果のある洗剤(スターナやナレート、キッチンハイターなど)を塗って様子を見ます。
高温多湿な環境で感染しやすいため、鉢を風通しがよい環境に移動することも重要です。
【フザリウム立ち枯れ病】急に葉が黄色くなった
生えている位置に関係なく胡蝶蘭の葉が急激に黄色くなった場合、フザリウム立ち枯れ病に感染している可能性があります。
フザリウム立ち枯れ病の症状や原因は以下となります。
症状 |
|
---|---|
原因 | 水分が残ったり湿度の高さで蒸れてしまい、カビの一種であるフザリウム(フザリューム)に感染する |
変色の 仕方 |
黄変した後に褐色になって枯れる |
立ち枯れ病で葉が黄色くなった時の対処法
立ち枯れ病は蒸れが原因なため、風通しのよく蒸れが解消される場所に鉢を移します。
患部に薬剤(タチガレン、リドミルなど)を塗って様子を見ましょう。
茎や根にも感染している場合は、植え替えが必要です。
患部を消毒したハサミで切り取った上で植え替えを行ってみましょう。
【凍傷】葉が黄変・黒や茶の斑点が出る
胡蝶蘭の葉が黄色くなってしおれてしまったり、黒く変色した場合は凍傷で元気をなくしている可能性があります。
凍傷が起こった際の症状と原因は以下となります。
症状 |
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---|---|
原因 | 胡蝶蘭の設置場所の気温が低いため |
変色の 仕方 |
|
凍傷で葉が変色した時の対処法
胡蝶蘭が凍傷になってしまった際は、暖かい場所に鉢を移しましょう。
胡蝶蘭が快適に過ごせる温度が18~25℃程度とされています。
凍傷から回復させたい場合は、最低でも15℃以上を保つと良いでしょう。
また、冬場などは夜間に気温が下がりやすいため胡蝶蘭に寒さ対策を施しましょう。
昼間はカーテン越しに日光が当たる場所などに置き、夜間はビニール袋を被せるなどして保温するように心がけましょう。
元気がない胡蝶蘭の再生方法
元気のない胡蝶蘭を復活させる方法は、葉が健康な状態に戻るように時間をかけて手入れをすることです。
胡蝶蘭を再生するためのお手入れ方法には以下があります。
- 胡蝶蘭の好む環境を整える
- 砂糖水パックを行う
胡蝶蘭の好む環境を整える
元気のない胡蝶蘭を回復させたい時は、まずは胡蝶蘭が健康でいられる環境を作りましょう。
具体的には、以下のような点に注意しましょう。
- 水やりは季節によって頻度を変え、常温の水を与える
- 気温を18~25℃、湿度を50%程度に保つ
- 風通しが悪い場所に胡蝶蘭を置かない
- 直射日光が当たる場所に胡蝶蘭を置かない
- 肥料は基本的に春~夏の生育期にのみ与える
胡蝶蘭の寿命を延ばすお手入れ方法については、「胡蝶蘭の寿命ってどれくらい?長持ちさせる方法と元気なお花の選び方」でも詳しく解説しています!
砂糖水パックを行う
根に問題がない胡蝶蘭で、葉がしわしわになっている場合は砂糖水パックが有効な場合があります。
砂糖水パックのやり方は以下となります。
- 1000倍に希釈した砂糖水を作る(【例】水1L:砂糖1g)
- キッチンペーパーに砂糖水を染み込ませて葉っぱを1枚ずつ包む
- ビニール袋で株を包んで息を吹き込む
- 1晩寝かせて、翌朝ビニール袋やキッチンペーパーを取り除く
- 葉の表面が砂糖っぽい場合は葉水をしたり、軽く拭き取る
砂糖水パックを行う際は、必ず夜間に行うようにしましょう。
胡蝶蘭は夜に気孔が開くCAM植物と呼ばれる種類で、夜間に二酸化炭素を吸収します。
昼間は気孔を閉じており、夜間に蓄えた二酸化炭素を使って昼間に光合成を行います。
気孔が開いている夜間は砂糖水の水分と糖を取り込むことができ、通常よりも早く葉っぱが元気になる可能性があります。
葉が元気を取り戻すには数日~1週間ほどかかる場合があるため、胡蝶蘭の調子に合わせて続けましょう。
まとめ
胡蝶蘭に元気がない時の原因としては、主に以下のようなケースが考えられます。
症状 | 原因 |
---|---|
根元から花がしおれる | お花の寿命 |
花がすぐしおれる、点々と不規則にしおれる |
|
葉がしわしわ |
|
葉が黄色く変色 |
|
葉が黒く変色 |
|
葉に斑点が出た |
|
胡蝶蘭に元気がない時は、お手入れの方法や置いてある環境が合わずに弱っている場合がほとんどです。
葉焼けや細菌感染で傷んだ患部がある場合は取り除き、胡蝶蘭の過ごしやすい環境を整えて様子を見てみましょう。
胡蝶蘭に元気がない時のよくある質問
最後に、胡蝶蘭に元気がない時のよくある質問を紹介します。
胡蝶蘭が元気がないときに何をすればいいですか?
病気や害虫による被害がないかを確認し、胡蝶蘭が生活しやすい環境を整えましょう。
胡蝶蘭の葉がしおれています。原因は何ですか?
胡蝶蘭の葉がしおれる場合は、以下の原因が考えられます。
- 水のやりすぎ、または水不足
- 根に異常がある、または発達していない
- 気温、湿度などの環境が合っていない
胡蝶蘭の根が茶色くなっているのですが、どうしたらいいですか?
胡蝶蘭の根が茶色の場合は、根腐れしている可能性があります。
根にハリがなく、水っぽくぶよぶよしている、またはカスカスになっている場合は植え替えを行いましょう。
胡蝶蘭の葉に黒い斑点ができています。どんな病気の兆候ですか?
胡蝶蘭の葉に黒い斑点ができた場合、細菌に感染や害虫による症状の可能性があります。
病気であれば炭疽病や軟腐病、褐斑細菌病などが当てはまります。
胡蝶蘭を植え替えるタイミングはいつがベストですか?
胡蝶蘭の植え替えは新芽が出始める4~6月が最適です。
植え替える際は寒い時期を避け、通常であれば2~3年に1度程度行います。
しかし、根腐れした株や植え込み材が腐っているのであれば、早急に植え替えを行った方が良い場合があります。
植え替えは胡蝶蘭にとっても負担がかかるため、植え替え後に温かい場所で育てましょう。
胡蝶蘭の葉が全て落ちてしまいました。再生できますか?
胡蝶蘭の葉が全て落ちてしまった場合でも、再生できる場合があります。
根や茎に元気があるのであれば、数カ月後に新芽が出てくる可能性があります。
葉が残っていない場合は再生に時間がかかるため、気長に育てましょう。