この記事はこんな人におすすめ
- 花が咲き終わった胡蝶蘭をどうしたらいいか分からない
- 花が終わった後のお手入れ方法が知りたい
- 胡蝶蘭をもう一度咲かせる方法が知りたい
もらった胡蝶蘭の花が終わったら「枯れてしまったの?」「この後どうしたらいいの?」と困ってしまいますよね。
胡蝶蘭は株の寿命が長く、花が終わっても適切にお手入れをすると再び花を咲かせることができます。
この記事では、花が終わった後の胡蝶蘭のお手入れ方法や、置き場所、水やりなどの基本的なお手入れ方法を解説します。
胡蝶蘭の花が終わった後のお手入れ
まずは、胡蝶蘭の花が終わった直後に行うお手入れを見ていきましょう。
お花が終わった際に行うお手入れは以下の3点があります。
- 咲き終わった花を摘み取る
- 花茎を切る
- 必要に応じて植え替えを行う
それぞれのお手入れについて詳しく解説していきます。
咲き終わった花を摘み取る
胡蝶蘭の花が終わったら、花を摘み取って株に枯れた花を残さないようにしましょう。
通常であれば、胡蝶蘭は上の方から自然と花が枯れて落ちていきます。
しかし、しぼんだり薄くしわしわになっている花はもうすぐ枯れてしまうため、摘み取って問題ありません。
お花を取り除く場合は、花茎に接している付け根部分を軽くひねって摘み取りましょう。
しおれかけた花を摘み取ることで株に元気を残すことができ、次のお花を咲かせやすくなります!
花茎を切る
胡蝶蘭の花が咲き終わったら花茎を切るようにしましょう。
花茎を切る位置は、今後の株の育て方によって異なります。
花が終わった後の胡蝶蘭の株の育て方と茎を切る位置は以下のとおりです。
育て方 | 切る位置 |
---|---|
二度咲きさせる (2番花を咲かせる) |
根元から4~5節目の上 |
株を休ませる (来年の開花に備える) |
花茎の根元 |
株にエネルギーが残っていれば、1年以内にもう一度花を咲かせる二度咲きに挑戦することができます。
しかし、二度咲きは株のエネルギーを使うため、次の花が小さくなることがあります。
来年も立派な花が見たい場合は、株を休ませて栄養を蓄える育て方を選択する必要があります。
花茎は枯れても自然に落ちることがないため、花が終わった後は都度切り落とすようにしましょう。
カットした断面に「トップジンMペースト」などの殺菌剤を塗布しておくと切り口からの細菌感染が防げますよ。
支柱を抜く
胡蝶蘭の花茎を支えるための支柱が付いている場合は、花茎をカットする際に支柱を抜くようにしましょう。
支柱によっては抜きにくい種類もあるため、葉や茎を傷つけないように注意します。
金属製の支柱の場合、次に花が咲いた時に支柱を再利用することができますよ。
必要に応じて植え替えを行う
お花が終ったあと、以下のような場合は植え替えを検討してみましょう。
- 胡蝶蘭が寄せ植えされている
- 2~3年植え替えしていない
贈答用の胡蝶蘭の場合、3本立、5本立などの形で販売されており、1つの植木鉢の中に複数個のポットが寄せ植えされています。
寄せ植えしてある胡蝶蘭は水やりが難しく、根が呼吸しにくくなるため育てにくくなります。
1つの鉢に1つの株を植えるようにしましょう。
また、2~3年ほど植え替えを行っていない場合は植え込み材が寿命を迎えている場合があります。
カビや病害虫の防止のためにも植え替えを行いましょう。
植え替えに適した時期や植え替え方法については「【失敗しない胡蝶蘭の植え替え】時期・方法・注意点|プロが教える成功の秘訣」を参考にしてくださいね。
胡蝶蘭を二度咲きさせるには?
胡蝶蘭の花が終わった後に再び二度咲きさせたい場合は、以下の手順で確認と手入れを行いましょう。
- 株の状態を確認する
- 花茎を4~5節目の上で切る
- 支柱を抜く
それぞれの工程について詳しく解説していきます。
株の状態を確認する
胡蝶蘭の二度咲きに挑戦したい場合、まず株に二度咲きできる元気があるかを確認する必要があります。
確認するポイントは、主に以下の点です。
- 花が3分の1程度残っているか?
- 花茎がしおれていないか?
- 健康な葉が3枚以上あるか?
胡蝶蘭は花が咲いている間はエネルギーを使い続け、花が咲き終えると花茎も自然と枯れていきます。
二度咲きをさせたい場合は、花が3分の1程度残った状態で花茎を切ると二番花が咲きやすくなります。
また、胡蝶蘭は葉にエネルギーを蓄えるため、健康な葉の枚数が少ないと株自体のエネルギーが足りず、花を開花させることができません。
株自体のエネルギーが少ない場合は、花茎を根元で切って葉を増やす育て方を行うようにしましょう。
花茎を4~5節目の上で切る
株にエネルギーがあり、花が残っているのであれば花茎をカットして二番花の準備を行います。
花茎を切る場合は、下から4~5節を残してカットします。
二番花を咲かせる新芽は健康な節から生えてきますので、節の上を切るようにしましょう。
花茎が短い場合はなるべく節を残しつつ花を全て落とせる場所をカットするといいですよ。
支柱を抜く
花茎をカットした後は支柱を抜きましょう。
支柱は花の重みで花茎が垂れ下がらないようにする役割や、花の向きを揃える役割があります。
花ごと花茎を切り取った場合は不要になり、場所によっては新芽が出る際の妨げになってしまう可能性があります。
胡蝶蘭を二度咲きさせる方法や、管理するポイントについては以下の記事でも詳しく解説しています。
胡蝶蘭をもう一度咲かせる!【簡単】プロが教える育て方と開花のコツ
花が終わった胡蝶蘭の育て方
胡蝶蘭の花が終わった後も、特別育て方を変える必要はありません。
お手入れは花が咲いているかではなく、季節や気温で切り替えるようにしましょう。
ここでは、基本的な以下のお手入れについて改めて確認してみましょう。
- 胡蝶蘭の置き場所
- 水やりの頻度と方法
- 肥料を与えるタイミング
胡蝶蘭の置き場所
胡蝶蘭の置き場所として適した場所には、以下のような例があります。
- キッチン
- リビング
- 玄関や窓辺など(※冬季を除く)
胡蝶蘭の置き場所を選ぶ際は、「気温と湿度が適切か?」「直射日光が当たらないか?」の2点に注目してみましょう。
最適な気温と湿度
胡蝶蘭を育てるのに適した気温と湿度は以下のとおりです。
- 気温:18~25℃
- 湿度:50~70%程度
胡蝶蘭は気温の変化に弱く、10℃以下の寒い環境や35℃以上の暑い環境に置くとすぐに枯れてしまいます。
できれば日中は25℃前後、夜間は18度前後にして1日の気温差を5℃程度にするのが最適です。
また、胡蝶蘭は空気中の水分を吸収するため、湿度が低いと水不足になる可能性があります。
湿度が80%を越えるとカビや細菌が発生しやすくなるため、エアコンや加湿器で調整しましょう。
胡蝶蘭は温度差によって成長や開花が促され、季節ごとに温度を調整するとより元気に育ちます。
季節ごとの温度管理については「胡蝶蘭に理想的な温度!季節ごとの管理方法と失敗を防ぐコツ」で詳しく解説しています。
直射日光は避ける
胡蝶蘭が直射日光を受けると、葉が焼けて傷んでしまいます。
直接太陽の光が当たらない場所に置くようにしましょう。
ただし、胡蝶蘭は光がないと光合成ができないため、遮光した光や間接光が届く明るい場所に置くのが最適です。
胡蝶蘭に直射日光が良くない理由や、最適な置き場所については以下の記事で詳しく解説しています。
水やり方法と頻度
胡蝶蘭の水やりは、1度根が乾いてからたっぷりと水を与えるのが基本的なやり方です。
水やり前に植え込み材を手で触ってみて、乾燥しているかを確認しましょう。
季節ごとの水やりの頻度は大まかに以下のとおりです。
季節 | 目安頻度 | 水量 | 時間帯 |
---|---|---|---|
春 | 1週間~10日に1回 | 200ml | 日中 |
夏 | 2~3日に1回 | 200~ 500ml |
朝、または夕方 |
秋 | 10日~2週間に1回 | 200ml | 日中 |
冬 | 2週間~1か月に1回 | 200ml | 午前中 |
鉢周りの通気性や気温によって根が乾くスピードは異なるため、植え込み材や根の状態を見て調整しましょう。
水やりの基本的なやり方や、季節ごとの水やりのポイントについては以下の記事を参考にしてみてくださいね。
胡蝶蘭の水やりで失敗しない!季節別【頻度・量・時間】のコツと根腐れ対策
水のやりすぎによる根腐れに注意
胡蝶蘭を枯らしてしまう原因として最も多いのが、水のやりすぎによる「根腐れ」です。
根が腐ってしまうと、胡蝶蘭は水分を吸収できなくなって次第に弱っていってしまいます。
根腐れの症状はゆっくり進行するため、花や葉に先に症状が現れます。
根が腐ってしまった株は回復させることが難しく、時間もかかるため、なるべく軽症のうちに発見して対処を行いましょう。
根腐れした胡蝶蘭に起こる症状や、回復させるための対処法は「胡蝶蘭の根腐れ【原因・症状・復活】プロが教える対処法と予防策」で詳しく解説しています。
肥料を与えるタイミング
花が終わっても、急いで胡蝶蘭に肥料を与える必要はありません。
基本的に胡蝶蘭は生長している5~9月頃にしか肥料を吸収できません。
以下を希望している時のみ、株の状態や気温などを確認してから肥料を与えましょう。
- 来年の開花のために株にエネルギーを蓄えたい
- 葉の枚数を増やしたい
肥料を選ぶ際は、窒素・リン酸・カリウム(NPK比率)が同じ割合で配合されている洋ラン専用肥料を選ぶのがおすすめです。
肥料を与えるかどうかの判断ポイント
成長期であっても、場合によっては肥料を与えると逆に弱ってしまうことがあります。
それぞれ、肥料を与えていいケースと、控えた方がいいケースは以下のとおりです。
与えていい |
|
---|---|
控えた方がいい |
|
肥料の与え方は「固形」か「液体」かによって異なる
胡蝶蘭の肥料には「固形肥料」と「液体肥料」の2種類があり、どちらの肥料を選ぶかによって与え方が異なります。
一般的に固形肥料は鉢の上に置くタイプとなります。
遅効性のため3か月~1年ほど効果が持続し、肥料焼けや塩害が起こりにくい特徴があります。
対して、液体肥料は水で希釈するかそのまま与えることができ、水やり代わりに肥料を与える形になります。
即効性に優れていますが、水やりと同等の頻度で与え直す必要があり、肥料焼けを起こしやすいため注意が必要です。
胡蝶蘭の肥料の与え方や与えるタイミングについては以下の記事でより詳しく解説しています。
まとめ
胡蝶蘭は花が終わっても株が枯れるわけではないため、再び花を咲かせることができます。
花が終わった後の胡蝶蘭のお手入れ方法には以下があります。
- 咲き終わった花を摘み取る
- 花茎を切る
- 必要に応じて植え替えを行う
花茎をカットする際は1年以内にもう一度花を咲かせる「二度咲き」と、来年に花を咲かせる場合で花茎を切る位置が異なるため注意しましょう。
二度咲きに挑戦したい場合は、以下の手順でお手入れを行います。
- 株の状態を確認する
- 花茎を4~5節目の上で切る
- 支柱を抜く
株にエネルギーがなかったり、花茎がすでに枯れている場合は根元から花茎をカットして来年の開花に備えましょう。
よくある質問(FAQ)
花が終わった胡蝶蘭は捨てるべきですか?
胡蝶蘭は花が終わった後も株が生きています。
適切に育てれば、1年以内にもう一度花を咲かせる「二度咲き」や、翌年に綺麗な花を咲かせることができます。
お花が好きな方は育ててみてはいかがでしょうか。
胡蝶蘭の花が終わった後、肥料は必要ですか?
胡蝶蘭の花が咲き終わった後に肥料を与える必要はありません。
葉を増やしたい、来年の開花のために株にエネルギーを蓄えたい場合は成長期に肥料を与えることを検討してみましょう。
成長期以外の期間は肥料が毒になって弱ってしまうため注意が必要です。
胡蝶蘭の花が終わった後、どのくらいで次の花が咲きますか?
胡蝶蘭の次の花が咲くまでの期間は株の管理方法によって異なります。
開花期間は一般的に以下とされています。
- 二度咲きの場合:半年~1年
- 花茎を根元で切った場合:約1年
二度咲きの場合、季節や株のエネルギーがどれだけ残っているかによっても開花期間が異なります。
二度咲きの場合は数か月後に、来年の開花を目指している場合は秋に花芽が出るかを確認してみましょう。
花芽が無事に出ていれば、数か月後に開花する可能性があります。
花が咲かない場合の対処法は?
胡蝶蘭の花が咲かない場合は、置き場所やお手入れ方法に問題がある可能性があります。
以下の原因と対処法を参考に育て方を見直してみましょう。
原因 | 対処法 |
---|---|
光が足りない (葉が濃い緑色になる) |
明るい日陰に置く |
温度が適していない (成長が遅い) |
18~25℃を維持し、昼夜で5〜10℃の温度差をつける |
水やりが多い (根が褐色になる) |
|
株が小さすぎる (葉が2枚以下) |
最低でも葉が3枚以上になるまで育てる |
ストレス (葉が萎れる) |
急激な環境変化を避け、胡蝶蘭にとって快適な環境を保つ |
胡蝶蘭の花が終わったら、花茎はどこで切ればいいですか?
二度咲きに挑戦したい場合は4~5節を残して上でカットします。
来年の開花に備えて株を休ませたい場合は、根元で花茎を切りましょう。
胡蝶蘭の花が終わった後、二度咲きさせることは可能ですか?
胡蝶蘭の株に元気があり、花茎が枯れていなければ二度咲きできる可能性があります。
二度咲きさせたい場合は、以下の手順で株の確認と花茎のカットを行いましょう。
- 株の状態を確認する
- 花茎を4~5節目の上で切る
- 支柱を抜く
花が終わった胡蝶蘭の水やりはどうすればいいですか?
花が終わった後に胡蝶蘭への水やりを変える必要はありません。
季節ごとに適した水やりを行いましょう。
胡蝶蘭の花が終わったら、植え替えは必要ですか?
2~3年植え替えを行っていない場合や、寄せ植えされた場合であれば植え替えを行った方が良いでしょう。
花が終わった後の胡蝶蘭はどこに置くべきですか?
直射日光を避け、明るい日陰になる場所に置くようにしましょう。
リビングやキッチンなど、適度な湿気がある明るい場所などがおすすめです。
胡蝶蘭の花が終わった後も葉水は必要?
胡蝶蘭の花が終わった後も、湿度が低い環境に置いている場合は引き続き葉水を行いましょう。