この記事はこんな方におすすめ
- 胡蝶蘭に黒い斑点が出た
- 黒い斑点が何かの病気じゃないか心配
- 胡蝶蘭の黒い斑点をどう対処したらいいか知りたい
胡蝶蘭に黒い斑点が出た場合は、病気によるものや、害虫などによる被害を受けている可能性があります。
胡蝶蘭の花や葉に黒い斑点が出る原因には以下のとおりです。
病気 |
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病気以外 の原因 |
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この記事では、それぞれの病気の原因や消毒方法、害虫の対処法について解説していきます。
胡蝶蘭に黒い斑点が出る病気
胡蝶蘭に黒い斑点が出る場合、原因は病気によるもので細菌・カビなどに感染している可能性があります。
黒い斑点が出る病気は以下が考えられます。
- 灰色カビ病
- 炭疽病
- 褐斑細菌病
- 軟腐病
灰色カビ病
灰色カビ病は胡蝶蘭の花に灰色の斑点が出る病気で、ボトリチス菌というカビに感染して発症します。
灰色カビ病の症状や原因は以下のとおりです。
症状 |
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原因 | 低温多湿の環境でボトリチス菌が発生する |
灰色カビ病は感染力が強く、放置しておくと他の葉や茎に感染する可能性があります。
灰色カビ病に罹患したお花を非常に花持ちが悪くなり復活させることはできないため、切り取って感染を広げないように対処しましょう。
灰色カビ病の対処法
灰色カビ病の対処法は、主に以下の3点となります。
- 灰色カビ病にかかった花を切り取る
- 風通しの良い場所で患部を乾燥させる
- 飼育環境の温度・湿度を整える
斑点ができてしまった患部を切り取った後に、まず花や葉を乾かします。
風通しがよく、湿度の低い場所に胡蝶蘭を移動させましょう。
灰色カビ病は薬剤での消毒は必要はなく、低温多湿を解消することが効果的です。
胡蝶蘭の生育に最適な環境は室温18~25℃、湿度50%程度と言われています。
室温が15℃を下回っていないか、葉水や加湿器を使いすぎていないかを改めて見直してみましょう。
炭疽病
炭疽病は胡蝶蘭の葉に褐色の斑点が出る病気で、弱った葉にカビが感染することで発症します。
炭疽病の症状や原因は以下が考えられます。
症状 |
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原因 |
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炭疽病の原因となるカビ菌は25℃前後が発病適温とされています。
胡蝶蘭の生育適正温度(18~25℃)と近い温度帯ですが、湿度管理を行い、胡蝶蘭に元気があれば罹患しにくくなる病気です。
炭疽病は放っておくとカビの胞子が飛散して他の葉に感染する可能性があるため、見つけ次第対処しましょう。
炭疽病の対処法
炭疽病になってしまった胡蝶蘭は、患部切除と消毒を行うことが有効です。
具体的な対処法は以下のとおりです。
- 炭疽病になった葉の周辺を大きめに切り取る
- 患部を消毒する
- 室内など直射日光の当たらない風通しの良い場所に移す
炭疽病に触れたハサミなどから他の葉に伝染する可能性があるため、患部を切除する前後に道具の除菌・消毒をしっかり行いましょう。
葉を切る際は、5㎜程度余裕を持って大きめに患部を切り取るようにします。
切除後は、葉の両面にダイセン、ダコニールなどの消毒液を塗布しましょう。
褐斑細菌病
褐斑細菌病は胡蝶蘭の葉に水で濡れたような褐色の斑点が現れる病気です。
シュードモナスというバクテリア菌が原因で、高温多湿の環境下で発症します。
主な症状と原因は以下が考えられます。
症状 |
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原因 | 高温多湿の環境下で、弱った葉や傷口から細菌に感染 |
褐斑細菌病は褐色ではなくオレンジ色の斑点が出る場合があります。
進行が早く、すぐに斑点が大きく広がってしまうため、なるべく早めに処置しましょう。
褐斑細菌病の対処法
褐斑細菌病は完治が難しく、罹患してしまった場合は患部を切除・消毒して健康な葉や株を守ることが重要です。
具体的な対処法は以下のとおりです。
- 褐斑細菌病になった葉を大きめに切り取る
- 患部を消毒する
- 室内など直射日光の当たらない風通しの良い場所に移す
まずは褐斑細菌病の症状が出ている部分を大きめに切り取ります。
発病した葉が他にもある場合は、再発防止のためになるべく取り除くようにしましょう。
患部を切り取ったらバクテリアに効果があるスターナ、ナレートなどの消毒液や、キッチンハイターといった塩素系殺菌剤を塗布します。
軟腐病
軟腐病も水に濡れたような斑点ができる病気で、エルビニアというバクテリア菌が原因で発症します。
褐斑細菌病との違いは、症状が進行すると褐色に変色し腐敗臭を放ちます。
主な症状や原因は以下のとおりです。
症状 |
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原因 | 高温多湿の環境下で、弱った葉や傷口から細菌に感染 |
軟腐病は進行スピードと感染力が非常に強い病気です。
他の健康な葉っぱや、一緒に育てている鉢植えに伝染させないように注意して対処しましょう。
軟腐病の対処法
軟腐病の対処法は褐斑細菌病と同じで、患部の切除と消毒を行います。
具体的な対処法は以下になります。
- 軟腐病になった葉を大きめに切り取る
- 患部を消毒する
- 室内など直射日光の当たらない風通しの良い場所に移す
軟腐病の葉を切り取る際も、患部を大きめに切り取ります。
葉を切る際は、葉を破って中の水が染み出さないように十分注意しましょう。
腐敗した葉の中には、軟腐病の細菌を含んだ水が入っています。
細菌を含んだ水分が乾燥すると、風に舞って他の葉や株に感染を広げる可能性があります。
患部を切り取った後は、バクテリアに効果があるスターナ、ナレートなどの消毒液や、キッチンハイターといった塩素系殺菌剤を塗布します。
他にも胡蝶蘭を一緒に育てている場合は、念のため隔離しておくといいでしょう。
病気以外の黒い斑点の原因
病気以外で胡蝶蘭に黒い斑点が出る原因としては、害虫による被害や、生育環境が適していないための不調などがあります。
具体的には以下のような原因が考えられます。
- 葉焼け
- 寒さによる凍傷
- カイガラムシの寄生
葉焼け
葉焼けは胡蝶蘭の葉っぱが変色する症状です。
直射日光の当てすぎが原因で、名前の通り葉っぱが日に焼けてしまった状態を指します。
主な症状や原因には、以下のようなものがあります。
症状 |
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原因 | 直射日光の当てすぎによる火傷 |
葉焼けになって胡蝶蘭の葉が弱るとカビや細菌等に感染しやすくなります。
葉焼けした部分から軟腐病、褐斑細菌病などの深刻な病気を引き起こす可能性があるため、しっかりと対処を行いましょう。
葉焼けの対処法
一度できてしまった葉焼けは治すことができないため、患部を切除して元気な葉を守るようにしましょう。
葉焼けができてしまった時の具体的な対処法は以下のとおりです。
- 直射日光が当たらない場所に移す
- 葉焼けした部分を切り取る
もしも胡蝶蘭の葉全体が葉焼けで変色している場合は、葉が自然と落ちるまで待ちましょう。
寒さによる凍傷
胡蝶蘭は寒さに弱く、気温が低い場所に置いてしまうと凍傷になって葉に斑点が出る可能性があります。
生育環境にもよりますが、気温が5~10℃を下回ると凍傷の症状が出始めます。
凍傷になった胡蝶蘭には、以下のような症状が現れます。
部位 | 症状 |
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葉 |
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花 |
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胡蝶蘭の凍傷は葉だけではなく、花や根にも症状が現れます。
症状の進行度合いは「花→葉→茎・根」の順で重度になっていき、葉に黒い斑点が出ている場合は相当ダメージを受けているため早急に対処しましょう。
凍傷の対処法
胡蝶蘭が凍傷になってしまった際の対処法は、葉が残っているか茎だけになってしまっているかで異なります。
それぞれの対処法は以下の手順になります。
葉が ある場合 |
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葉が ない場合 |
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暖かい場所に移して1~2日経つと、凍傷の症状が進行して葉が変色したり落ちてしまう場合があります。
鉢の移動後に変色した葉は元気を取り戻すことはありません。
また、細菌感染などの病気の原因になる場合があるため、患部を切り落として殺菌剤を塗布しておきましょう。
葉が全て落ちてしまっている時は、来夏の生育期に新芽が出るまで様子を見る必要があります。
生育期になって新芽が出ていない場合は株自体が回復できていないということですので、復活は難しいでしょう。
カイガラムシの寄生
胡蝶蘭の葉の裏に茶色の粒が付着していた場合、カイガラムシの幼虫に寄生されている可能性があります。
カイガラムシが寄生した際は、主に以下のような症状が現れます。
- 胡蝶蘭の生育が遅れる
- すす病を誘発する恐れがある
カイガラムシは胡蝶蘭の水と栄養を吸い取るため、寄生されると胡蝶蘭の成長が阻害されてしまう可能性があります。
カイガラムシが発生した場合、周囲にもカイガラムシが生息していることが多いため、継続して駆除を行いましょう。
カイガラムシの対処法
カイガラムシは成虫になると殺虫剤が効きにくくなるため、なるべく幼虫の時に駆除しましょう。
カイガラムシへの対処法は以下のとおりです。
- 古い歯ブラシや綿棒などでカイガラムシをこすり落とす
- カイガラムシに有効な殺虫剤を塗布する
- 2週間に1度(月に2~3回)程度、カイガラムシが発生していないか確認する
カイガラムシをこすり落ちす際は、胡蝶蘭の葉が傷つかないように古い歯ブラシや綿棒などを用います。
もしも葉に傷をつけてしまいそうな時は、殺虫剤を散布して虫が自然に落ちるのを待ちましょう。
カイガラムシ用の殺虫剤の中には胡蝶蘭に害を与える種類もあるため、「スプラサイト」や「オリオン」などの殺虫剤を利用しましょう。
成虫になったカイガラムシには「カイガラムシエアゾール」が有効です。
胡蝶蘭に黒い斑点を出さないための予防策
胡蝶蘭に黒い斑点が出る病気の主な原因は、多湿によるカビや細菌がほとんどです。
また、胡蝶蘭の葉が弱っていたり元気がないと病気になりやすくなるため、なるべく健康な状態を維持することが重要です。
胡蝶蘭を病気から守るための予防策には以下があげられます。
- 風通しがいい場所に胡蝶蘭を置く
- 直射日光が当たる場所は避ける
- 暑すぎる、寒すぎる場所に置かない
風通しがいい場所に胡蝶蘭を置く
胡蝶蘭を病気にするカビ、細菌を発生させないために湿度が上がる場所に胡蝶蘭を置かないようにしましょう。
また、細菌やカビが発生しやすい季節は春から秋にかけての長雨の時期となります。
湿度が高くなりやすい春~秋は室内で胡蝶蘭を育てるのがおすすめです。
胡蝶蘭の病気の原因となるカビや細菌が繁殖しやすい湿度は80~90%とされているため、除湿器などを活用して調整しましょう。
直射日光が当たる場所は避ける
胡蝶蘭を設置する際は、直射日光が当たる場所は避けるようにしましょう。
胡蝶蘭に黒い斑点ができる病気の炭疽病・軟腐病・褐斑細菌病は、直射日光に長時間当たった弱った葉に発生しやすくなります。
直射日光が当たらない日陰や、カーテン越しに日光が当たる場所などを選びましょう。
胡蝶蘭の最適な置き場所については「胡蝶蘭に直射日光が良くない理由は?最適な置き場所と日照環境」で詳しく解説しています。
暑すぎる、寒すぎる場所に置かない
胡蝶蘭が弱ってしまう理由として多いのが、置いてある場所の気温が胡蝶蘭に合っていないことです。
胡蝶蘭に最適な気温と室温は以下になります。
- 気温:18~25℃
- 湿度:50%程度
特に胡蝶蘭は寒さに弱く、気温が15℃を下回ると元気がなくなっていきます。
胡蝶蘭が弱ると病気にかかりやすくなるため、春先や秋の始めは胡蝶蘭を保温するなどの寒さ対策を行いましょう。
胡蝶蘭の寒さ対策については以下の記事でも詳しく解説しています!
まとめ
胡蝶蘭に黒い斑点が出る病気不調の種類と原因は以下の通りです。
病気・不調名 | 原因 |
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灰色カビ病 |
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炭疽病 |
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褐斑細菌病 |
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軟腐病 |
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葉焼け |
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凍傷 |
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カイガラムシの寄生 |
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カビや細菌が原因の場合、風通しの悪い過湿な環境下で菌が発生して感染しやすくなります。
褐斑細菌病や軟腐病は進行スピードが早く、他の健康な葉や株に伝染してしまう恐れがあるため、日頃からの予防対策が重要です。
また、胡蝶蘭は元気がなくなって弱ると病気になりやすくなります。
日頃から、以下に気を付けて胡蝶蘭を健康な状態に保つと良いでしょう。
- 風通しがいい場所に胡蝶蘭を置く
- 直射日光が当たる場所は避ける
- 暑すぎる、寒すぎる場所に置かない
胡蝶蘭の健康状態を確認したい際は、定期的に葉を確認してみましょう。
胡蝶蘭が弱っている時は「胡蝶蘭に元気がない時の原因と再生方法」の記事も参考にしてみてください。