胡蝶蘭を育てている間に、葉が黄色くなってしまい困った経験がある方も多いのではないでしょうか。
葉が黄色くなった場合、水のやりすぎや栄養不足、日光の当てすぎなど、さまざまな原因が考えられます。
この記事では、胡蝶蘭の葉が黄色くなる原因と対処法、変色させないための予防策についてくわしく解説します。
胡蝶蘭を元気に育てるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を読むと分かること
- 胡蝶蘭の葉が黄色くなる原因と対処法
- 黄変を防ぐためには、適度な水やりや温度管理などのお手入れが不可欠
- 胡蝶蘭の健康状態を確認するためのチェック項目
胡蝶蘭の葉が黄色くなる7つの原因と対処法
胡蝶蘭の葉が黄色くなる原因として、主に以下7つが考えられます。
- 自然な寿命による黄変
- 水のやりすぎによる根腐れ
- 栄養不足による黄変
- 病気や害虫の被害
- 日光の当てすぎによる葉焼け
- 日光不足による黄変
- 低温管理による凍傷
葉が黄色くなった原因によって対処法が異なります。
育てている胡蝶蘭の葉が黄色くなった場合は、原因が寿命なのか、病気や環境のストレスによるものなのか確認してみましょう。
自然な寿命による黄変
胡蝶蘭の葉が黄色くなる理由で最も一般的な原因は葉の寿命です。
寿命で黄変した葉の特徴や発生箇所は以下のとおりです。
特徴 |
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発生箇所 | 主に下の方にある古い葉 |
胡蝶蘭は新しい葉が上に重なるように成長するため、下の古い葉が自然に枯れていくのは問題ありません。
寿命による黄変の対処法
寿命で葉が黄変した場合は、特に対処する必要はありません。
以下のように、自然に葉が落ちるのを待ちましょう。
- 自然に枯れるまで放っておく
- 完全に枯れたら取り除く
葉が枯れてしわしわになっても茎から離れない場合は、根元からハサミで切り取りましょう。
水のやりすぎによる根腐れ
水をやりすぎると胡蝶蘭の根が腐り、葉が黄色くなる主な原因になります。
水のやりすぎで現れる症状や原因は以下のとおりです。
症状 |
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原因 |
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根腐れの疑いがある場合は、葉の変色に加えて根に異常がないか確認してみましょう。
もしも根が白や黒に変色している場合は根腐れを起こしています。
水のやりすぎや根腐れによる黄変の対処法
水のやりすぎで根腐れしていた場合は、根が常に湿っている状態を改善する必要があります。
根腐れで葉が黄変した場合の対処法は以下のとおりです。
- 水やりの回数を見直す
- 受け皿にたまった水は捨てる
- 鉢底の穴を広げて排水を良くする
- 植え替えを行う
根腐れが軽度の場合は、水やりの回数を見直して、受け皿にたまった水はすぐに捨てるようにします。
鉢自体の排水性が良くない場合は、鉢底の穴を広げるなどの対応を行いましょう。
また、根腐れが進行していた場合は植え替えを行う必要があります。
根腐れの症状の見分け方や、復活させる方法については以下の記事でも解説しています。
胡蝶蘭の根腐れ【原因・症状・復活】プロが教える対処法と予防策
栄養不足による黄変
胡蝶蘭は特定の栄養素が足りないと、葉が黄色くなることがあります。
胡蝶蘭の成長に必要な栄養素と、栄養不足による症状は以下のとおりです。
主な栄養素 |
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症状 |
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胡蝶蘭の栄養不足は、農園から出荷されて2~3年経った株に起こりやすい症状です。
農園で育てられている間に与えられた肥料の栄養が尽きることで栄養不足が起こります。
栄養不足による葉の黄変の対処法
胡蝶蘭に栄養が足りていない場合は、成長期に肥料を与えてみましょう。
おすすめの肥料や与え方は以下のとおりです。
おすすめの肥料 |
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肥料の与え方 |
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成長期に肥料を与える場合は、液体肥料と固形肥料で与え方や頻度が異なります。
胡蝶蘭を与えるタイミングや与え方については以下の記事を参考にしてくださいね。
病気や害虫の被害
病気や害虫も胡蝶蘭の葉を黄色くする原因となります。
代表的な病気や害虫には以下のような例があります。
代表的な病気 |
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主な害虫 |
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症状 |
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病気や害虫で葉が黄変した際の対処法
病気や害虫で葉が黄変した際の対処法は以下のとおりです。
- 感染した部分を取り除く
- 適切な殺菌剤や殺虫剤を使う
- 定期的に胡蝶蘭を観察し、再発防止に努める
基本的に病気の箇所を切り取るか、害虫を取り除いてから薬剤を散布する流れになります。
病気も害虫も再発する可能性があるため、定期的に異常がないか確認しましょう。
散布する薬剤は病気や害虫の種類によって最適な薬剤が異なります。
病気や害虫の被害を受けた際の症状別の対処法については以下の記事で詳しく解説しています。
胡蝶蘭の元気がない!原因別対処法と復活させるコツ【プロ監修】
日光の当てすぎによる葉焼け
胡蝶蘭は日光が必要ですが、直射日光などの強い光を受けると葉焼けを引き起こします。
葉焼けで起こる症状は以下のとおりです。
症状 |
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葉焼けを起こすと、最終的に葉が枯れてしまいます。
葉焼けを起こした葉は回復しないため、症状が広がらないうちに対処しましょう。
葉焼けによる黄変の対処法
胡蝶蘭が葉焼けで黄変した際は以下の手順で対処しましょう。
- 直射日光が当たらない場所に移動する
- 葉焼けした患部を切り取る
葉焼けの症状が葉全体に広がってしまった場合は、葉が枯れ落ちるのを待ちましょう。
胡蝶蘭の最適な置き場所や直射日光がよくない理由は以下の記事で解説していますので、参考にしてくださいね。
日光不足による黄変
胡蝶蘭は、日光が足りない場合も葉が黄変することがあります。
日照不足になると光合成が行えず、葉緑素の生成が抑えられるため葉が黄色くなります。
日光不足で現れる症状は以下のとおりです。
症状 |
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日光不足による黄変の対処法
光合成不足で葉が黄変した場合の対処法は以下の2通りです。
- 明るい間接光が当たる場所に移動させる
- 植物育成ライトを使う
基本的な対処法は直射日光が当たらない明るい場所に鉢を移せば問題ありません。
日照時間が少ない秋~冬に日光不足になっている場合は、植物育成用のLEDライトなどを使って補光するようにしましょう。
- 光合成ができない原因は「水不足」の場合も
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光合成ができずに葉が黄色くなる理由には、日光不足以外にも「水不足」の可能性があります。
植物が光合成を行うためには水と日光が必要なため、どちらが欠けても光合成が行えません。水やりは気温ごとに調整する必要があるため、「胡蝶蘭の水やりで失敗しない!季節別【頻度・量・時間】のコツと根腐れ対策」で季節ごとの水やり方法や失敗しないためのコツを確認しましょう。
低温管理による凍傷
胡蝶蘭は暖かい場所を好む植物ですので、気温の低い場所に置いておくと、凍傷を起こす場合があります。
胡蝶蘭が凍傷を受けた場合の症状は以下のとおりです。
症状 |
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凍傷が進行すると、葉が黄色からだんだんと黒くなり、最終的には腐ってしまうこともあるため注意しましょう。
凍傷による黄変の対処法
凍傷によって葉が黄色くなってしまった場合は、以下の対策を行ってください。
- 15~25℃程度の暖かい場所に移す
- 凍傷を受けた葉を清潔なハサミで切り取る
- 切り口に殺菌剤を塗布する
まずは胡蝶蘭にとって最適な、18~25℃程度の温度がある場所に移しましょう。
凍傷で黄色くなった葉はもう復活しませんので、すぐに取り除くのがおすすめ。
傷みが広がらないよう、葉の切り口には殺菌剤を塗布しておきましょう。
胡蝶蘭の葉が黄色くならないための予防策
胡蝶蘭の葉を黄色くしないためには、以下の2点を行うようにしましょう。
- 日常的に適切なお手入れを行う
- 定期的に胡蝶蘭の観察する
それぞれ、詳しく解説していきます。
日常的に適切なお手入れを行う
胡蝶蘭の葉を黄色く変色させないためには、葉が健康に育つように適切なお手入れを行うことが一番です。
胡蝶蘭を育てる際は以下を心がけましょう。
水やり |
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置き場所 |
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温度・湿度の管理 |
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肥料 |
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葉の変色の理由は、育て方や環境が合わずにストレスから黄変していることが大半です。
また、適切なお手入れで健康な胡蝶蘭の株に育てれば細菌に感染しにくくなります。
定期的に胡蝶蘭の観察する
胡蝶蘭の葉を黄色くしないためには、定期的に胡蝶蘭の健康状態を観察することが大切です。
できれば週1回、以下の項目をチェックしてみましょう。
- 気温や湿度が適切かどうかチェックする
- 葉の色やハリを確認する
- 病気や害虫がいないか確認する
- 直射日光が当たっていないか確認する
- 根に異常がないかチェックする
- 植え込み材が傷んだり異臭がしないか確認する
植え込み材を外して根を出し入れすると、根が弱ってしまう可能性があるため普段は異臭がないかなどの確認を行います。
なるべく葉を小まめに観察して健康状態に異常がないか確認するようにしましょう。
まとめ
胡蝶蘭の葉が黄色くなった場合、寿命以外にも水のやりすぎ、栄養不足、日光不足、凍傷など複数の原因が考えられます。
葉が黄色くなっている原因がどれに当てはまるのかを確認し、対策を行いましょう。
また、今後胡蝶蘭の葉が黄色くなるのを防ぎたいなら、以下のような日常的なお手入れが必要不可欠です。
- 適度な水やりを行う
- 直射日光を避けた明るい場所に置く
- 気温18~25℃、湿度50~70%程度の場所で管理する
- 肥料は春~秋に、薄めの濃さで与える
上記のポイントを押さえ、日々のお手入れを丁寧に行うことで、胡蝶蘭の美しい花を長く楽しむことができるでしょう。
胡蝶蘭の葉の黄変に関するよくある質問
胡蝶蘭の葉が黄色くなる問題について、多くの方が抱える疑問にお答えします。
胡蝶蘭の葉が一部だけ黄色くなっているのはなぜですか?
部分的な黄変には、以下のような原因が考えられます。
- 日光の当たりすぎ:直射日光により葉焼けを起こしている可能性があります。
- 病気や害虫:斑点状の黄変は、病気や害虫の被害の可能性があります。
- 物理的な傷:葉が折れたり傷ついたりした部分が黄色くなることがあります。
原因を特定し、適切な環境の調整や治療を行いましょう。
胡蝶蘭の葉が黄色くなり、同時にしわしわになっているのはなぜですか?
葉の変色と同時にしわが出てきた場合は、主に以下の原因が考えられます。
- 水不足:長期間水やりを忘れると、葉がしわしわになり黄色くなることがあります。
- 根腐れ:逆に水のやりすぎにより根が腐ると、水分を吸収できずに同じような症状が現れます。
水不足や根腐れが原因の場合は、水やり方法を改善してみましょう。
根腐れが進行している場合は、胡蝶蘭の植え替えも検討してみてください。
胡蝶蘭の葉が黄色くなった後、黒くなった場合はどうすればいい?
葉が黒く変色するのは深刻な症状で、根腐れや病気の進行が考えられます。
根を確認して原因を特定した後に以下の対策を行いましょう。
根腐れの場合 |
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病気の場合 |
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胡蝶蘭の葉が黄色くなるのを予防するには、どんなお世話が必要ですか?
予防のためのポイントは以下の通りです。
- 適切な量・頻度で水やりを行う
- 直射日光を避けた明るい場所に置く
- 成長期には月1回程度、薄めに肥料を与える
- 18〜25℃程度の温度で管理する
- 定期的に胡蝶蘭の状態を確認する
上記の基本的なお世話を日頃から行うことで、葉の黄変を予防し、健康な胡蝶蘭を維持することができます。
胡蝶蘭の葉が黄色くなったら回復することはありますか?
回復できる場合と、元に戻らない場合があります。
具体的には、水不足・軽度な根腐れ・日光不足の場合は、置き場所やお手入れの改善によって、葉が元通りになる可能性があります。
一方で、寿命・葉焼け・病気や害虫が原因の場合は元に戻りませんので、症状が症状が広がらないように対処しましょう。
大切なのは、黄変した葉よりも新しい成長に注目することです。
健康な新芽や葉が出てくれば、植物全体の回復の兆しと言えます。