花図鑑

ユリ「カサブランカ」の特徴や水揚げ方法、平均価格を紹介

2022.06.06

ユリ品種図鑑「カサブランカ」

Bloom Note編集部

Bloom Note(ブルームノート)編集部です。お花のお手入れ・アレンジメント方法から、お花屋さんの仕事に必要な知識まで、お花が好きな全ての人に役立つ情報を配信しています!

ユリの代表品種である「カサブランカ」。
ユリの女王」とも呼ばれており、その白く気高い見た目が多くの人を魅了しています。

カサブランカという名前は、スペイン語の「casa(家)」と「blanca(白い)」を組み合わせてつけられたと言われています。
他の花を圧倒するように大きく咲いた姿は、たしかに「白い家」を連想させますね。

ユリ「カサブランカ」の主な特徴

  • 雪のように白く大きな花びら
  • 横に向かって花が咲く
  • 甘さとスパイシーさのある強い芳香
  • ゆっくりと開花し花もちが良い

ユリ「カサブランカ」の特徴

カサブランカの特徴早見

カサブランカは、日本原産の「オリエンタルユリ(オリエンタルリリー)」と呼ばれる品種群の1つです。
「オリエンタル・ハイブリッド系」とも呼ばれているこの品種群は、花の大きさと香りの強さが特徴。

オリエンタル系の中でも一番人気であるカサブランカは、華やかで香りが強い高級品種です。

品種群 オリエンタルユリ(オリエンタルリリー)
サイズ 巨大輪
香り 強香(甘く濃厚かつスパイシーな香り)
出回り時期 通年
開花速度 ゆっくり
主な生産地 新潟県、千葉県
原産国 オランダ
作出年 1975年(推定)

雪のように白く大きな花びら

カサブランカの花びらは雪のように白く、とても可憐な印象を受けます。
一方で花のサイズは大きく存在感があり、開花時の花径は20㎝ほどにもなります。

上品な白さとボリューム感を兼ね備えているカサブランカは、冠婚葬祭などでも選ばれやすいお花。
高級感があるため、日常で飾るお花というよりは、特別な日のプレゼントに向いているお花です。

横に向かって花が咲く

カサブランカは、花が横に向かって咲くのが大きな特徴です。

シベリア」などカサブランカとよく似たユリの品種もありますが、シベリアの場合は花が上に向かって咲くため、比較的見分けはしやすいですね。

甘さとスパイシーさのある強い芳香

カサブランカは、香りが非常に強いお花としても知られています。
香りは一言では表し難いのですが、バニラのような甘さ、バラのような濃厚さとスパイシーな香りが合わさっています。

香水にも使われることがある香りですが、好みが分かれやすい点には要注意。
特にお花の強い香りが苦手な方には不向きです。

アレンジメントに取り入れる際は、カサブランカ以外は香りのないお花にするなど、全体の調和をとるとよいでしょう。

ゆっくりと開花し花もちが良い

カサブランカは日持ちもよく重宝されやすいお花です。
ただし蕾から開花まで時間がかかる場合もあり、狙ったタイミングで花を咲かせるのが難しいという側面も。

店舗で保管する際は蕾の状態をキープし、お客様に長く楽しんでもらえるような工夫が必要です。

ユリ「カサブランカ」の水揚げ・お手入れ方法

カサブランカのお手入れ方法

カサブランカは基本的に蕾の状態で入荷され、その後ゆっくりと花を咲かせます。
ただしお手入れ方法を誤ると花が開かず終わってしまうリスクもあるため、店舗での保管時には注意が必要です。

保管時には蕾のままで、店頭に置いてからやお客様の手元に渡った後は綺麗に花を咲かせられるよう、以下のような管理・水揚げを実践しましょう。

  1. 水につけずに低温管理後、2段階で温度を上げる
  2. 不要な葉を取り除く
  3. 茎をまっすぐ空切り
  4. 花が開いている場合は花粉を取る
  5. 茎を水につけておく

水につけずに低温管理後、2段階で温度を上げる

カサブランカは水上がりのよいお花ですので、保管時に水につけておくとすぐに花を咲かせてしまいます。
店頭に置くまで蕾のまま管理したい場合は、水につけずに5℃~10度未満の低温で管理しましょう。
この時、葉も残したままにしておくことがポイントです。

通常の温度に戻す際は、一気に温度を上げるのではなく2段階で温度を上げるようにしましょう。

不要な葉を取り除く

店頭に置く前には、余分な葉を取り除いて花に栄養が行き届きやすいようにします。
特に水に浸かる部分の葉は処理しておきましょう。

茎をまっすぐ空切り

葉を取り除いたら、茎の下から2~3センチ程度の位置で空切りします。
カットした断面積が大きければ大きいほど水をよく吸いますが、カサブランカは元々水あげの良いお花ですので、それほど断面積を大きくする必要はありません。
清潔なハサミでまっすぐカットしましょう。

花が開いている場合は花粉を取る

カサブランカの花が開いている場合は、必ず花粉を取りましょう。
花粉を残したままにしておくと、せっかくの白い花が黄色く汚れてしまいます。

また、受粉することで花持ちも悪くなりますので、お客様に長く楽しんでいただくためにも必要なひと手間です。

茎を水につけておく

水を入れたバケツにカサブランカを移します。
深水にする必要はありませんが、水をよく吸うお花ですので、少なすぎるといつの間にか水がなくなっているということも。
多すぎず少なすぎない程度の水につけておきましょう。

ユリ「カサブランカ」の値段は?仕入れ・販売時の平均価格

カサブランカは高級なお花ですので、他のお花に比べて値段は高く設定されています。
時期や需要と供給のバランスによって変動しますが、ここでは仕入れ時・販売時の平均価格をご紹介します。

  • 仕入れ時の平均価格:1,000円程度
  • 販売時の平均価格:2,000円程度

ユリ「カサブランカ」の花言葉

カサブランカには、「純粋」「無垢」「高貴」「壮大な美しさ」「威厳」「祝福」「雄大な愛」「甘美」など数多くの花言葉があります。
どれもカサブランカの華やかな見た目に劣らない、素敵な花言葉ですね。

花嫁にぴったりの花言葉が並んでおり、ウェディングシーンにもぴったりのお花です。

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