お花を扱うおしゃれな趣味として人気が高い「フラワーアレンジメント」。
「西洋風の生け花」として、日本の生け花よりも始めやすい手軽さが魅力です。
しかし実際始めようとすると、何から準備するべきかわからないという方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、初心者向けのフラワーアレンジメントの作り方をご紹介します。
フラワーアレンジメントを始める第一歩としてぜひ活用してみてください。
こんな方におすすめ
- フラワーアレンジメントを始めてみたい
- フラワーアレンジメントの道具や手順について知りたい
- 初心者でもフラワーアレンジメントを綺麗に作れるコツが知りたい
初心者が知っておきたいフラワーアレンジメントの種類
フラワーアレンジメントにはさまざまな形状や種類があります。
作る形状によって特徴や難易度が大きく異なるため、まずはフラワーアレンジメントの種類を把握しておきましょう。
ご自身がイメージする完成形がどのスタイルにあてはまるのか、確認してみてください。
ドーム(ラウンド) |
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ホリゾント |
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トライアングル |
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オーバル |
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ラジエーション |
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【初心者向け】フラワーアレンジメントを作るために必要なもの
フラワーアレンジメントを作るために必要な道具・材料は以下のとおりです。
- お花
- グリーン
- 花器
- オアシス(吸水スポンジ)
- その他の道具・材料
それぞれ詳しくみていきましょう。
お花
仕上がりに直結するお花選びは、初心者の方にとって非常に悩ましいポイント。
基本的にはお好みで問題ありませんが、メインのお花(ポイントフラワー)とサブのお花(ラインフラワー)を意識しながら選ぶのがおすすめです。
見た目だけでなく、長持ちしやすさもお花選びの重要なポイントとなります。
せっかく作ったフラワーアレンジメントを長く鑑賞するためにも、朝顔などの1日草は避けた方が無難でしょう。
フラワーアレンジメントにおすすめの花
初心者におすすめの、比較的日持ちしやすいお花としては、次のような種類が挙げられます。
- バラ
- トルコキキョウ
- アルストロメリア
- カーネーション
- マム
用意するお花の本数はアレンジメントのサイズや種類によって異なりますが、目安として数種類のお花を20本ほど使用することで、直径40cmのラウンドアレンジメントが完成します。
完成形をイメージしながら、最適なお花の種類と本数を考えてみてください。
グリーン
フラワーアレンジメントの材料として、お花だけでなく「グリーン」と呼ばれる葉物も必要不可欠です。
グリーンはアレンジメントの骨格を作る役割や、お花同士の間隔を保つクッションのような役割など、縁の下の力持ち的な働きをする重要な材料です。
グリーンを配置することで、見た目全体の雰囲気も大きく変わりますよ。
選び方として、葉の美しさなど見た目の好みだけではなく、黄変しにくいものを選ぶと長期間鑑賞しやすいでしょう。
代表的なグリーンの種類
- ルスカス
- ユーカリ
- オリーブ
- ローズマリー
- セージ
- ローズゼラニウム
- アイビー
- ハツユキカズラ
用意するグリーンの本数の目安は、直径40センチのラウンドアレンジメントの場合で15本程度です。
飾るお花の雰囲気に合うグリーンを選んで、まとまった印象の仕上がりを目指しましょう。
花器
フラワーアレンジメントの仕上がりには、土台となる花器も大きく影響します。
次のようにさまざまな材質、形状の花器が存在するため、使用するお花の雰囲気に合わせて最適なものを考えてみてください。
- 陶器
- ガラス
- ワラなどで編んだカゴ
- アイアン
- 樹脂
高級感のあるエレガントな仕上がりにしたい場合は陶器やガラス、ナチュラルで可愛らしい印象のアレンジメントにしたいならカゴなど、理想とするイメージから選ぶのもおすすめです。
また、花器のサイズも重要なポイント。
初心者であればもっとも基本的で使いやすいサイズの「高さ20㎝、幅(直径)15㎝」をベースに考えるのがおすすめです。
材質はお好みで問題ありませんが、はじめのうちはお花やインテリアに合わせやすいシンプルなデザインのものが良いかもしれません。
お花だけでなく、飾る場所やインテリアとの兼ね合いも考えて最適な花器を選びましょう。
オアシス(吸水スポンジ)
フラワーアレンジメントを作る際には「オアシス」と呼ばれる吸水性のスポンジも必要です。
オアシスは別名「ブリック」や「フローラルフォーム」などと呼ばれることもあり、お花屋さんやホームセンターで手に入ります。
最近では100円ショップでも取り扱っているので、手軽に入手しやすいでしょう。
なお、オアシスには「生花用」と「ドライフラワー・プリザーブドフラワー用」があるため、購入の際には注意しましょう。
ドライフラワー・プリザーブドフラワー用のオアシスは花を挿すためだけの製品であるため、吸水性能がありません。
せっかく作ったアレンジメントを長く楽しむためにも、水をたっぷり蓄えられる生花用のオアシスを用意しておきましょう。
その他の道具・材料
用意しておくべきその他の道具・材料としては次のようなアイテムが挙げられます。
- 花切りバサミ:お花の長さを切り揃えるために使用
- フローラルテープ:花器とオアシスの固定に使用する
- ワイヤー:茎や葉を補強するために使用する
- ボウル:オアシスに吸水させるために使用する
花切りバサミは必須ですが、それ以外のアイテムは必要ないケースも多いため「あると便利」程度の認識で構いません。
フローラルテープやボウルは他のアイテムでも代用できるため、柔軟に考えるのが良いでしょう。
初心者でもできるフラワーアレンジメントの制作手順
材料や道具の準備が整ったら、さっそくフラワーアレンジメントを始めてみましょう。
初心者でも簡単にできる基本的な制作手順を紹介しますので、ぜひ真似してみてくださいね。
お花の下準備
お花の下準備として、不要な葉っぱを取り除き「水切り」を行いましょう。
水の中で茎を斜めにカットすることで、お花の吸水性能が高まり長持ちしやすい元気な状態を保てます。
オアシスの下準備
花器のサイズに合わせてオアシスをカットします。
花器の底面にオアシスを敷き詰められるように、できるだけぴったりのサイズにカットしましょう。
その後、オアシス全体が浸かる量の水を貯めたボウルを用意し、しっかり吸水させます。
オアシスが水中に沈んだら中心まで吸水しているサインです。
吸水が終わったら、オアシスに十字の印をつけておきます。
グリーンで骨組み(ホリエージ)を作る
下準備が終わったオアシスを花器にセットし、側面にグリーンを挿していきます。
この際、グリーンは花器の直径+2cm程度の長さにカットしましょう。
まずは4本のグリーンを十字に挿し、その間を埋めるようにグリーンを足していきます。
最終的に上から見た際、円形にグリーンが挿さった太陽のような形になっていれば骨組みは完成です。
メインとなるお花を挿す
メインとなるお花(ポイントフラワー)を、オアシスにつけた十字の印の中心に挿します。
2本目は十字の縦線より左に1cmずらした位置に、3本目は右に1.5cmずらした位置にそれぞれ挿しましょう。
その際、上から見た時にお花の頭が三角形になるように配置するのがポイントです。
また、高低差をつけることも重要で、1本目より2本目が低く、3本目はさらに低くなるように挿していきます。
サブとなるお花を挿す
メインとなるお花の隙間を埋めるように、サブのお花を挿していきます。
存在感が強いお花から順番に挿していくのがポイントです。
サブのお花を挿す際も、高低差を意識して立体的な仕上がりになるように配置していきましょう。
グリーンで形を整えて完成
オアシスが見えてしまう部分の隙間を埋めるようにグリーンを挿します。
花より高くならないように短めにカットするのがポイントです。すべての隙間が埋まったら完成です。
【超初心者向け】一番簡単なフラワーアレンジメントの作り方
基本のフラワーアレンジメントの作り方をご紹介しましたが、ややハードルが高いという方もいるかもしれません。
そこで、さらに簡単なフラワーアレンジメント制作手順をご紹介します。
花器を準備しなくても制作できる方法なので、まずはお試しでやってみたいという方にも非常におすすめです。
ぜひ気軽に試してみてくださいね。
下準備:牛乳パックとペットボトルを用意
底から5cmの高さでカットした牛乳パックと、ペットボトルを用意します。
花器の代用として使用するのでしっかり洗っておきましょう。
牛乳パックには、英字新聞や綺麗な包装紙を巻き付けて見栄えをよくしておきます。
お花の水切り・オアシスの吸水
お花の水切り処理や、オアシスの吸水などの基本的な準備も行いましょう。
基本的な準備が終わったら、十分に吸水したオアシスをペットボトルに押し込みます。
左右にはみ出した部分はカッターで切り落としましょう。
メインのお花を挿す
メインとなるお花を、セットしたオアシスの中心にまっすぐ挿します。
しっかり挿した後、お花の下部からオアシスまでの茎の長さが1〜2cm程度になるように高さを調整しましょう。
グリーンを挿す
オアシスを隠すように、メインのお花の周りにグリーンを挿していきます。
お花とのバランスや高低差をみながら挿していきましょう。
サブのお花を挿す
グリーンとメインのお花の間をサブのお花で埋めていきます。
オアシスが見えなくなるようにチェックしながら、飾り付けていきましょう。
飾り付けた牛乳パックに入れて完成
アレンジが完了したペットボトルを、飾り付けた牛乳パックにスポッと入れたら完成です。
フラワーアレンジメント初心者が知っておくべき3つのコツ
フラワーアレンジメントを始めるうえで、知っておきたい3つのコツをご紹介します。
どれも基本的なことですが、クオリティを高めるためには重要なポイントですのでぜひ参考にしてみてください。
まずは「メイン」となる花を決める
フラワーアレンジメントの仕上がりを決める重要な工程であるお花選びですが、完成形のイメージがしづらい初心者にとって、難しいと感じてしまうケースも珍しくないようです。
お花選びのポイントとしては、まずメインとなるポイントフラワーから決めるのがおすすめ。
アレンジメントの主役となるお花をお好みで選び、そこから全体のバランスを考えていきましょう。
さらに、お花の季節感やサイズ、質感などに統一感をもたせるとまとまった印象に仕上がります。
まずは、メインとなるお好みのお花を軸として、サブのお花や動きを出すためのお花など役割ごとに選んでいくのが失敗しにくい方法です。
色調のまとまりを意識する
フラワーアレンジメントを作る際、完成形の色調を意識することも重要なポイントです。
フラワーアレンジメントにおける色合わせには、次のような種類が存在します。
- メインのお花と同じ、または近い色でまとめる「同系色アレンジ」
- オレンジと青、イエローと紫など補色となる色を組み合わせた「反対色アレンジ」
- とくにルールはなく、センスによって色を決めていく「混合色アレンジ」
初心者のうちは、もっとも簡単で失敗が少ない「同系色」でまとめるのがおすすめです。
ただし単調な印象になりやすいため、色の濃さを調整するように意識しましょう。
完成したら隙間をチェックしよう
フラワーアレンジメントが完成したあとのチェックポイントとして、隙間の空き具合を確認しましょう。
隙間が大きく空いてしまっているフラワーアレンジメントは寂しい印象を与えやすいです。
また、隙間からオアシスが見えてしまうと非常に見栄えが悪くなってしまいます。
1方向からだけでなくさまざまな角度から隙間がないか確認し、お花やグリーンの位置を変えたり、追加して隙間を埋めたりといった修正を施しましょう。
まとめ
初心者でも手軽に始めやすいのが魅力的なフラワーアレンジメント。
ただし、満足のいく仕上がりにしたいなら最低限のポイントは押さえておかなければなりません。
メインとなるお花から仕上がりをイメージしたお花選びや、同じ系統の色や質感、季節感のお花でまとめるなどのポイントを意識して、長期間鑑賞したくなるアレンジメント制作を目指しましょう。
また、本格的なものはハードルが高いと感じている人には、牛乳パックやペットボトルで出来る簡単アレンジメントもおすすめです。
まずは、お家にあるもので手軽に初めてみてくださいね。