「春の粧(はるのよそおい)」は、ピンク色の芍薬(シャクヤク)の品種です。
春から初夏にかけて流通しており、華やかで可愛らしい見た目が人気のお花です。
雅な名前にふさわしい、上品な女性らしさも感じられます。
芍薬「春の粧」の主な特徴
- 透明感のあるはっきりとしたピンク色の花びら
- 手まり咲きの大輪で愛らしい印象
芍薬「春の粧(はるのよそおい)」の特徴
芍薬「春の粧」は、以下の特徴を持った品種です。
他の芍薬品種と同じく開花調整が難しいものの、綺麗に満開になった時の華やかさは抜群。
流通する5~6月の時期にはぜひお花屋さんで取り入れたいお花です。
色 | ピンク |
出回り時期 | 5月~6月 |
サイズ | 大輪 |
香り | 微香 |
咲き方 | 手まり咲き |
開花調整 | 難しい |
主な生産地 | 長野県、和歌山県 |
透明感のあるはっきりとしたピンク色の花びら
春の粧の花びらははっきりとしたピンク色。
ややパープルがかった色味をしており、透明感のあるお花です。
淡い色のお花と合わせたアレンジメントにもおすすめですよ。
手まり咲きの大輪で愛らしい印象
春の粧の咲き方は「手まり咲き」と呼ばれており、花の真ん中が高く盛り上がっているのが特徴。
おしべは見えづらく、真ん中からこっそりと覗く程度です。
お花全体に丸みがあり、可愛らしい印象を受けますね。
満開時の花径は13~17センチ程度。
20センチを超える巨大輪も多い芍薬の中では、花のサイズが大きすぎることもなく、扱いやすいサイズ感と言えるでしょう。
芍薬「春の粧」の開花調節・水揚げ方法
春の粧に限らず、芍薬は開花のタイミングを調節するのが難しいお花です。
通常の水揚げをしてしまうと花がすぐに咲いて3日ほどで終わってしまうリスクがありますので、お花屋さんで取り扱う際は注意が必要でしょう。
できるだけ開花を遅らせ、お客様に長く楽しんでもらうためには、店舗で以下の管理方法をとることをおすすめします。
- 低温で水につけずに管理
- 通常の温度に戻す際は2段階で
- 葉を少しだけ取り除く
- 茎をまっすぐ空切りする
- 浅水につけておく
低温で水につけずに管理
春の粧を手に入れたら、すぐに水揚げするのではなく、低温で水につけずに管理します。
温度設定は5℃がおすすめですが、ラン類などと一緒に保管する場合は、10℃まで上げても問題ありません。
通常の温度に戻す際は2段階で
店頭に置く前には、一気に通常の温度に戻すのではなく、2段階で少しずつ温度を上げます。
一気に温度を上げてしまうとお花がダメージを受ける可能性があるため注意しましょう。
葉を少しだけ取り除く
水揚げの際は、葉が水に浸からないように軽く取り除いておきましょう。
ただしたくさん取り除くと、一気に開花を早めてしまう原因となります。
開花調整をするためには、葉はある程度残しておきましょう。
茎をまっすぐ空切りする
芍薬の場合は、茎を斜めに切るのではなくまっすぐカットします。
断面積を狭くすることで水の吸い上げを制限し、開花を遅らせることができます。
カットする際は水中ではなく、空中(空切り)で問題ありません。
浅水につけておく
茎をカットしたら、浅めの水につけておきます。
深水にしてしまうとすぐにお花が咲いてしまう可能性がありますので、お花屋さんでの管理方法としてはおすすめできません。
芍薬「春の粧」の花言葉
芍薬には色別の花言葉があります。
春の粧のようなピンク色の芍薬の花言葉は「恥じらい」「はにかみ」など。
ピンク色の花びらが、恥じらって紅潮した頬のように見えることから、このような花言葉がつけられたと言われています。