猫がいる環境に胡蝶蘭を置くとなると、万が一猫が胡蝶蘭をかじっても大丈夫か気になりますよね。
胡蝶蘭には毒性がないため、猫が食べても中毒を起こすことはありません。
ただし、場合によっては体調を崩す可能性があるためなるべく遠ざけておく方が安全です。
この記事では胡蝶蘭の毒性の有無についてや猫が体調を崩すケースを紹介します。
体調を崩してしまった場合の対処法や、胡蝶蘭の置き場所についても解説していきます。
この記事を読むと分かること
- 胡蝶蘭には毒性がなく、中毒の心配はない
- 体質などによっては体調を崩す恐れがある
- 猫が胡蝶蘭を食べてしまった際の対処法
- 猫がいる環境での胡蝶蘭の置き場所
胡蝶蘭は毒性がないため猫にも安全
胡蝶蘭の花や葉には毒性がありません。
アメリカのASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)が発表する「Toxic and Non-Toxic Plant List - Cats(有毒植物と無毒植物のリスト - 猫)」でも、胡蝶蘭は猫にとって無毒なお花として掲載されています。
万が一猫がかじったり、食べてしまっても中毒を起こすことはありません。
また、毒性がないのはラン科の植物も同じですので、胡蝶蘭の仲間のデンドロビウムやカトレアなどの洋ランも猫への危険はありません。
スズランは「スズラン亜科」のお花で胡蝶蘭と分類が異なり、猫が中毒を起こすお花なので要注意です。
胡蝶蘭を食べた猫が体調を崩すケース
胡蝶蘭に毒性がなくても、食べてしまった猫が体調が崩さないとは言い切れません。
猫が胡蝶蘭を食べて体調を崩した場合、以下の2通りが考えられます。
- 食べ慣れない植物による下痢や嘔吐
- 胡蝶蘭に塗布した薬剤による中毒
それぞれの項目について詳しく見てみましょう。
食べ慣れない植物による下痢や嘔吐
胡蝶蘭を食べたことで猫が下痢や嘔吐を起こす可能性があります。
胡蝶蘭は食用草ではないため、胃が弱っている、元々植物を消化できない猫は下痢や嘔吐をしてしまうことがあります。
過去に植物を食べて嘔吐したことがある猫であれば、胡蝶蘭と離しておく方が安全です。
食いしん坊で植物をかじってしまう猫には、代わりになる猫草などを与える対策を取りましょう。
植物を食べられるかは猫の体質や種類次第ですので、飼っている猫に合わせて対策を考えましょう。
胡蝶蘭に塗布した薬剤による中毒
胡蝶蘭自体に毒性がなくても、塗布した薬剤によっては中毒を起こしてしまう可能性があります。
殺菌剤や殺虫剤には猫にとって有害な成分が含まれていることが多く、薬剤がついた植物を食べてしまうと危険です。
薬剤を使う場合は、猫が触れない場所に胡蝶蘭を置くようにしましょう。
また、染色胡蝶蘭や化粧蘭のようにお花にインクを使っている場合も念のため猫から遠ざけておきましょう。
猫が胡蝶蘭を食べてしまった場合の対処法
もしも猫が胡蝶蘭を食べてしまったら、以下のように対処を行いましょう。
- 様子を見る
- 獣医に相談する
- 胡蝶蘭を猫から遠ざける
薬剤を塗布していない胡蝶蘭を食べた場合は一旦様子を見ます。
猫が体調を崩さないなら対処しなくて大丈夫なことが多いですが、心配な方は念のため獣医さんに相談してみましょう。
もしも猫の下痢・嘔吐が収まらない場合は早めに病院に連れて行ってくださいね。
胡蝶蘭に薬剤を塗布していたのであれば、薬剤を持って速やかに動物病院に向かいます。
薬剤の種類と摂取量を獣医さんに伝える必要があるため、薬剤を持参して可能なら1時間以内に診察してもらいましょう。
猫が薬剤を食べても1時間くらいは胃に残っているため吐き戻しが有効です。
2~4時間を過ぎると吐き戻しが難しくなるため、夜間診療をやっている動物病院が近くにないかなども念のため確認しておきましょう。
猫がいる環境での胡蝶蘭の置き場所
お家に胡蝶蘭を置きたいけど「猫がいて心配……」という方は猫と胡蝶蘭を遠ざけるようにしましょう。
具体的な対処法としては、猫が行けない部屋、猫の手が届かない場所に胡蝶蘭を置くようにします。
猫の手が届かない置き場所の例は以下のとおりです。
- 簡易温室やネットで胡蝶蘭の鉢を囲む
- 吊るしたり、棚にかける
クリアケースや鳥かごなど胡蝶蘭を囲いの中に入れることで猫に悪戯されることを防げます。
また、透明なケースや鳥かごに胡蝶蘭を入れるとお洒落なインテリアにもなりますよ。
または、天井から胡蝶蘭を吊るす方法です。
設置に少々手間がかかりますが、置き場所を取らず、空いた空間を活かせるメリットがあります。
猫は酸っぱい臭いを嫌うため、木酢液を使うと猫が近寄らないかもしれません。
木酢液は菌の繁殖を抑えるため胡蝶蘭の害虫対策に使用でき、猫にも無害なので安心です。
胡蝶蘭の吊るし方や、設置場所の選び方については以下の記事で詳しく解説しています。
猫を飼っている人に胡蝶蘭を贈る際の注意点
自分ではなく、胡蝶蘭の贈り先に猫がいるため大丈夫なのか迷っている方もいらっしゃいますよね。
猫を飼っている方に胡蝶蘭をプレゼントする時は、以下のポイントに注意しましょう。
- 猫のアレルギーや体調について
- 過去に植物で体調不良を起こしたことがあるか
- 猫の性格(好奇心旺盛かどうか)
それぞれの注意点について、確認してみましょう。
猫のアレルギーや体調について
猫の中には、植物の花粉や成分に対してアレルギーを持っている子がいます。
また、猫の体調が万全ではない場合は、植物を置くことで体調が悪化してしまうことがあります。
猫は環境の変化を感じやすく、新しい植物を置くとストレスを与えてしまう可能性があります。
贈る前に、相手のお家の猫にアレルギーがないか、体調がどうか確認しておくと安心です。
過去に植物で体調不良を起こしたことがあるか
贈る前に相手のお家の猫が植物を食べて体調を崩した経験がないか確認しておきましょう。
猫の体質によっては、植物をかじって消化不良や嘔吐、下痢などの症状を引き起こす可能性があります。
過去に植物を食べて体調を崩した経験がある、またはどのような植物に注意するべきかを事前に聞いておきましょう。
猫の性格(好奇心旺盛かどうか)
猫は好奇心旺盛な動物で、新しいものに興味を持つことが多いです。
特に子猫は何でも口に入れてしまう傾向があります。
胡蝶蘭は色鮮やかな花や光沢のある葉が猫の好奇心を刺激しやすい植物です。
猫が好奇心旺盛で植物に悪戯してしまう子なのか、穏やかな性格で胡蝶蘭を気にしない子なのか性格を確認しておきましょう。
悪戯好きな猫がいる場合は、猫が触らないためのケースや猫が興味を持つようなおもちゃを一緒に用意するといいでしょう。
まとめ
胡蝶蘭自体は無毒なので猫が食べても中毒の危険性はありません。
ただし、植物を消化できない体質の猫や、薬剤が塗布されていた場合は体調を崩す可能性があります。
もしも猫が胡蝶蘭を食べてしまった時は、以下の対処法を行いましょう。
- 様子を見る
- 獣医に相談する
- 胡蝶蘭を猫から遠ざける
胡蝶蘭に薬剤が塗布されていた場合は念のためすぐに動物病院に連れて行きましょう。
薬剤などが塗られておらず、下痢や嘔吐などの体調不良を起こす様子がなければ特に対処が必要ないケースがほとんどです。
猫がいる環境に胡蝶蘭を置く際は、以下のように猫と胡蝶蘭を遠ざける対策をして楽しみましょう。
- 猫が行かない部屋に置く
- 簡易温室やネットで胡蝶蘭の鉢を囲む
- 吊るしたり、棚にかける
よくある質問
胡蝶蘭は猫に毒ですか?
胡蝶蘭には毒がないため、猫が食べて中毒の恐れはありません。
しかし、胡蝶蘭に薬剤を塗布している場合は中毒になる可能性があるため注意が必要です。
猫に胡蝶蘭をあげても大丈夫?
基本的に猫には胡蝶蘭をあげないようにしましょう。
猫は肉食性のため、食べると下痢や嘔吐をする可能性があります。
猫が胡蝶蘭の葉っぱを食べたらどうすればいい?
胡蝶蘭の葉に毒性はないため一旦以下の対応をしてみましょう。
- 様子を見る
- 獣医に相談する
- 胡蝶蘭を猫から遠ざける
様子を見て体調を崩した様子があったら動物病院に連れていきましょう。
次も胡蝶蘭をかじって調子を悪くする可能性があるため、胡蝶蘭は遠ざけた方がいいかもしれません。
胡蝶蘭を猫の届かない場所に置くにはどうすればいい?
お家の中で胡蝶蘭と猫を遠ざけるには以下のような方法があります。
- 猫が行かない部屋に置く
- 簡易温室やネットで胡蝶蘭の鉢を囲む
- 吊るしたり、棚にかける
猫に大丈夫な花、ダメな花をそれぞれ知りたい
猫にとって危険なお花と安全なお花にはそれぞれ以下があります。
安全なお花 |
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危険なお花 |
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胡蝶蘭とスズランのように名前が似ているけど別の分類がされているお花、見た目が似ていても別の種類のお花などもあります。
猫がいる場所にお花を置く場合は、花屋さんに聞くなどしっかり確認しましょう。
ご自分で猫に危険なお花を調べるのであれば、以下のサイトを参考にしてみましょう。
その花や観葉植物は大丈夫? 猫にとって安全な植物、危険な植物 | Cat-friendly Plants
猫にNGな観葉植物は?
猫にNGな観葉植物は以下のとおりです。
- サトイモ科: モンステラ、ポトス、スパティフィラムなど
- ドラセナ: ドラセナ・フラグランス(幸福の木)など
- ベンジャミン: フィカス・ベンジャミナなど
- ディフェンバキア
- アイビー
- アロエ
観葉植物であればパキラやガジュマル、テーブルヤシなどが猫にとって安全です。
ヤシ科、マメ科の観葉植物は毒性がないため、猫がいるお家にはおすすめです。