この記事はこんな方におすすめ
- 胡蝶蘭が根腐れしているか分からない
- 根腐れしていた場合の対処法を知りたい
- 根腐れさせないためにはどうしたらいい?
胡蝶蘭の根腐れとは、根っこが痛んで腐ってしまう状態のことを指します。
根腐れが起こると根が水分や養分を吸えなくなってしまうため、胡蝶蘭は弱ってしまいます。
最悪枯れてしまう可能性があるため、なるべく早期発見して対処を行いたいですね。
この記事では、胡蝶蘭が根腐れした際の症状や原因、対処法と根腐れを予防する方法を紹介します。
根腐れで根がなくなった胡蝶蘭を復活させる方法も掲載していますので、参考にしてみてくださいね。
胡蝶蘭が根腐れした際の症状の見分け方
胡蝶蘭は根腐れすると水分や養分を吸えなくなるため、葉や花に症状が出ている可能性があります。
根腐れは徐々に進行するため、以下のような症状が出た場合は早めに根腐れしていないか確認してみましょう。
花 | 花が咲かない、早く枯れる |
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葉 | 葉に元気がなくなる
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茎 | しわが出たり黒く変色する |
根 | 根に変色などに異常が出る
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花が咲かない、早く枯れる
胡蝶蘭の花がいつまで経っても咲かない、またはすぐに枯れてしまう場合は根腐れが原因かもしれません。
根腐れを起こすと水分をしっかり吸収できなくなり、花を咲かせられない、花を維持できない等の不調が起こる可能性があります。
もしも花が枯れた時は、葉っぱや根っこなど他の部分に根腐れの症状が出ていないか確認してみましょう。
葉に元気がなくなる
胡蝶蘭が根腐れすると初期症状として葉に以下のような症状が現れます。
- 葉がしわしわになる
- 葉に厚みとツヤがない
- てっぺんの葉がしわしわ
葉に水分が届きにくくなるため、葉がしわしわになったり、厚みやツヤがなくなっていきます。
一番元気なはずのてっぺんの葉がしわしわになっている場合は、寿命ではなく根腐れが原因の可能性があります。
植え込み材やバーグが常に潤っているのに葉が乾いていく場合は根腐れを疑いましょう。
胡蝶蘭の葉に元気がない時は根腐れ以外にも様々な原因が考えられます。
「胡蝶蘭の元気がない!原因別対処法と復活させるコツ【プロ監修】」で胡蝶蘭に元気がない時の症状や原因を解説していますので、根腐れかどうか見分ける際の参考にしてください。
茎にしわが出たり黒く変色する
根腐れが起こると、胡蝶蘭の茎も水が不足してしわが出る可能性があります。
また、根がカビに感染していた場合はカビが広がって茎が黒く変色している場合があります。
茎にも症状が出てしまっている時は根腐れが進行している可能性が高いため、すぐに対処しましょう。
根に変色などの異常が出る
根腐れを確認するのであれば、根を観察してみるのが一番確実です。
胡蝶蘭の根を観察して、以下の異常が見られないか確認してみましょう。
- 根が水っぽくぶよぶよ
- 根がカサカサ、スカスカ
- 根が白い、または黒っぽい
- 根にカビが生えている
元々根が白っぽい胡蝶蘭もあるため、根の厚みなども踏まえながら健康状態を判断していきましょう。
- 根が確認できない時は思い切って胡蝶蘭を鉢から出す
- 根が鉢の中にあったり、水苔で確認できない場合はそっと胡蝶蘭を取り出して確認してみるようにしましょう。
根腐れが進行すると株自体が枯死して復活できてくなってしまう可能性があります。なるべく胡蝶蘭に負担を与えないように根が傷つかないように慎重に行いましょう。
胡蝶蘭が根腐れしてしまう原因
根腐れは、胡蝶蘭の根が乾かずに常に水分に晒されていることで起こりやすくなります。
カビが繁殖して傷んでしまうパターンも多く、主な原因は以下の4通りとなります。
- 水のやりすぎ
- 肥料のやりすぎ
- 風通し・通気性が悪い
- 植え込み材の痛み
水のやりすぎ
根腐れの原因で一番多いのは水のやりすぎです。
胡蝶蘭は季節によって必要としているお水の量が変わり、株によっても水やりの頻度や量が異なるため適宜調整を行う必要があります。
水やりの目安としては、植え込み材が完全に乾いて水を含んでいない状態になったあたりが最適です。
植え込み材が湿り続けた状態で水を与えていくと常に過湿状態となり、根腐れが起こります。
肥料のやりすぎ
胡蝶蘭は、肥料を与えすぎてしまうと根に負担がかかって弱ってしまい、傷んだりカビに感染する原因に繋がります。
胡蝶蘭は成長期以外は肥料を必要としないお花です。
肥料を与えるのは、株が元気に成長している暖かい時期のみにしましょう。
風通し・通気性が悪い
胡蝶蘭は鉢の中や植え込み材に湿気が残っていると蒸れて根腐れしやすくなります。
風通しの悪い場所に置いていないか、鉢内の水分が乾きにくい環境になっていないかを確認してみましょう。
受け皿に残った水分なども蒸れの原因になるため、溜めておかずに捨てることを意識しましょう。
水やり直後は植え込み材が水を含んでいるものの、時間経過でしっかりと乾いていく状態が理想です。
植え込み材の痛み
使っている植え込み材が痛んでいるとカビが繁殖しやすくなり、胡蝶蘭に感染してしまう可能性があります。
植え込み材にも寿命があり、使い続けるほど水はけが悪くなっていきます。
古くなった植え込み材を使い続けることは過湿に繋がるほか、衛生的にも胡蝶蘭に良くないため適度に交換しましょう。
胡蝶蘭の根腐れを復活させる方法
胡蝶蘭が根腐れを起こしてしまった場合は、基本的に植え替えを行う流れになります。
根にカビが繁殖しているかで工程が異なるため、胡蝶蘭の状態に合わせて処置を行いましょう。
胡蝶蘭が根腐れした時の対処法は、主に以下の4通りです。
- 枯れた根を切る
- 根と葉っぱを消毒する
- 植え替えを行う
- 根を乾かす
- メネデール液で発根を促す
枯れた根を切る
根が枯れている、またはカビが生えている場合は最初に根を切って整理します。
元気がある根だけを残し、腐った根や枯れた根は全て切り取ります。
元気な胡蝶蘭は緑がかった色でふっくらと肉厚で厚みがあります。
以下のような胡蝶蘭の根は基本的に切り取りましょう。
- 根がしわしわ、かさかさ
- 根が水っぽくてぶよぶよ
- 根が黒い、または白い
根を切る際は、刃先を火で炙って消毒したハサミやカッターを使用しましょう。
また、健康的な根を傷つけてしまわないように注意が必要です。
根と葉っぱを消毒する
黒カビや白カビが根に付着していた場合は、根を切った直後に消毒液を患部に塗布して殺菌を行いましょう。
使用する薬剤によって用法・用量が異なるため、事前に塗り方を確認しておくのがおすすめです。
代表的なカビの細菌には、以下の薬剤が有効です。
リゾクトニア菌 |
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フザリウム菌 |
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カビ菌の種類を特定するのは難しい場合は、「トップジンMペースト」などの殺菌剤を患部に塗布しておくといいでしょう。
トップジンMペーストは葉や根を剪定した際の消毒や病気予防に使える薬剤ですので、汎用性が高く、カビ予防にも効果が期待できます。
【参考】製品情報:トップジンMペースト | 日本曹達農業化学品製品ページ
植え替えを行う
根の整理を行ったら、新しい植え込み材と鉢を用意して植え替えを行います。
植え替えは、古い植え込み材や鉢を使わなければ普段通りの手順と方法で問題ありません。
植え込み材によって異なりますが、一般的には以下の手順となります。
水苔 |
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バーグ |
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植え替え後は、胡蝶蘭に負担がかかっているため水やりは控えて株を休ませるようにしましょう。
根を切ったり植え替えて環境が変わることは胡蝶蘭にとってエネルギーを使うことですので、大体2週間程度様子を見てから水やりを行います。
もし冬場に植え替えが必要になったときは、作業場所や、作業後に胡蝶蘭を休ませる場所の気温に気を付けましょう。
寒い時期に植え替えを行う際の注意点を「胡蝶蘭の植え替え時期はいつ?見分け方と判断ポイントを徹底解説」で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
根を乾かす
根腐れが軽度な場合や、植え替え前に根の様子を見たい場合は先に根を乾かすという対処法があります。
根の乾かし方は、直射日光が当たらない日陰などに吊るして乾かします。
季節によりますが3日~1週間程度様子を見ましょう。
根を吊るして乾かす場合は乾燥対策として葉水を行ったり、湿度を保つように心がけましょう。
先に根を乾かす方がいい理由
根を先に乾かす理由としては、主に以下の2点があげられます。
- 軽度の根腐れは乾かすと改善する場合がある
- 根を乾かすと生きた根が分かりやすくなる
根を切ることは胡蝶蘭にとっても負担であり、一度切ってしまうと根は取り戻せません。
根が腐ったりカビが繁殖していない場合は急いで根を切らなくてもいいケースもあるため、1度乾かしてみて様子を見てみるのも1つの手です。
メネデール液で発根を促す
胡蝶蘭を根腐れから回復させるためには、健康な新しい根を増やす必要があります。
植物活力素メネデールを利用すると胡蝶蘭の生長を助けてくれます。
メネデールの使い方は以下の通りです。
- メネデールを100倍以上に希釈する
- 残った根をメネデール液に一晩浸ける
- 週1回の頻度で1~2ヶ月程度メネデール液を与える
根腐れで根がぶよぶよになってしまっている場合は一度根を乾かし、根が水を吸えるようになってからメネデール液につけましょう。
- 植物活力素メネデールとは?
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植物活力素メネデールは植物の活力剤です。
肥料とは栄養成分が異なるため、毎日使っても問題なく「いつでも使える植物のサプリメント」と言われています。効果としては水分や養分の吸収を高めたり、光合成を活発にして植物の成長を助ける効果があります。
切り口を保護して新しい根が張るのを促すこともできるため、芽と根が出るという由来で「メネデール」と名づけられています。
根がない胡蝶蘭を復活させる方法はある?
根腐れで根がなくなってしまった場合でも、胡蝶蘭の株や葉に元気があれば復活させられる可能性があります。
ただし、根がないと養分や水分の吸収がしにくくなるため、復活まで時間がかかったり、次の生育期を迎えるまでに枯れてしまうこともあります。
根がない胡蝶蘭を復活させたい方は、長期のお世話と失敗も見据えてチャレンジしましょう。
根のない胡蝶蘭の復活するためには以下のような対処法があります。
- 霧吹きで根元を湿らせる
- 葉っぱの裏に葉水を行う
- 根元、葉にメネデール液を与える
上記の方法を試して新しい根や花芽が出てくるのであれば、そのまま育てていけば胡蝶蘭が復活できる可能性が高いと言えます!
霧吹きで根元を湿らせる
根がなくなってしまった胡蝶蘭は水分を十分に吸えませんので、水やりではなく根元を湿らせる程度に留めます。
過度な水やりを行ったり、根が水に浸かると過湿になり根元が腐ってしまうため注意しましょう。
胡蝶蘭の置き方については、逆さにして吊っても根元を水苔で包んでもどちらでも構いません。
根元を湿らせたあとはしっかり乾かすことを意識しましょう。
葉っぱの裏に葉水を行う
葉が残っている胡蝶蘭であれば、葉の裏側に葉水を行うと水分が吸収しやすくします。
根から吸える水分量が低くなっている分、葉から水分と養分を吸収させることを考えましょう。
葉裏に葉水する際に希釈したメネデールを混ぜるなども有効です。
季節や環境によりますが、葉水の時間帯を呼吸が始まる夜にするといった工夫もあります。
根元にメネデール液を与える
メネデール液は根に塗布したり液に浸けるといった対処法にも使えます。
根を漬ける場合は、栄養や水分を吸収しやすい晩の時間帯に行うといいでしょう。
1回ごとにしっかりと根を乾かさないと逆に枯れてしまうため、根を漬ける頻度は2日以上間を置きましょう。
根腐れを予防する方法
胡蝶蘭は根がなくなると回復に時間がかかるため、根腐れしないように予防したり悪化を防ぐことが重要です。
根腐れを防止するためには、根の周りに水分を溜めないようにしましょう。
胡蝶蘭の根腐れを予防する具体的な方法には以下があります。
- 水やりの頻度に気を付ける
- 通気性の良い環境に置く
- 葉の状態をこまめに確認する
水やりの頻度に気を付ける
胡蝶蘭の根腐れを防ぐためには、水をやりすぎないことが前提となります。
季節や個体によって異なりますが、水やりは大体以下の頻度が良いとされています。
春 |
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夏 |
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秋 |
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冬 |
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春と秋は寒暖差によっては適切な水やり頻度が異なるため、植え込み材や根の乾き具合を見て調整を行いましょう。
通気性の良い環境に置く
胡蝶蘭を置く場所を風通しの良い場所にする、または通気性のいい鉢植えを利用するなどの工夫を行いましょう。
胡蝶蘭がしっかりと水分を吸収するためには、一度根が乾く必要があります。
水やり後に水苔や鉢の中がしっかり乾くように環境を整えていれば根腐れも防ぎやすくなります。
葉の状態をこまめに確認する
根腐れは初期症状が葉に出るため、葉の状態を小まめに観察してみましょう。
根腐れすると水の吸収が上手くいかなくなるため、葉にしわが出るなどの症状が現れたら茎の根元や根を確認してみましょう。
根腐れ以外にも胡蝶蘭の葉には色んな病気の症状が現れます。
葉の元気を保つと胡蝶蘭を長生きさせることができるため、日常的に葉の健康状態を観察することが胡蝶蘭を元気に育てる秘訣です。
まとめ
胡蝶蘭の根腐れは根や葉に初期症状が現れるため、なるべく早期発見できるように以下の症状を見逃さないようにしましょう。
花 | 花が咲かない、早く枯れる |
---|---|
葉 | 葉に元気がなくなる
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茎 | しわが出たり黒く変色する |
根 | 根に変色などに異常が出る
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もしも胡蝶蘭が根腐れを起こしていた場合の対処法は以下となります。
- 枯れた根を切る
- 根と葉っぱを消毒する
- 植え替えを行う
- 根を乾かす
- メネデール液で発根を促す
根腐れの進行具合によっては根を切ったり植え替えなくても回復する可能性があるため、根の状態や株の具合を見て判断しましょう。