この記事はこんな人におすすめ
- 胡蝶蘭の葉が落ちる原因を知りたい
- 胡蝶蘭の葉が落ちた時の対処法が知りたい
- そもそも胡蝶蘭の葉を落とさないための予防策は?
胡蝶蘭は、育成条件や水やりの頻度が合わないと枯らしてしまう恐れあります。
胡蝶蘭の葉が全て落ちてしまった場合、何らかの問題を抱えた危険な状態である可能性があるため早急に対処する必要があります。
葉が落ちる原因と対応方法は以下のとおりです。
原因 |
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対処法 |
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この記事では、胡蝶蘭の葉が全て落ちてしまった理由と復活させるための対処法、葉が落ちないための管理方法について解説していきます。
胡蝶蘭の葉が全て落ちる原因
胡蝶蘭の葉が全て落ちる原因としては以下の3点が考えられます。
- 生育環境が胡蝶蘭に不適切
- 水やりの頻度や量が合わない
- 病気・害虫による被害
葉が落ちた原因によって対応方法が異なるため、まずは葉が落ちてしまった原因を突き止める必要があります。
生育環境が胡蝶蘭に不適切
胡蝶蘭の葉が落ちる原因として考えられるのは、以下のような胡蝶蘭の生育に不適切な環境に胡蝶蘭を置いた場合です。
気温 |
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湿度 |
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光量 |
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胡蝶蘭は熱帯雨林に自生していた着生生物です。
そのため、生育に適した環境は気温18~25℃程度、湿度が50%~70%程度の直射日光が当たらない風通しのいい場所を好みます。
特に寒さには弱く、気温が10℃以下を下回ると葉や根がダメージを受け始めます。
気温が5℃を下回る環境に数時間放置されただけで、凍傷になって葉が全て落ちてしまう可能性があります。
また、胡蝶蘭にとっては直射日光も強い刺激となり、葉が枯れ落ちてしまう原因となります。
夏場は気温や湿度が高すぎて逆に枯れてしまう可能性もあるため注意が必要です。
水やりの頻度や量が合わない
適切な環境に胡蝶蘭を置いていたにも関わらず胡蝶蘭の葉が落ちてしまった場合、水やりの頻度や量が適切でなかったという理由が考えられます。
胡蝶蘭の水やりで起こる問題には以下の2つがあります。
- 過剰な水やりによる根腐れ
- 水不足
水やりが多すぎると根腐れが起こり、根が水分や栄養を吸収できないため葉が枯れてしまいます。
逆に水やりが少ないと水不足となり、葉に栄養が行き渡らずに葉枯れを起こして葉が落ちてしまいます。
胡蝶蘭を元気に育てるためには、適切なタイミングでの水やりが重要です。
病気・害虫による被害
胡蝶蘭の葉が全て落ちる原因として、病気や害虫の影響も考えられます。
胡蝶蘭の代表的な病害虫と対処方法には、以下のようなものがあります。
- ウイルス病
- 軟腐病
- 褐斑細菌病
- 炭そ病
- 灰色かび病
- 立ち枯れ病
病気の場合は、基本的に一度感染してしまうと元に戻ることはありません。
そのため、症状が出ている箇所を取り除いて捨てましょう。
- カイガラムシ
- コナカイガラムシ
- ハダニ
- コナダニ
- スリップス(アザミウマ)
- アブラムシ
- ナメクジ
- アリ
害虫が発生した場合は、被害が拡大しないように、見つけ次第それぞれに有効な薬剤を使って駆除しましょう。
葉が全て落ちた場合の対応方法
胡蝶蘭の葉が全て落ちてしまっているということは、すでに胡蝶蘭がかなり弱っている可能性があります。
葉が落ちてしまった原因に合わせて、早急に以下の対応を行いましょう。
- 胡蝶蘭の健康状態を確認する
- 胡蝶蘭の生育環境を見直す
- 水やりの見直し
- 病害虫を駆除する
胡蝶蘭の健康状態を確認する
胡蝶蘭の葉が落ちてしまった原因に関わらず、まずは胡蝶蘭の健康状態を確認してみましょう。
葉が全て落ちてしまったのであれば、根や茎(株本)などの健康状態をチェックします。
根の健康状態を確認する際に、以下のポイントに注目しましょう。
根 |
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茎 |
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根が黒や白に変色していたり、カビが生えている場合は、根腐れしている可能性が高いです。
根腐れが原因で葉が落ちた場合は、症状が中~重度まで進んでいるため、枯れないように植え替える必要があります。
- 胡蝶蘭の「茎」と「花茎」の違い
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胡蝶蘭のお世話において混同しやすいのが「茎」と「花茎」です。
胡蝶蘭の場合は、上に伸びて花をつける部分が「花茎」、株本で葉をつける部分が「茎」となります。
葉が落ちた時など、株全体の健康状態を確認する際は「茎」を見る必要があるため、気を付けましょう。
花茎があると、水分や栄養分を花茎の維持にも取られてしまうため新しい葉の生長が遅れる場合があります。
胡蝶蘭の生育環境を見直す
胡蝶蘭の葉が全て落ちた場合、適切な温度と湿度、光量の調節を見直してみましょう。
胡蝶蘭の適切な育成の条件は、以下のとおりです。
- 温度:18~25℃
- 湿度:50%~70%程度
- 光量:日陰になる場所。直射日光はNG
胡蝶蘭は寒さには非常に弱いため、20℃前後の気温を保てる環境が理想です。
湿度に関しては、冬季は加湿器や葉水を行って鉢周りの湿度を保つ必要があります。
暖房や加湿器を使う際は、風が直接胡蝶蘭に当たらないように注意しましょう。
また、胡蝶蘭は光合成が必要なため光がない環境では育ちません。
カーテンや遮光ネットなどを使って、半日陰になるように調節しましょう。
水やりの見直し
胡蝶蘭に適した水やりは、「水苔やウッドチップが乾いてからたっぷりの水を与える」のが基本です。
水やりの頻度は気温や風通しなど、環境によってタイミングが異なるため植え込み材が乾いていることを確かめてから水を与えましょう。
水やりの頻度は、季節によっても異なりますが、目安としては以下のとおりです。
季節 | 目安頻度 | 水量 | 時間帯 |
---|---|---|---|
春 | 1週間~10日に1回 | 200ml | 日中 |
夏 | 2~3日に1回 | 200~ 500ml |
朝、または夕方 |
秋 | 10日~2週間に1回 | 200ml | 日中 |
冬 | 2週間~1か月に1回 | 200ml | 午前中 |
過剰な水やりは、根腐れの原因となるので注意が必要です。
特に気温が下がる冬季は、胡蝶蘭が休眠状態になり水分を吸収しにくくなっているため水やり頻度に気をつけましょう。
逆に水不足も胡蝶蘭を弱らせる原因となるため、季節ではなくその時の気温によって水やりの頻度を調節するように心がけましょう。
根腐れとカビを予防するためにも鉢皿にたまった水を捨てることも忘れないでください。
病害虫を駆除する
胡蝶蘭に病害虫が発生した場合の対応は以下のとおりです。
- 【病気への対応】患部を切除して消毒
- 【害虫への対応】有効な薬剤を使って駆除
【病気への対応】患部を切除して消毒
病気の場合は、症状が出ている箇所を取り除いて消毒を行います。
病気になってしまった胡蝶蘭への対応手順は以下のようになります。
- 病気になった患部を切り取る
- 患部を消毒する
- 胡蝶蘭が休める環境に鉢を移動する
病気の消毒を行う際は、以下の薬剤を利用して消毒を行いましょう。
病気名 | 有効な薬剤 |
---|---|
軟腐病、 褐斑細菌病 |
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炭疽病 |
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立ち枯れ病 | トップジンMペースト |
【害虫への対応】有効な薬剤を使って駆除
害虫が発生した場合は、被害が拡大しないように、見つけ次第それぞれに有効な薬剤を使って駆除しましょう。
胡蝶蘭に発生する代表的な害虫に有効な薬剤は、以下のとおりです。
名前 | 有効な薬剤 |
---|---|
カイガラムシ |
※薬剤を散布する前に、歯ブラシなどで取り除く |
コナカイガラムシ | オリオン |
ハダニ |
|
コナダニ |
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スリップス (アザミウマ) |
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アブラムシ |
|
ナメクジ |
|
アリ | マラソン |
葉が全て落ちた後の胡蝶蘭のケア
全ての葉が落ちてしまった胡蝶蘭は繊細で不安定な状態になるため、よく観察して状態に合わせてケアすることが大切です。
葉が全て落ちた後の胡蝶蘭のケアは、主に以下の4つになります。
- 新しい葉が出るまでの期間
- 肥料の与え方
- 定期的な胡蝶蘭の状態観察
新しい葉が出るまでの期間
胡蝶蘭の葉が全て落ちてしまった場合、新しい葉が出るのは次の成長期頃となる場合が大半です。
胡蝶蘭は気温が20℃以上になると成長が始まるため、5月~7月ごろに新葉が生え始めます。
ただし、胡蝶蘭の株や根の元気が枯渇している場合は根を保つことに注力して葉が出るのに時間がかかる場合があります。
あくまで厚みがあり、ふっくらとした健康な根が残っていた場合の新葉が出る期間ですので注意しましょう。
ケアを始めて3~6か月以内に新芽が出れば次の成長期に新葉が出てくれる可能性があります!
1年以上経っても新芽が出ない場合は復活が難しい株だと考えてもいいでしょう……。
肥料の与え方
葉が全て落ちた後は新しい根がしっかりと伸びている状態なら肥料を与えても大丈夫です。
成長期にあたる春から秋ごろに、使用方法に沿って適量を与えましょう。
新しい根が生えていない状態であれば、成長するまで待ちましょう。
また、15℃以下や35℃を超える時期は、肥料が逆効果になるので注意が必要です。
特に葉が全部落ちた後は元気が足りなくなっている状態ですので多めに希釈するなどの工夫をしましょう。
- 植物活力素メネデールならいつ与えても問題ない
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肥料ではなく、植物のサプリメントである「植物活力素メネデール」であれば毎日使っても問題ありません。
メネデールは肥料とは成分が異なり、植物の成長を助ける効果があります。
根の発根を促す効果があるため、新しい根を育てたい場合は肥料ではなくメネデールを検討してみましょう。
定期的なチェックとケア
葉が全て落ちてしまった胡蝶蘭は弱っており、とても繊細です。
行った対処法が逆効果になっていないか、定期的に状態をチェックする必要があります。
根や茎に少しずつみずみずしさが戻っているか、カビなど状態が悪化していないかなどを小まめに確認してみましょう。
胡蝶蘭の株の状態によってケア方法を少しずつ調整していきましょう。
胡蝶蘭の葉が落ちないための予防策
ここまで胡蝶蘭の葉が全て落ちた場合の対応方法やケアについて解説しましたが、事前に予防しておくことで葉が落ちるのを防ぐことができます。
胡蝶蘭の葉が落ちないための予防策としては、以下の方法があります。
- 定期的な胡蝶蘭の環境確認
- 適切な育成方法を継続する
- 胡蝶蘭の不調の早期発見と対策
定期的な胡蝶蘭の環境確認
胡蝶蘭を元気に育てるためには、常に胡蝶蘭にとって適切な温度と湿度、光量を保つ必要があります。
定期的に胡蝶蘭の設置場所の環境状況に以下の問題がないかをチェックしましょう。
- 気温は18~25℃の適温か?
- 湿度は50~70%を保てているか?
- 直射日光を避け、適度な光を与えられているか?
気温や日照条件は、1日の中でも状況が変わることがあります。
時間帯によって日差しの向きや気温が変化している場合があるため、気温変化が激しい季節は状況を見て設置場所を変えましょう。
適切な育成方法を継続する
胡蝶蘭の葉を落とさないようにするには、胡蝶蘭の株を健康に保つことを心がけましょう。
生育環境の維持や水やりの頻度、花が咲いた後の花茎の対処など適切な育成方法を継続していきましょう。
胡蝶蘭に合わない環境や水やりは、胡蝶蘭が枯れる原因となるので気を付けましょう。
胡蝶蘭の不調の早期発見と対策
胡蝶蘭の葉が再び落ちないようにするためには、異常な変化の早期発見と対策を行うことが大切です。
胡蝶蘭の健康状態は葉を確認するのが一番分かりやすいため以下の点を確認してみましょう。
- 葉に光沢があるか
- 葉肉に厚くぼってりとした質感があるか
- 葉にシワや黒ずみがないか
- 葉が変色していないか
上記を確認して葉に厚みやツヤがない、変色や斑点がある場合は胡蝶蘭に異常が起こっています。
病害虫の種類によりますが、胡蝶蘭の症状は花→葉→根(茎)の順に発症するケースが多いため定期的に胡蝶蘭の状態を確認してみましょう。
まとめ
胡蝶蘭の葉が全て落ちる原因と対応方法は、以下のとおりです。
原因 |
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---|---|
対処法 |
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また、葉が落ちないように健康な胡蝶蘭を育てるためには、以下の最適な育成条件を整えるのが有効です。
- 温度18~25℃
- 湿度50~70%
- 直射日光が当たらない明るい日陰
- 最適な水やり頻度
1水のやりすぎや水不足、肥料の与えすぎは、胡蝶蘭を枯らしてしまう原因となるので注意しましょう。