花屋では花束やフラワーアレンジメントの梱包など、ラッピング資材が必要になるケースが多くあります。
これから花屋を始めようと検討している人の中には「どのようなラッピング資材が必要かいまいち分からない」という人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、花屋で必要になるラッピング資材の種類や特徴について詳しく解説します。
ラッピング資材を購入する前の参考としてお役立てください。
こんな方におすすめ
- 花屋で使うラッピング資材の種類を知りたい
- ラッピング資材ごとの特徴が知りたい
花屋で使用する代表的なラッピング資材一覧
花屋で使用するおもなラッピング資材には、以下の種類が存在します。
ラッピング資材の種類ごとの役割について表にまとめました。
ラッピングペーパー |
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セロファン類 |
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リボン |
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バッグ・デリバリーボックス |
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ピック・アクセサリー |
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花屋で使いたいラッピング資材①:ラッピングペーパー
ラッピングするお花全体の印象を決める重要な役割を持っているのが「ラッピングペーパー」です。
一般的に、ラッピングペーパーは花束やフラワーアレンジメントを包む一層目として使用されます。
なお、一言でラッピングペーパーといっても用途やデザインによってさまざまな種類が存在します。
お花のラッピングに使用されることが多い代表的な種類をピックアップしたので、参考にしてみてください。
ワックスペーパー
ワックスペーパーとは、文字通りワックスを染み込ませた紙で、耐水・耐油性能の高さが特徴です。
水が出ることも多いお花を綺麗にラッピングするためには、ペーパーの耐水性能は重要なポイントとなります。
その点、料理に使われることも多いワックスペーパーであれば、耐水性は十分です。
オーソドックスなクラフト無地のものから、チェックやイラストが入ったものまでデザインも幅広いため、お花のカラーや花束の雰囲気に合わせて選ぶのがおすすめです。
クレープ紙
「クレープ紙」とは、特殊な加工を施しあえてシワをつけることにより、高い伸縮性を実現したラッピングペーパーです。
伸縮性の高さから、通常のペーパーでは包みにくい花束など不定形のものでも、ラッピングしやすい資材といえます。
さらに、食器などの割れ物の梱包に使われるほど、保護性能が高いのも特徴です。
和紙のような味のある風合いや独特の手触りから、花束に和風のイメージを持たせるのに活用しても良いかもしれませんね。
なお、一般的なクレープ紙には耐水性が無いため、お花のラッピングに使用する場合は耐水加工が施されている製品を選ぶようにしましょう。
撥水ペーパー
「撥水ペーパー」は、耐久性と撥水性の高さが特徴的な包装紙です。
したがって水分が出ることも多いお花のラッピングには、重宝されている製品となります。
デザインやカラーバリエーションが豊富なため、お花の種類やカラーに合わせて花束全体のイメージをまとめやすいのも嬉しいポイントです。
お客様のご要望に合わせて最適な花束にアレンジできるよう、様々な色やデザインの撥水ペーパーを揃えておくとよいでしょう。
薄葉紙
非常に薄く柔らかい紙で、不定形の花束でも包みやすいラッピングペーパーが「薄葉紙」です。
一般的には緩衝材として花束を保護したり、高級感を演出したりするのに活用されます。
ただし、厚みが約0.03mm程度と非常に薄いため、単体でのラッピングには不向きです。
撥水ペーパーやセロファン類など他のラッピングペーパーと組み合わせ、花束の高級感を演出するアクセントとして活用しましょう。
英字新聞
手軽におしゃれな雰囲気を演出できるとして、英字新聞風のラッピングペーパーも人気です。
花束全体の印象がカジュアルなテイストになるため、友達や家族へのちょっとしたプレゼントに最適なラッピングペーパーといえます。
ただし、水気に弱いため直接花束を巻くと、崩れてしまう可能性もあります。
対策としては、耐水性の高いラッピングペーパーと組み合わせて2層目に巻くか、撥水加工が施されているものを活用するとよいでしょう。
不織布
「不織布」とは文字通り、織らない布状の繊維シートを指します。
非常に薄く柔らかいだけでなく、耐久性も高いため、お花のラッピングに活用されることも多い資材です。
また、紙ではないため耐水性が高いのも使いやすいポイントといえます。
一般的にはロール状で販売されており、カラーバリエーションも多いため、幅広い用途で活用可能です。
非常に汎用性が高いラッピングペーパーなので、お客様のニーズに合わせて何種類か揃えておくとよいでしょう。
麻布
麻を原材料とし、丈夫さに特化したラッピング資材が「麻布」です。
麻布は厳密にいうとラッピングペーパーではありませんが、同じような用途で使用されます。
丈夫さだけでなく、ナチュラルな印象を花束に与えられるのが特徴です。
落ち着いたカラーやデザインのラッピングペーパーと合わせて、男性用の花束に活用してみると喜んでもらえるかもしれませんね。
花屋で使いたいラッピング資材②:セロファン類
お花のラッピングには、セロファン類の資材も欠かせません。
一般的にはロール状のものを使用されますが、保水に使う小袋や茎部分に被せるタイプなど幅広い用途で活用されています。
なお、花屋で使用するおもなセロファン類は以下の2種類です。
- OPPフィルム
- PEフィルム
素材の特徴について詳しく確認していきましょう。
OPPフィルム
お花のラッピングに使用されるセロファンの中でも、主流の製品が「OPPフィルム」です。
OPPとは「二軸延伸ポリプロピレン」という素材を意味し、厚手のフィルムを伸ばすことで作成されます。
強度や防湿性、透過性に優れ、光沢も強いのが特徴で、酸素もよく通すためお花のラッピングには最適な資材です。
また、手触りにこだわった質感の良い製品やカラーフィルムなどレパートリーが豊富なのも、使い勝手のよいポイントといえます。
PEフィルム
お花のラッピングには「PEフィルム」が使用されることもあります。
PEとは「ポリエチレン」を意味し、比較的安価なのが特徴です。
したがって、主流のOPPフィルムと比較すると、光沢の強さや機能面では多少劣りますが、コスト削減には最適な資材といえます。
花屋で使いたいラッピング資材③:リボン
花束の見た目のアクセントとなる「リボン」も重要なラッピング資材です。
リボンにもいくつか種類が存在し、どの花束にどのリボンを結ぶかによって印象は大きく変わります。
代表的なリボンの種類を紹介するので、完成形のデザインをイメージしつつ、必要な製品を検討してみてください。
ラフィア
「ラフィア」はわらのような見た目が特徴的なリボンです。
ヤシの葉から採れる天然繊維をラフィアといい、高級バックや帽子に使用されることもあります。
ラフィアは4〜5本で1束にして、リボン結びをするのが一般的な使い方です。
また、ブラウンやダークブラウンなど自然な色合いも特徴となります。
お花を際立たせ、華やかさを添えるには最適なリボンと言えるでしょう。
革紐
花束に高級感をもたせたいのなら「革紐」を活用するのがおすすめです。
革紐は硬めの質感なため、かっちりした印象があるかもしれませんが、柔らかい印象の花束と合わせることで非常にお洒落なアクセントになります。
また、シャープでかっこいい印象も与えられるため、男性へ贈る花束のラッピングにも最適です。
カラーバリエーションは多数存在しますが、男性への花束であればブラックやダークブラウンでシックにまとめると、喜んでもらえるのではないでしょうか。
布地のリボン
お花のラッピングには、一般的な「布地のリボン」を結んでも可愛く仕上がります。
布地のリボンにはデザインや質感、カラーなどさまざまな商品レパートリーが存在しますが、マットな質感のものがおすすめ。
お花にもよりますが、光沢のある派手なリボンを使用すると浮いてしまう可能性もあるため注意が必要です。
また、リボンの太さも製品によってさまざまなので、花束のサイズによって調整が必要となります。
小さめの花束に太いリボンを巻いてしまうと、お花が目立たなくなってしまうため、あくまでアクセントであることを意識して製品を選びましょう。
花屋で使いたいラッピング資材④:バッグ・デリバリーボックス
お花のラッピング資材には、商品持ち帰り用のブーケバックやデリバリーボックスも含まれます。
とくにプレゼント用花束の場合、相手が持ち帰りやすいような気遣いが必要です。
花束やフラワーアレンジメントのサイズに合わせて、持ち運びやすいブーケバックや袋を何種類か用意しておきましょう。
また、遠距離に持ち運ぶ場合などプレゼントするシチュエーションによっては、しっかりしたデリバリーボックスの方が適しているケースもあります。
サイズだけでなく、お客様の用途や状況に合わせて幅広く用意しておくと喜ばれるでしょう。
花屋で使いたいラッピング資材⑤:ピック・アクセサリー
お花のラッピングには、モチーフ付きのワイヤータイや可愛らしいピックなどのアクセサリーも必要です。
お祝いの内容や贈る相手に合わせて幅広いデザインを揃えておきましょう。
動物やキャラクターをモチーフとした可愛らしいものや、ジュエリー風のものなど幅広いデザインを用意しておくと、アレンジを華やかにしれくれますよ。
その他花屋でのラッピングに必要な材料
お花のラッピングには、ペーパーやセロファン類などの資材以外に用意しておくべきものがいくつかあります。
代表的なアイテムを紹介するので、忘れずに揃えておきましょう。
アルミホイルやキッチンペーパー
花束をラッピングする前には、必ず「保水」をしなければいけません。
具体的な方法としては、水を含んだキッチンペーパーを茎の断面に巻き、上からアルミホイルを巻きつけることで、お花の水分不足をケアします。
アルミホイルやキッチンペーパーの代用として、水を入れたビニールの小袋を茎の断面に被せ、テープで止める方法もあります。
なお花屋によって、保水の方法は変わるため一概には言えませんが、入手しやすいアルミホイルとキッチンペーパーを活用するのがもっとも簡単な方法となります。
お客様の手に渡ってから花瓶に生けるまで、時間がかかるケースもあるため、たっぷりのお水をキッチンペーパーに含ませましょう。
ホッチキスやセロテープ
お花をラッピングする際には、ホッチキスやセロテープなどの資材を固定するための材料も必要となります。
多くの花屋では、ラッピングペーパーで花束を包み、形を整えた状態でホッチキスやテープで固定するのが一般的です。
セロファン類を巻く際も同様に、もっとも美しい形をキープするために使用します。
使用頻度も多く、消耗しやすい材料なので、忘れずにストックしておきましょう。
まとめ
お花のラッピング資材には、数多くの種類が存在します。
ペーパーだけでも、性質やデザインが異なるさまざまな製品が販売されているため、どのような製品を揃えるか、じっくり検討することが大切です。
またコストや使用頻度など実用的な観点で選ぶのも大切ですが、お店のコンセプトや花束のイメージに合った資材を揃えることも重要です。
お客様のニーズに応えるためにも、様々なラッピング資材を揃えておくと、イメージに合ったアレンジが作りやすくなりますよ。