花図鑑

ユリ「日の本(ひのもと)」香りや咲き方、水揚げ方法を解説

2022.06.29

ユリ品種図鑑「日の本」

Bloom Note編集部

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日の本(ひのもと)は、主に鹿児島県の沖之永良部で生産されるユリの品種です。
現在流通しているユリの中では珍しく、他の種との交配がされていない原種系の品種です。

今回は日の本の特徴や水揚げ方法、花言葉などを解説します。

ユリ「日の本(ひのもと)」の主な特徴

  • 白く小ぶりで和の雰囲気が感じられる
  • 淡く爽やかな香り
  • 横向きに咲く花とふっくらとした蕾が印象的

ユリ「日の本(ひのもと)」の特徴

日の本の特徴早見

日の本(ひのもと)は、テッポウユリに分類される品種です。
テッポウユリは、ラッパのような花形で横に向かって咲くのが特徴。
テッポウユリの品種のほとんどが白いユリですが、日の本も例にもれず純白の花を咲かせます。

品種群 テッポウユリ
サイズ 小輪
香り 微香
出回り時期 通年
開花速度 ゆっくり
主な生産地 鹿児島県

白く小ぶりで和の雰囲気が感じられる

日の本の花のサイズは、開花時で約10センチほど。
花径20センチを超える品種も多いユリの中では、かなり小ぶりなサイズ感です。

美しい白色の花びらで、和の雰囲気が感じられるのが特徴。
冠婚葬祭にもよく用いられるお花です。

淡く爽やかな香り

日の本の香りはカサブランカなどと比べると控えめです。
爽やかな香りが淡く漂う程度ですので、ユリの強い香りが苦手な方にも疎まれません。

横向きに咲く花とふっくらとした蕾が印象的

日の本は横向きに、場合によってはやや俯きがちに花を咲かせます
上向きに咲くユリと比べるとややアレンジしづらい難点はあるものの、花瓶に生けるだけで存在感のあるお花です。
蕾もふっくらとしており、徐々に咲いていく姿を楽しめます。

ユリ「日の本(ひのもと)」の開花調整・水揚げ方法

日の本のお手入れ方法

冠婚葬祭でも人気の日の本ですが、日取りが決まっている場で使う際は開花調整のタイミングが難しいお花でもあります。
仕入れ後は蕾の状態で管理し、お客様の手元に渡る際に綺麗に咲かせられるのがベストですが、開花しない、または花が早く咲きすぎてしまうなどのリスクは考慮しておきましょう。

ここでは、お花屋さんにおすすめの開花調整方法を紹介します。

  1. 仕入れ後、低温で水につけず管理
  2. 水揚げ前には不要な葉を取り除く
  3. 茎をまっすぐカットする
  4. 花全体の4分の1程度がつかる水につけておく
  5. 花が開いたら花粉を取る

仕入れ後、低温で水につけず管理

仕入れ後しばらく蕾の状態のまま咲かせたくない場合は、低温で水につけず、葉も残した状態で管理します。
可能であれば5℃の環境を用意できるのがベスト。難しい場合は10℃でも問題ありません。

管理後、通常の温度に戻す際は急激な温度差を生まないよう、2段階で温度を上げるようにしましょう。

水揚げ前には不要な葉を取り除く

水揚げをする前には、不要な葉を取り除いておきます
水につかる部分の葉は取り除き、花に栄養が届きやすい状態にしてあげましょう。

茎をまっすぐカットする

茎を下から3~5センチ程度、まっすぐカットします。
早く咲かせたい場合は斜めにカットし、水の吸い上げを良くしますが、ゆっくりと咲かせたい場合はまっすぐで問題ありません。

花全体の4分の1程度がつかる水につけておく

日の本の茎をカットした後は、水を入れたバケツに移します。
水は、花全体の4分の1程度がつかる量を心がけます。
水揚げがよいお花ですので、深水にしなくてもよく水を吸い、元気に咲いてくれますよ。

花が開いたら花粉を取る

花が開いたらすぐに花粉を取り除きましょう
花粉を残していると花もちが悪くなったり、花びらを汚してしまったりとデメリットが多くなります。
花の中心にある葯(ヤク)の部分を優しく引っ張り、丁寧に花粉を取り除きます。

ユリ「日の本(ひのもと)」の花言葉

日の本のような白いユリの花言葉は、「純潔」「威厳」「甘美」など。
凛とした強さ、美しさを表す素敵な花言葉ですね。
プレゼントする際は、花言葉も添えて伝えると喜ばれるかもしれません。

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