胡蝶蘭はお祝いで人気の贈り物です。
会社の移転や開店、周年、就任などのビジネスシーンだけでなく、プライベートでも引っ越しや誕生日、結婚などでもらうこともあります。
しかし胡蝶蘭を今まで育てたことがない場合、胡蝶蘭をもらっても飾り方やお手入れ方法が分からなくて困ってしまう方も少なくないでしょう。
また胡蝶蘭を同じ場所でずっと飾っておくことができないなら、飾った後どのようにするかも考える必要があります。
この記事では、もらった胡蝶蘭の飾り方やお手入れ方法、処分方法などについて解説します。
この記事を読むと分かること
- プレゼントにもらった胡蝶蘭の飾り方
- もらった胡蝶蘭のお手入れ方法
- 飾り終わった胡蝶蘭の対処方法
【鉢植えの場合】もらった胡蝶蘭の正しい飾り方
もらった胡蝶蘭の鉢植えを飾る際に注意すべきポイントは、以下のとおりです。
- 花を包んでいるビニールはすぐに外す
- ラッピングは早めに外す
- 立札を正面にして贈り主が見えるようにする
- 1~3週間は人目につく場所に飾るのがおすすめ
お祝いでもらった胡蝶蘭は、店舗や事務所、自宅などに飾ることになります。
胡蝶蘭は正しくキレイに飾ることで、贈り主に感謝の気持ちを伝えられ、その後もキレイな胡蝶蘭を楽しむことができます。
花を包んでいるビニールはすぐに外す
贈答用の胡蝶蘭は配送中に花が傷付かないように、花をビニールなどで覆われた状態で届きます。
ビニールが付いたままだと花が呼吸できないので、届いたらすぐに箱から胡蝶蘭を取り出して、花を覆っているビニールを外しましょう。
また胡蝶蘭が配送中に傷付かないように、ダンボールに紐やテープなどで固定されているので、無理に引き出さないように注意が必要です。
ラッピングは早めに外す
ラッピングは胡蝶蘭と鉢を覆っているので、胡蝶蘭のためにできるだけ早めに外す必要があります。
ラッピングされた状態で水を与えると、水が溜まり根腐れを起こす原因となります。
ラッピングを外すタイミングは、贈られてきてすぐでも、1回目の水やりをするタイミングでもOKです。
ただ全体が覆われていない鉢植えの周りだけのラッピングなら、無理に外す必要はありません。
立札を正面にして贈り主が見えるようにする
いただいた胡蝶蘭に立札が付いている場合は、立札を正面にして飾ります。
立札にはお祝いの言葉や贈り主の名前が書かれているので、正面から見えるようにしておくことで、誰から贈られたものなのか一目で確認することが可能です。
また立札は贈る側としても社名を広めるきっかけになるため、社名を見やすくしておくことで、贈られた方にもメリットを与えられます。
1~3週間は人目につく場所に飾るのがおすすめ
せっかくいただいた胡蝶蘭は1日でも長く飾るのがマナーです。
すぐに片付けてしまうと失礼になってしまうため、しばらくは人目につく場所に飾っておきましょう。
正確な日数などはありませんが、1~3週間程度が目安です。
胡蝶蘭を贈ってくれた方が訪れる予定がある場合は、相手が来るまで飾っておくのがおすすめです。
切り花の胡蝶蘭をもらった際の飾り方
胡蝶蘭を鉢植えではなく、切り花でもらうこともあるでしょう。
また、二度咲きさせるために早めに花茎を切って、切り花が残ることもあるかと思います。
切り花の胡蝶蘭を飾る際には、茎の水切りと花瓶の水を換える必要があります。
水切りしてから花瓶に入れる
胡蝶蘭の切り花を花瓶に活ける際は水切りをすることで、花が長持ちします。
水切りとは、活けた時に水を吸い上げる断面の面積を増やすために行うものです。
水切りは、水に胡蝶蘭を浸けて、水中で茎の根元を5ミリ前後斜めに切ります。
胡蝶蘭の花は一つでも華やかなので、一輪差しにしても大きめの花瓶に複数の花を活けても素敵です。
自分の好きな花を買ってきて、胡蝶蘭といろんな花を使ってアレンジする楽しみ方もあります。
水は毎日かえる
胡蝶蘭を花瓶に飾る場合は、毎日水を替えて清潔に保つことで、花を長持ちさせることができます。
切り花を挿した花瓶の水は雑菌が繁殖しやすいので、水を替えずに放置すると、雑菌によって花や茎を腐らせてしまう可能性が高まります。
特に夏場は注意が必要です。
水はただ交換するだけでなく、こまめに花瓶を洗うのがおすすめです。
水を交換しても花瓶の中に雑菌が残る可能性があるので、花瓶をキレイに洗うことで清潔に保てます。
また花を長く楽しみたいなら、花瓶の中に切り花延命剤を入れるのがコツです。
もらった胡蝶蘭の管理方法
胡蝶蘭を元気に長く育てるためには、適切な管理方法が重要になります。
置き場所 | 直射日光が当たらない明るい日陰 |
---|---|
温度 | 18℃~25℃が理想 |
水やり | 10日に1回程度が目安 |
肥料 | 花が咲いてるときは与えない |
ここでは、胡蝶蘭の育て方のポイントをご紹介します。
置き場所:直射日光が当たらない明るい日陰
胡蝶蘭の置き場所は、直射日光が当たらない明るい日陰が適しています。
胡蝶蘭を育てる場所の理想条件は、以下のとおりです。
屋内 | 暖かくて明るい場所
|
---|---|
屋外 | 遮光対策がされた日陰
|
胡蝶蘭は、基本的に温度が調整しやすい室内で育てるのがおすすめです。
室内で育てる際は、直射日光やエアコンの風が直接当たる場所は避け、できるだけ風通しの良い場所に置くようにしましょう。
温度:18℃~25℃が理想
胡蝶蘭は暖かく、湿度の多い環境を好むため、胡蝶蘭が快適に過ごせる生育環境を作ることが大切です。
胡蝶蘭を育てる際に理想的な温度と湿度は以下のとおりです。
- 温度:18~25℃
- 湿度:50~70%程度
日本は季節によって気温が異なるため、基本は温度が管理しやすい室内で育てるのがおすすめです。
エアコンや加湿器などを用いて、胡蝶蘭にとって快適な環境を作りましょう。
胡蝶蘭にとって快適な温度については「胡蝶蘭に理想的な温度!季節ごとの管理方法と失敗を防ぐコツ」で解説しているため参考にしてくださいね。
水やり:10日に1回程度が目安
胡蝶蘭に水やりをするタイミングは、根が乾く10日に1回程度が目安です。
ただし、根が乾くスピードは季節によって異なるため、時期によって水やりの頻度を調整しなければいけません。
季節ごとの水やり頻度は、以下のとおりです。
季節 | 頻度目安 | 水量 | 時間帯 |
---|---|---|---|
春 | 7~10日に1回 | 200ml | 日中 |
夏 | 2~3日に1回 | 200~ 500ml |
朝または夕方 |
秋 | 10~14日に1回 | 200ml | 日中 |
冬 | 2週間~1か月に1回 | 200ml | 午前中 |
上記の頻度はあくまで目安なので、実際の乾き具合を確認しながら調節することが大切です。
水やりのやり方
胡蝶蘭の水やりは、基本的に以下のように行います。
- コップ1杯分(200ml)の水を用意する
- 根元に水が行くように与える
- 受け皿に溜まった水を捨てる
胡蝶蘭は、表面が乾いてからたっぷりの水を与えることが重要です。
たっぷりの水を用意して、植え込み材全体に行き渡るように与えます。
ただし、受け皿に水が溜まったままにしておくと、過湿で根や茎が腐る原因となるため、水やりのたびに捨てましょう。
胡蝶蘭への水やりについては「胡蝶蘭の水やりで失敗しない!季節別【頻度・量・時間】のコツと根腐れ対策」でも詳しく解説しています。
肥料:花が咲いてるときは与えない
胡蝶蘭は花が咲いている時に肥料を吸収できないため、肥料を与えないことが重要です。
開花中に肥料を与えると、花が早く落ちてしまったり、寿命を縮めるおそれがあります。
もらった胡蝶蘭を飾り終わったらどうする?
店舗や事務所などの場合、胡蝶蘭をもらっても、ずっと飾っておくのは難しいこともあるでしょう。
その場合、胡蝶蘭を他の場所に移したり処分したりする必要があります。
胡蝶蘭を片付ける方法としては、以下の方法があります。
- 一般ごみとして処分する
- 買取業者に引き取ってもらう
- 知人に譲る
- 家に持ち帰って育てる
それぞれ詳しい方法をご紹介します。
一般ごみとして処分する
枯れてしまった胡蝶蘭の最も一般的な処分方法は、ごみとして捨てる方法です。
胡蝶蘭は一般ごみとして捨てられますが、自治体のルールに従って分別して捨てる必要があります。
各パーツの捨て方は、以下のとおりです。
胡蝶蘭本体 | 燃えるごみとして出す。 株が大きい場合は、葉や茎などを小さく切る。 |
---|---|
水苔 | 水分をよく絞ってから、燃えるごみとして出す。 |
植木鉢 | 地域のごみ分別ルールに従って、分別する。 サイズが大きい場合は、砕いてから小さくして捨てる。 |
支柱 |
|
胡蝶蘭は、花が枯れても株が生きている場合があります。
以下の記事を参考にして本当に枯れているのかを確認してみてくださいね。
胡蝶蘭の捨て方【完全マニュアル】基本的な処分方法や再利用アイディアを紹介
買取業者に引き取ってもらう
手間をかけずに胡蝶蘭を処分したいなら、業者に引き取ってもらう方法があります。
引き取りサービスを提供する業者に依頼をすれば、回収や宅配などで胡蝶蘭を手放せるため、数が多くても楽に処分できます。
回収にかかる料金や対応地域などは業者によって異なるため、複数の業者を比較してから依頼する業者を決めると良いでしょう。
胡蝶蘭の回収や買取をしてくれる業者には、以下のようなものがあります。
買取してくれる業者 | |
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回収・引き取りしてくれる業者 |
知人に譲る
ガーデニングが好きな方が周りにいるなら、その方に譲る方法もあります。
胡蝶蘭を欲しいという方がいれば、鉢ごと相手に渡せば良いので手間がかかりません。
思い当たる人がいるなら、「胡蝶蘭があるけどいる?」と聞いてみてはいかがでしょうか。
家に持ち帰って育てる
せっかくお祝いでいただいた胡蝶蘭を処分するのはもったいないので、胡蝶蘭を育てられるスペースがあるなら自宅で育てるのもいいですね。
自宅で育てれば、手元に残しておくことができます。
胡蝶蘭は比較的寿命が長いので、大切に育てれば翌年以降もまたキレイな花を咲かせることができます。
胡蝶蘭の基本的な育て方については、以下の記事で詳しく解説しています。
胡蝶蘭の育て方【初心者向け】基本のお手入れや季節ごとの管理方法を解説
胡蝶蘭を二度咲きさせる方法
胡蝶蘭は花が落ちても株が元気であれば、年内にもう1回咲かせることができます。
ただし必ず二度咲きするわけではありません。
ここでは、胡蝶蘭を二度咲きさせるために必要なお手入れ方法をご紹介します。
株の状態を確認する
胡蝶蘭の二度咲きは株が元気な状態でないと、再び花を咲かせることができません。
そのため二度咲きに挑戦するなら、まずは株の状態を確認する必要があります。
株を確認する際に注目すべきポイントは、主に以下のとおりです。
- 花が3分の1程度残っている
- 花茎がしおれていない
- 健康な葉が3枚以上ある
胡蝶蘭の花茎は、開花中はエネルギーを使い続け、咲き終えると自然に枯れていきます。
花が3分の1程度残っている状態で花茎を切ることで、二度咲きしやすくなります。
また胡蝶蘭はエネルギーを葉に蓄える性質なので、健康な葉が少ないということは株自体のエネルギーも不足している状態です。
株のエネルギーが足りないと、花を開花することができないので、健康な葉がどれくらい残っているか確認します。
株の元気がないとその年は二度咲きさせられないため、花茎の根元から切って来年の開花に備えましょう。
下から4節または5節を残して切る
茎を切る際は、根元から4節または5節を残して切ります。
節から花芽が出るため、できるだけ多くの節を残すことがポイントです。
節を切る際は、剪定用のハサミやカッターなどを火で炙って消毒して使うことで、雑菌の繁殖を防げます。
支柱を取り出してポットから引き抜く
胡蝶蘭の株や茎を支えるために支柱が付いている場合は、支柱を取り除きます。
支柱と茎を留めているテープをひとつずつ丁寧に取って、胡蝶蘭を傷付けないように株元を抑えながらポットから慎重に支柱を引き抜きます。
胡蝶蘭をもう一度咲かせる方法や、二度咲きさせるための管理のポイントは以下の記事で紹介しています。
胡蝶蘭をもう一度咲かせる!【簡単】プロが教える育て方と開花のコツ
まとめ
お祝いなどでいただいた胡蝶蘭の飾り方で、気を付けたいポイントは以下のとおりです。
- 花を包んでいるビニールはすぐに外す
- ラッピングは早めに外す
- 立札を正面にして贈り主が見えるようにする
- 1~3週間は人目につく場所に飾るのがおすすめ
いただいた胡蝶蘭は正しい方法で飾ることで、お祝いをしてくださった贈り主に感謝の気持ちを伝えられます。
また胡蝶蘭は寿命が長いため適切に管理することで、いただいた胡蝶蘭を長持ちさせることもできます。
また胡蝶蘭を育てるためには、置き場所や温度、水やりなどが大切です。
正しい胡蝶蘭の管理方法や育て方を実践して、いただいた胡蝶蘭を長く楽しんでくださいね。